「ハンコ頼んでいいですか?
銀行印、実印のようなちゃんとしたハンコではないんですが」
「はあ」
「落款印なんですが、お願いできますでしょうか?」
はんこ屋さんに来て、ハンコを頼めるか聞かれるって、どうでしょう(笑)
そんなにコワイイメージなのでしょうか?
わざわざ調べて来店された方には、優しいつもりなのですが。
早く、安くをお望みの方は、うちのお客様ではないので、冷たいかな。
「篆刻はしませんので、はんこ屋さん(レベル)が木に彫る落款になりますが。
石に彫るものをお望みでしたら、篆刻作家さんの方がいいかと」
「できれば、お願いしたいのですが」
日本の伝統芸能を生業としている男性へのプレゼントで、
サインを何度か頂いたことがあるもののはんこがなく、
それで、プレゼントを思いついたそうです。
「全然、落款印についてわからなかったので、調べて自分で書いてみたのですが。
ドングリがマスコットでドングリをモチーフで入れたいのですが」
見せて頂いたものは、一般の人が書いたものと思えば良く書けています。
何より思いがこもっているので
「上手ですね。このまま彫りましょうか」
「いや」
「まず小篆でざっと書いてみましょう」
「そうなるんだ。きまりとか全然わからなくて」
「まあ、とりあえず。
でも、日本の伝統芸能の世界の人なので、篆刻作家さんの方がいいかもしれませんよ。」
「作家さんでもドングリ入れてくれますか?」
「そうか。それはちょっとですね。
次に印相体ざっと書いてみますね」
「小篆の方が好きです。
白文、朱文は、ぼくが(普通のはんこと同じ)朱文の方が得意なのと
サイン色紙では、あまり朱の目立たない朱文の方が、押しやすさもあっていいと思います」
「どんぐりは、あまり目立たないようにお願いします」
「えっ、はんこ屋としては形がはっきりわかるようにモチーフは彫りたいのですが
あまりわからないようにね〜。できあがりをお楽しみに」
さて、この方受け取りの時まで、なんと書かれているかわからないので、
このブログを見るのをやめていたそうです。
「ドングリがあるだけで、こんなにも小篆のものは、難しくなるなんて、思ってませんでした。
あまり、どんぐりを目立たないようにさりげなく彫ったつもりです。
これでいいですか」
「十分です。これ京都に行った時に買ってきたんですが、おしるこです。
私、デパートであまり買い物をしないので、このお店ではこれという風なので
有名なものは、知らないのですが、ググッてもらえば、これはでてきます」
京都市高倉蛸薬師上ルの亀廣永さんのものです。

あんが違います。さすがです。
印影公開は、名の知れた人のはんこはしない方針ですので無しです。
そうそう、この方、芸大出身のイラストレターさんなので
落款印の印稿、書けたことがわかりました。
***
「作って頂いた実印、見せびらかしたいのですが、実印なので見せびらかすわけにもいかず
今度は、認印を作りにきました」
「先ほどもそのような方がご来店されましたよ」
「富士山を入れて欲しいのですが」
「じゃあ、これを」
「penがあるんですね」
「いくつか、書きながらデザインを決めていきましょう」
「富士山はてっぺんがなだらか感じが好きです。
裾野が広がっている感じで」
「(富士山を上にして)これはだめだな。(富士山を下にレイアウトして)これもちょっと」
「富士山を真ん中ではなく、どちらかにずらしたらどうですか」
「なるほど。でも、この今の作業はんこ屋としておかしくないですか(笑)」
「おかしくないですよ。
ふつうのハンコも彫り、こういうこと(デザイン的なこと)もできる。
いいじゃないですか(笑)」
「ホント?大丈夫かな?大変なんだけど」
「なんか絵のような感じになりました。いいじゃないですか。
最初はどうなることかと思っていましたが、(ラフデザイン)できちゃいました」
「これ、神楽坂で買ってきたんですが、美味しいので、自分の家族分も買いました」
神楽坂、紀の善さんのあんみつ

あんとみつが、なにかちょっと違うんです。そのまんま(笑)おいしゅうございます。
ご紹介していない美味しいものも、たくさん、頂いております。
ホントに皆さんありがとうございます。
大学時代からの友人、がっちゃんから昨日メールが届きました。
この前、ご紹介したヴォアラさん,VOILAと表記するようで
がっちゃん、ゼリーは食べたことないそうですが、
そこのクッキーが『ここんとこの私のマイブーム』だそうです。
てっきり、持ってきてくれるものと思い、
先に『ごちそうさま』とメールしておきました。
ところが、『VOILAも遠い渋谷はもっと遠い』とメールが、
マイブームのはずなのに(笑)