2023年06月10日

理想的な展開

金額をハンコ屋を選ぶ第一基準にしている人がいます。
電話での問い合わせで
日本人はもちろん、外国人でもその事が分かり、その人達はお客様にはなりません。
時間的に余裕のある時には、意識的にはんこの知識が合って親切な感じを出し、他のところで作ったハンコを手にした時に後悔させるように話します(笑)
日本において、安くて良いはんこは無く、高くて悪いはんこはあります。ここがはんこ屋選びの難しいところです。

外国人旅行者が増えたからと言って単純にお客様は増えません。
ターゲットは、はんこというものを知っている外国人旅行者で、自分のアート作品に押したい人。
日本に来た記念のはんこが欲しくて、英語が通じそうな所。
手彫りのご注文の方には、納期との戦いなので、
できる限り急ぎ、それでも間に合わない時には、EMSで、送ります。
例え機械彫りのご注文であっても、はんこの枠を軽く手で整えます。そして渡す時に、はんこの押し方を伝授します。
日本人も外国人もはんこにこだわりのある方がお客様になります。

あえて、商売としては難しい道を選んでいますので、お客様の来店数に波がありますが、仕事の面白さ優先なので、それはそれです。

そんな中、まだ小さなお孫さんの銀行印を作りに来て頂いた日本人さんがいました。
娘さんが国際結婚して、カタカナのファミリーネーム、漢字のファーストネームです。
うちに来て、ホント良かったですねと心の中で、
カタカナと漢字のフルネームで上手に作れる所は、ホント少ないはずだからと思います。
その方からこのお店を知ったのは、娘の旦那のオーストラリア人が最初に、ここで作り良かったからと紹介されて、今回の前にも孫のはんこを作っているのよと言われました。

外国人にも、手を抜かず、丁寧な仕事をした成果が出ました。
なんか理想的な展開だなと、難しい道を歩いている意味を感じました。

posted by 一日3本 at 07:28| ご来店頂いたお客様 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月12日

お守りとしての印鑑

静岡から2度目のご来店のお客様。
印材サイズが一般的でないもので、
前回注文され、今回もその一般的ではないサイズでのご注文です。
印鑑の世界では、尺貫法が未だに残っていて、1.5ミリ単位のサイズ、直径になります。
長さは36ミリ、45ミリ、60ミリ、75ミリ、90ミリとなっています。通常60ミリ丈です。
中国では63ミリくらいのことが多く、日本の印鑑ケースに入りません。

その方が手土産を持って来店され、「お願いがあります」と言われました。
複雑な事情をお聞きして、もしかすると、実際には使われることがないかも知れない息子さんへのはんこをご注文頂きました。
職人に対して、使わないかも知れないはんこを注文することを失礼なことと感じて、でもお守りとしてはんこを頼みたいと訪ねて来てくれたのです。
もちろんご注文を受け、気持ちを込めてお彫りしました。

これはもう2,3年前の出来事です。
こんな世界が戻って来ますように。
posted by 一日3本 at 06:56| ご来店頂いたお客様 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月10日

渋谷陽一さんを知っていますか

ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2021の中止を発表したのが、総合プロデューサーの渋谷陽一さんです。

はんこ屋が高校生の頃、NHKFMで夜の10時くらいから、サウンドストリートという番組を毎日聞いていました。
当時、甲斐よしひろさんが好きで聞き始め、佐野元春さん、坂本龍一さんまでが、パーソナリティをつとめていました。
その中に渋谷陽一さんがいて、rockin’onという雑誌の編集長さんという肩書きだったでしょうか?
渋谷陽一さんに、洋楽を教わったと思っています。

しぶちか時代、そのロッキング・オンにお勤めの方がはんこを注文してくれました。

そしてその後、その方が渋谷さんが会社で使う認印を注文して下さいました。
渋谷さんには、ご来店頂けませんでしたが、自分に洋楽を教えて下さった方のはんこを作れる幸せを感じて、お彫りしました。

でも、渋谷陽一さんを知らない人が普通にいて、同じくらいの世代の音楽好きの人達は普通に知っていて、桜丘のカフェで見たよという人もいました。

それから数年経ち、ロッキング・オンにお勤めの方からご家族のはんこをご注文頂きました。

その時に、このブログを誉めて頂きました。
で、今のお仕事はフェスと言っていました。
その時に飲みに行きましょうと言っていたのですが、行けてないです(苦笑)

フェスのお仕事と言われいました。それからも歳月は経ち、その方がフェスの仕事をしているかどうかは分かりません。
夏のフェスは屋外なので、天気がとにかく心配でと話されていたこと思い出します。

正直、茨城の医師会さんの懸念、大変さ想像できますが、違うアプローチに仕方があったのではと思います。
お客様贔屓なので、一層に。
posted by 一日3本 at 07:19| ご来店頂いたお客様 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年06月03日

2019年12月のシカゴからのお客様

2019年12月、シカゴからモチーフ入り印鑑を作りに男性が来店されました。
モチーフはロードバイク。
英語版の当店のホームページを見てのご来店ですので、八方位に枠と文字が接するように、デザインすることも分かっています。
流石、遠方からのご来店、
良く分かっています(笑)

今回日本語の少しできる女性がついて来ていましたので、逆にちょっと難しかったです。
ご注文のお客様が エイトポイントと言っているのを聞いて、その女性はキョトンとしていました。
はんこの注文に関しては、言葉が通じなくても、直接本人とやりとりがしたいタイプです。

どこからのご来店かと聞くと、シカゴ。
シカゴで、思い浮かぶのは、シカゴカブスとギャングです。
ギャングのことを笑いにして良いか、分からず、流してしまいました。
「アルカポネ」と言ってみた方が良かったでしょうか?

この方は趣味で絵手紙を書くのに、はんこを押したいということでした。

ロードバイクをどのような形にするかが問題でした。
はんこ屋としては以前何度か彫っている写真をベースにしたものと考えました。
しかし、接客しているうちに、このお客様はロードバイクと分かる簡単なイラストを望んでいることが分かりました。
お客様自身がその場で書いた絵をベースにお彫りしました。
6D6B240C-D619-459D-9D32-2024DCD659CC.jpeg
これは2019年12月、本当の出来事です。
コロナ前の世界のお話。
posted by 一日3本 at 05:24| ご来店頂いたお客様 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年12月05日

シンガポールからのお客様

シンガポールからご来店頂いたご夫婦、奥様がアーチストで、落款印が2本欲しいとのことです。
最初はただのお土産と思って、接客を始めましたので、30分でできる機械彫りの話をしました。

自分と自分のお師匠さんの2本ですので、
お師匠さんに手彫り、自分のものは予算的に楕円形の機械彫りとなりました。
3週間後にご主人がまた日本に来るとのことで、
その時にピックアップとなりました。

で、このご主人面白い人のようで、2本合計の金額を電卓で示すと、自分で電卓を叩いて半分くらいの金額を示しました。
既にディスカウントはしないけど、朱肉をプレゼントしますで話がまとまっている段階です。
えっ驚いた顔をすると、嘘だよという感じになりましたので、「シンガポール イズ リッチカントリー」と大きな声で言いました。
にこにこしながら、帰る時に、大きなはんこタワーを持って行くふりまでしました。
ふざけてもイイ日本人見つけたと、張り切っている感がありました。
どこで見抜かれたのか(笑)

直ぐに戻って来て、奥様とご主人と一緒に写真を撮りました。
posted by 一日3本 at 07:10| ご来店頂いたお客様 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月09日

3連休のお客様

世の中には3連休がいっぱいあります。
はんこ屋は、仕事大好きなので、2連休さえ、ほぼ取りません(笑)

3連木があると、遠方からご来店頂いたりするので、その方とお話しして、その街を想像し、holiday気分を味わいます。
近々の3連休にご来店頂いたのは、新潟からのお客様。5年くらい前に個人のはんこをご注文頂き、今回は会社印を作り直しに来て頂きました。
現在の会社印は時間がなく間に合わせで作ったもので、うちで作った個人のはんこが良かったので、注文に来ましたと言われました。
有り難いことです。

今、聞くべきことは、台風などの被害に合わなかったということです。
幸なことに新潟は、今回はあまり被害が無かったそうです。
どうも、この方が次の予定があるような感じでしたので、あまり話は膨らませないまま、ホリデー気分無しでした(笑)
新潟は広くて、地域によって言葉、文化が違う。
寒さが厳しく、痛いんだよと新潟ネタ持っていたのに(笑)
さあ、次はどちらから、来て頂けるでしょうか。
posted by 一日3本 at 09:32| ご来店頂いたお客様 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年11月01日

目黒からのお客様

「どうして、うちのお店に来て頂いたのですか?」
「通勤途中にあるお店なので、急遽、実印が必要になり」

接客しながら、今、自分の中で、流行っている話をします。
有名バンドのピアノの人が2本目を取りに来て頂けるとか話します。

「お勤めはどちらですか?」
「目黒です」
「目黒といえば、Amazonさんですか?」
「コワ!違いますけど。
この辺りの情報に詳し過ぎます。
会社名は教えません。
会社の人にココでハンコを作ったことがあるか
聞いてみよう」

「そうそう、もう一つ下のインフォメーションで働いている方がご自身のはんこを作り、その後、千葉でサーフィンを習っている先生に、そのはんこを見せて、先生にハンコをプレゼントする話をしたところ、渋谷に目の前で、はんこのデザインをしてくれる所があると言われ、正にそこですと答えたそうです。その人に、ここって有名なんですねと言われました」
「やっぱり、会社名言わない(笑)」

近所の顔見知りのおじさんが作ったはんこを目指しているのに、謎の会社にお勤めの方にお彫りしました(笑)

posted by 一日3本 at 09:30| ご来店頂いたお客様 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月30日

ピアノの人

今日、はんこの受取り来られたのは、有名なバンドのピアノ担当の人です。
今回が2度目のご注文でした。
ダメもとで、一緒に写真を撮りたいというと、
「もちろん」と答えて頂き、
ネット公開もどうぞと言って下さいました。

どうして、そこまで?と聞くと
「素敵なほんこを作って頂いたので」とまで、
言って頂きました。
クレバーでオーラのあるキレイな人です。
59B21DFC-9E80-4DD3-9C0F-E9F4E2A666FD.jpg
posted by 一日3本 at 14:33| ご来店頂いたお客様 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月29日

自分でデザインしたものを

土曜日、彫り上がったハンコを受取りに来られたのは、日本の大手企業にお勤めのフランス人男性でした。
ご注文前に、2度日曜日に来店されてしまい、3度目のご来店でやっとのご注文でした。

その方がデザインしたアルファベットを彫って欲しいとのことでしたが、なんて書いてあるか、わかりません。
英語のできる日本人女性とのご来店でしたので、
まずは何が書かれているか?このデザインのまま彫ってしまうと枠が欠けた状態になるので、外枠を付けて良いかを聞いてもらいました。

アルファベットがデザインされていますが、大文字で最後のNだけnの形になっていました。

外枠は付けて良いということで、これでお彫りできます。

このデザインが自分では絶対しないものなので、逆に彫れます。
あまり、自分がデザインするものと近いと、変えたくなってしまうので、彫れません。

はんこ屋のとりとめのない話を、上手くまとめて通訳しているのを見て、
この女性がとても優秀な人なことに気付きました。
この女性に興味を持ち、少し本人のことを聞いてみました。二人は付き合っているのか?
これはNOで、日本語ができなくて困っているので、ついてきたとの答えでした。
通訳さんですか?と聞いてみると、企業に勤めているだけですとの回答でした。

その後、文字の太さと空間の空きを一緒にして欲しいと言われましたが、小さいところに彫るので、文字を彫るので、精一杯で空間までは、調整できないと答えました。
これもまた、上手に通訳して頂けました。

通訳する力は、語学力だけでなく、頭の回転も重要なのですね。

そして、受取りの時に、そのフランス人さんはとても喜んで頂きました。
あなたのデザインが素晴らしかったからですと伝えて頂きました。

通訳さんがいるお陰で、楽しい接客となりました。この二人がどうなるかは予想がたちません(笑)

posted by 一日3本 at 07:29| ご来店頂いたお客様 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年10月26日

白文も望むお客様

昨日、ご来店頂いた女性、「赤でなく白字で」
「はあ?何ですか?」
「認印が作りたいのですが、普通のはんこは赤い字じゃないですか。文字を白く」
「落款印には良くある白文ですね。銀行印にはなりませんが。乾きにくいし、扱いにくいですが」
「前、持っていて、落款印で白文字は持っているので。画数があるのですが、難しいですか?後、今、ヨコのはんこは作らないのでしょうか?」
「手で、彫るのに12ミリ丸あれば、ある程度画数があっても、お彫りできます。
はんこの横入れは、普通の横書きと逆、右から読むので、既製品で横入れのものはありません。
横入れの方が、漢字が縦長になり、バランスは良くなります。

ざっと篆書体で書き、白文で書くのは、手間なので、これが反転した感じ、そして、ハート部分も加えて、オリジナル感を出しました。

どうして、うちにご来店頂いたか聞いてみると、「通勤途中にうちのお店があり、作ろうと何度覗いても誰かいて、接客中なので、諦め、今日は誰もいないと注文しました。」

「おしゃべりなので(笑)しゃべっているか、作業しているかのどちらかです。
どちらにお勤めですか?」
「郵便局です」
「えっ、郵便局にも通販のはんこあるじゃないですか。どうしてうちに?」
「郵便局のは機械彫りじゃないですか。
例えば佐藤さんが何人も作ったらみんな同じになってしまうではないですか?と質問すると
最後に仕上げをするので、1本ずつ違うと回答がきたのですが」
「絶対、嘘ですね」
「それで、こちらに頼みました」

郵便局の通販のはんこが高いので、値段を上げた銀行印価格のはんこを郵便局にお勤めの方に
ご注文して頂けました。
達成、成功感が漂いました。
多分、感情が直ぐに顔に出るタイプなので、
ニヤリと笑っていたと思います(笑)
posted by 一日3本 at 11:00| ご来店頂いたお客様 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする