2021年12月15日

デザイナーさんとのセッション

もう何本もご注文頂いているデザイナーさんが来店されました。
下のお名前でのはんこのご注文で、まずAを書き、6816B3E0-BAD5-4E8D-A73C-C10AA479FB91.jpg続いてしめすへんの形を変えてBを書きました。
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するとデザイナーさんが私も書いてみていいですかとCを書きました。

今度は、はんこ屋がCを見て、「はんこの中では、縦棒は出来るだけ真っ直ぐした方が基準が出来てデザインとしてまとまるんですと言いながらDを書きました。
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点を丸にする発想は無かったですと、セッションすることによってできたデザインですと伝えました。
はんこ屋なのに、ここまでやっていてイイのでしょうか(笑)
楽しかったからイイです(笑)
posted by 一日3本 at 16:00| hankoのデザイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月15日

神域

週に一回程度、お店の開店前の時間に明治神宮にお参りに行きます。
昨日、お参りに行くと、放送が流れ始めました。
初めての出来事です。
緊急事態宣言のことかなと直ぐに思ったのですが、歩きながらの喫煙、飲食の禁止の案内でした。
ここは公園ではなく、神域です。特に喫煙、森を守りましょうという感じの内容でした。
ここでは、歩きタバコは流石に見ていませんが、何かあったのでしょうか?
そう言えば、地元で朝犬と散歩をしているとタバコの吸殻をたくさん見かけ、草の上にのっているものさえありました。
などと思っていますと、直ぐに英語で同じ内容の放送が始まりました。
分かりませんが、この放送は外国人旅行者向けを主としていると思うと納得できる気がします。
英国放送をちゃんと聞かず、神域を英語でなんと表現しているか聞き損ないました。

それにしても「神域」使ったことのないいい言葉に出合ってしまいました。
週に一回、神域を訪れるってすごくないですか(笑)
はんこ屋のお店に来店される前後に、明治神宮詣でのお客様も時々います。
その方に対して神域帰りで、清らかな感じがしますとか
これから、神域に行くのですね。自然と清らかになりますよねとか、言うとお客様のテンションも上げられます(笑)

その帰り道、日本酒の樽が並んでるいる前を通り過ぎてから、あれっと思い戻りました。
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樽に向かって左側に、赤い丸枠の中に、赤い字が篆書体風な字、ハンコ風デザインがあります。
それが、どれも酷いです。
はんこのデザインについて、何も知らない人が
ただフォントを並べてしまった感じです。
一通り見て見ると、2つだけ、これは昔のはんこをベースにしたデザインかなというものがありました。
はんこ風デザインのないものもありました。
しかし、半数以上が酷い偽物はんこデザインです。
神域に偽物とは恥じずしくないのかと、覚えたての神域で表現してみます。
たまたま撮った写真に板倉酒造さんというのが映っていましたので、どこがおかしいか説明してみましょう。
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下の2つ、丸の中に篆書風に「板倉酒造」さんとなっています。
1.篆書体は四角を枠と文字付ける
篆書体の基本は丸の中に四角く文字を入れ、四角に枠と文字をくっつけることです。
残念ながら四角を付けることを知らなかったようです。
2.縦棒より横棒を少し太くする。
これによって全体的に太さが均一に見ます。
残念ながら木偏が太く見えます。
3.横棒は両端を少し下げる。
横棒が真っ直ぐでないことで、味わいがでます。

「板倉酒造」さん、酒造はだいだい伝統的な篆書ですが、板倉は篆書と丸ゴシックが混ざっていてはんこ屋が見るとおかしいです。
篆書のフォントさえ使わずに、酒造に合わせてアレンジしたつもりのようです。

写真左上は
関谷謹醸となっていますが、篆書でさえありません。

右上はもっとひどく、芳醇となっていますが
丸ゴシックにほんの少し、篆書っぽいところもあり、斜めにレイアウトする場合は、漢字をもっともっと縦長にして空間を少なくします。

神域で駄目な日本人作品を見てしまいました。
樽の真ん中部分のデザインはどれも良かったです。

板倉酒造さんのことは何も知りません。
取り上げてしまって申し訳ありません。
職人がざっと手書きすると、こんな感じです。
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違いを感じましたら、次の機会には変えた方が良いのではと愚考致します。
うちで、はんこ風のデザインの価格は、今のところ、一件10万円で、何にでも使って良い売り切りを考えています。

明治神宮さんの御朱印用のはんこは、もともと木で彫ってあった印影を使用して、ゴム印にしたもののようです。
これですと本物感があります。

しかし、多くの神社の御朱印用のはんこが、いい加減なものが多いようです。
神域を意識するとどうなるかと考えて。
posted by 一日3本 at 11:58| hankoのデザイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年06月22日

色即是空

たくさんのはんこを頼んで頂いた仲良しのお客様、会社名変更で、また会社の代表登記印をご注文頂きました。

その会社名が仏教用語から来ていて、意味が分からないと伝えました。
会社名 即 是空の意味で
会社の外に…
もうなんだかわかりません(苦笑)

色即是空ってどんな意味でしたか?
般若心経の一部で…
もう、ネットで軽く調べてもわかりません。

会社名の意味は置いておいて、とにかく、デザインを2つ考えて、空間を意識したものと、真ん中に会社名を入れたものです。
選んで頂くと、どちらもいいけど、空間を意識したものは、彫ってもらったことないからと選ばれました。
新しく思い付いた方を選ぶのは流石です。

「どちらも良いけど」という一言が職人をやる気にさせます。
職人の扱いもなれている感じです(笑)

だからこそ、会社名の意味を自分なりに理解した上で彫りたいと思い、お店にある本の中に色即是空の意味について書かれているものを見つけました。

色は五感で感じるもの
空は空間ではなく、空(うつろ)いゆくもの

例えば人間、たくさんの細胞が集まってできていて、その細胞は常に入れ替わっていく、変化し続けている。
形など五感で感じものにこだわるのではなく、
全てのものが変化し続けるものと考えれば、苦しみは無くなるという意味かな。
だいたいこんな内容で、最後にこういう解釈かなと曖昧に書かれていたことで、頭に入ってきて、なんとなく分かった気分です。

空間を意識したデザインでしたが、その空間に色々なものが入ってきて、出ていく、変わり続けるための空間と考えれば、このデザインはとても良く思えてきました。

出来上がった印鑑を見ると、なぜか仏教っぽく見えます。理由は分かっていません。
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自分は五感で感じられるものにこだわり、
色、煩悩に紛れて生きていきたいです(笑)
posted by 一日3本 at 06:47| hankoのデザイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年05月22日

手書き版下シャチハタと手彫りはんこの出来の違い

手彫りのはんこと手書き版下のシャチハタを同時に注文して頂いたお客様がいます。
出来上がり、見比べてみると、
あらためて出来の違いに気付きました。

それはサイズの違いだけではなく、
作り方の違いから来るものでした。
普段、手作りのはんこは
最初から最後までレタリング作業です。
印稿を書く作業は最初は線で、
段々と太くします。
仕上げ彫りは段々と細くします。
何度も書いたり、削ったりしながら、
文字と枠を整えていきます。

一方、手書き版下のシャチハタは
版下作りしか自分ではしませんので、
普通のはんこの印稿より丁寧に版下作りをします。

これで良しという自分には完成ポイントがあります。
その版下をシャチハタさんに渡して、原寸でとお願いすると1週間くらいで出来上がって来ます。
他にはないシャチハタになります。

でも、普通、版下よりはんこにした方が良くなって当たり前のはずが、
シャチハタの場合は版下より少し太く出来上がり、それが印面全体ではなく、偏りがあり、
枠の太さが不均一に出来上がってきます。
もし可能なら、全体的にひと削りしたいところです(笑)
でも、シャチハタのインクが抜けていくと、
はんこ屋が思い描いた印影に
近付いていく感じです。
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緊急事態宣言ばかりなので、ずっと5,500円で手書き版下のシャチハタネーム9を作っている感じです。
他にはない、シャチハタになりますので、宜しければ、どうぞ。
posted by 一日3本 at 13:16| hankoのデザイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年04月21日

荒見神社の御朱印のはんこ

新店舗を開店ので前に、京都の荒見神社にお参りに行きました。
姓が「荒見」なので、縁を感じて行ったわけですが、そこの御朱印に押してあるはんこがあまりにも酷く、プレゼントしたら、使ってもらえますかと聞きました。
お金を払いますと言われましたが、思っているよりかなり高いと思われることもあり、いらないです。
そして、手の空いたところで荒見神社さんのはんこを考えました。
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下のようなイメージで、神社の前にあったケヤキを入れたいと思いました。
短い納期で、彫らなければならないことも多く、まとまった作業時間取れないのと、現在の荒見神社さんのはんこを見てしまうと、一生懸命作成しても伝わるのかと、テンションが上がりませんでした。

ところが御朱印集めが趣味という人が来店され、
「延喜式内社」の意味をお聞きすると、千年以上続いているということですよ。延喜式(えんぎしき)だけの御朱印を集めている方もいますよ。
延喜式の重要性を教えて頂きました。
さらにその方に、
「御朱印の中のはんこは、神様そのものです」と教えて頂きました。
急に、神様を作るならと御朱印用のはんこを作る気になりました。
「延喜式内社」は真ん中にレイアウトしてと決めると、不思議に全体像が見えてきました。
デザインを思いついてから結局3日間かけて、ゴム印用版下を完成させました。

御朱印帳を持って来られた場合、どのような紙が使われているかわからないので、ゴム印が主流となっているようです。

さらにその方に、今、神社では、御朱印が1番の収入?になっている所が多いことを教えて頂きました。

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アイデア考え、版下を作成する時間を考えると
10万円プラス一度は見たいので出張費をいただかないと作れません。
神様を作るのですから。

荒見ハンコにご注文、
いかがですか?
他にはないものが作れます。
posted by 一日3本 at 19:55| hankoのデザイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年03月28日

はんこ職人の仕事はデザイン

当店で4本目のご注文の方がこのようなことを言って下さいました。
「ロゴマークやシンボルマークは、普通、企業しか持てないのを、ここではんこを作ると、私個人のためのマークを手にすることができるの。だから、ここでハンコを頼むのよ」
このように言って頂けると、はんこを使う人のことを思い作っているかいがあります。

中学生の時に、家の仕事、はんこ屋を継ごうと思いました。
それは、はんこ作りに興味があった訳ではなく、渋谷のスクランブル交差点の下で商売ができるからでした。

大学を卒業する時には、直ぐに継ぐのではなく、大きな会社と小さな会社を見てから継ごうと思いました。

そして30歳数ヶ月前に、はんこ屋に入りましたが、はんこ屋を継ぐというのは、はんこ職人になることと気付かないまま(笑)お店屋さんをやるつもりで、はんこ屋になってしまいました。

それから10年、色々な名前で、色々な書体で彫っているうちに、絵も書も上手な父より、良いハンコが作れるようになりました。

父がお店に来れなくなる2年くらい前に(今から18年くらい前)「後5年くらいではんこ屋はダメだな」と言いました。
家業のはんこ屋を継いでいる息子に、よく言うわと呆れました。
その後、父がお店に来れなくなってから、自由におしゃべりできるようになり、父の予想とは逆にお客様は増え、世の中的に、はんこ職人が少なくなり、生き残ったもの勝ちの状態になりました。

その間、緩やかに、でも確実に、はんこを押す機会は減っていきます。

その一方で、外国人旅行者で手彫りのはんこを求める人達が増えていきました。

2020年がやって来ました。
外国人さんからの手彫りのはんこの注文が爆発的に増える一歩手前で、外国人旅行者がいなくなり、スペイン在住のスペイン人とメールで手彫り印鑑のデザインを考えているところでロックダウン。
テレワークの敵がハンコとなり、強引なハンコレスが始まりました。

そんな中、家業を継いだ理由だったしぶちかから離れることになりました。

2020年10月から渋谷区神宮前3丁目、原宿駅からも表参道駅からも15分くらいかかるところに、移りました。

しぶちかにいても既成品のハンコが売れなくなる予想が立つ中での移転なので、既成印鑑の売上減少は覚悟の上です。

新店舗では、新規のお客様より、しぶちか時代に縁のあったお客様達が追いかけてきてくれます。
また、紹介もして下さいます。
ホント、ありがたいです。
原宿は30年ぶりという方もいました。

でも、ふと気付きました。
新店舗では、どうも、しぶちか時代よりかなりレベルの高いはんこを求められています。

自分のライバルが自分が昔作ったはんこです。
はんこのデザインラフを書いているのではなく、シンボルマークのデザインラフを書いているのではないかと、勘違いします(笑)
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しぶちかでは2坪のお店だったので対して、新店舗は8坪ありますので、作業環境が格段に良くなりました。
しぶちか時代、店舗でデザイン的な仕事は無理で、家で早朝しているだけでした。

新店舗では、お客様のいない時間なら、デザイン的な仕事から、仕上げ彫りまで、いつでもできます。
なので、デザイン的に高度なことも対応できてしまいます。

そう思いますと、今、はんこ職人の一番重要な仕事は、お客様のためのはんこのデザインを考えることではないかと思えます。

どんな仕事でも、デザインこそ重要で、そこにお金を払うべきなのに、日本では、いまだにデザインに対して、あまりお金を払う習慣がありません。
デザインして、はんこを彫ってこの値段では、安過ぎるなどと思ってしまいますが、今はとにかく、はんこを注文して頂けるのが嬉しいことなので、一生懸命作るだけです。

新店舗に来て頂けるお客様は、他店と明らかに違うはんこを手にできることを知っています。

手彫りで有れば良い時代は終わり、
はんこ職人は自分独特のデザインを売る時代になっているようです。
posted by 一日3本 at 15:11| hankoのデザイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月13日

ミレニアムファルコン号を意識して

スターウォーズが好きです。
中学生の時、初めて映画館でスターウォーズWを見て、虜になり、付けもしない金色のSTAR WARSのロゴペンダントまで、映画館で買いました(笑)

自分の年賀状用に賀詞を考えている時に直線的に放射状にするのはどうだろうと思いつき、ざっと書いているうちに、これってミレニアムファルコン号みたいと気付きました。
あらためて、ミレニアムファルコン号の画像を見て、よりミレニアムファルコン号っぽく仕上げました。
3年前のデザインですが、今年LINEスタンプとして帰還しました(笑)
hankoya で検索お願いします。
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posted by 一日3本 at 10:08| hankoのデザイン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする