「愛知県でも、流れたんですか?
僕もお正月、愛知県にいて、一応番組表をチェックしたのですが、見つけられず」
「映画の待ち時間でしたから、こちらとは、時間が違いましたが、確かに放送しましたよ」
「自分では、(しゃべりが)ダメダメだったんですが、良かったですか」
「良かったですよ」
などと会話をしながら、実印をご注文してくれました。
その時、『お水HAPPINESS』についても話しました。
愛知県岡崎市出身の50代の仲の良くなった男性のお客様、
もう結婚している20代の息子さん、娘さんに対して
「自分のことはいい、でも子供のことは全力で守らないと」とこんな風に言われました。
震災後すぐに、自分の会社にいる息子さんには、奥さん共々に愛知県に避難させたそうです。
子供は全力で守る。重い言葉です。
東京で生きていく自分にできることは、せめて、飲む水、料理に使う水、
口にする水を家族のために買うことぐらいです。
人体にすぐには影響がでない数値でも、水道水に混ざっていることは事実で
花粉症になる人、ならない人がいるように
放射性物質の影響が出やすい人だっているはずです。
それが、たまたま自分の子供たちだったら、と思うと。。。。
それで、地元の24時間営業の西友と
渋谷のドンキホーテで、毎日水を買おうとする生活が始まりました。
深夜0時過ぎの電車で帰り、西友に寄ると、2リットルの水の品出しをしていることがあり
または、お店に行く前の朝、西友に寄ると98円で2リットルの水が手に入ることがあります。
そうすると、とても幸せな気分になるという話です。
愛知県でも、水は品薄なものの、本数制限はありませんよとのことでした。
さて実印をご注文された翌日(翌々日)、嬉しそうに、またやってきてくれました。
話が面白かったからでしょうか(笑)
そして手には、お水。1リットルの水が2本。
「今日は、銀行印と認印を注文しに来ました。
これ(水を手渡されました)」
「ありがとうございます。いいんですか」
「こちらでは、厳しいですね。コンビニを何軒か周りました」
「もうお水HAPPINESSです(笑)」
お水を手土産で頂くとは。。。
「認印にはこの羽を、銀行印には、この本の表紙のような天使を入れて欲しいのですが、
できますか」
「できますよ。この天使の銅像、下はどうなっているのかな。まあ適当にやりますか。
どうして、羽のモチーフなんですか」
「芝居の舞台を観て、最後のシーンで天使の羽が落ちてきて、それが輝いていたんです。
そのことを思い出すと、これから先もがんばっていけるかなと思って」
「じゃあ、羽は横向きがいいですかね。そうだ。
キースヘリング風にして羽を輝かせてみよう。キースへリング知ってますよね。
最近、世代の違いなのか、知らないと言われて」
「知ってますよ」
ご注文の最後にどうしても聞きたかったようで
「少女時代好きだそうですが、はんこを彫る時のBGMは、少女時代ですか?」
「はい。
お客様の中には残念に思う方もいるかも知れませんが、
たいてい少女時代を聞きながら彫ってます(笑)」
少女時代のライブアルバムの1曲目は『Nine Angels』そうか、
天使の羽のモチーフをお彫りする時に天使達の歌をバックに彫る完璧じゃないですか。
かなり危な領域に入ってきました(笑)
鴨居先生のサイン用のはんこにも、キースヘリング風輝きを試みたことがありますので
気持ち的には余裕があったのですが、意外なほど難しい。
今回はシンプルに羽だけのためか、色々とできる分、難しさが増し、何度も印稿を書き直し
ついに納得。キースヘリングに捧げます。

実はウォーホールに捧げるハンコもお彫りしたのですが、
印影公開の許可を頂くお願いすることさえ忘れてしまいました(苦笑)
そうそう、お墓参りに行ったついでに、日の出イオンに寄ったところ
2リットルの水が98円以下で一人2本、それとは別に6本入りが一人1箱買え、
お水問題一安心です。
手土産をお持ち頂ける場合は、甘いもの希望です(笑)