2009年04月10日

完全手彫りなら良いのか

「中国で作っていたんですが、これ恥ずかしくて」
chaina.JPG

「中国には、篆書を枠いっぱいに広げる印相体がないので
 篆書で横を付けるために、ちょっとの伸ばした、
 へんてこなハンコになっているんですね。
 下側の枠が太く、枠の太さも統一されていませんね。
 でも、これ完全手彫りですよ。

 この間中国人さんが上海で作った印鑑、
 パソコンのフォントのようなレイ書が真ん中に小さく入っている
 思いっきり機械彫りでのハンコで恥ずかしいと言っていました。
 中国でもサイン社会になっているようで機械彫りが増えている中、
 これは完全手彫り良かったと言って良いのでしょうか?」

プレゼント用に購入して来たもの、これではと結局、当店でご注文。
プレゼントする前にオカシイ事に気付いて頂いて良かったです。

「実は、こちらの方がもっと恥ずかしいの」
chaina2.JPG
「お〜、これは見たことのないデザインの会社印ですね。
 完全手彫りですね。でも彫り残しが多いな〜。
 どのくらいの時間で彫ったのでしょう」

「頼んだ当日には出来たわよ」
「いや〜早いですね。
 でも感心するポイントではないですね(苦笑)」
『会』の上の部分が、実は欠けてもいます。
もっと時間を掛けて、仕上げ刀も使い、さらいもしっかりすれば
面白いデザインなのですが、観光客相手のひどい仕事です。
何より彫りが浅すぎます。

中国でお土産で作っているハンコに良いものはありませんと
断言してしまいましょう。

今回は、ご好意で、中国で作ったはんこの印影の公開を
了承して頂きました。
これでも、完全手彫りだから良いと思いますか?

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2008年01月19日

なぜ機械彫りと見抜けないのか

機械彫りを完全手彫り、手彫り、手仕上げと偽装しているところが
たくさんあるにもかかわらず、なぜ多くの人が出来上がった印鑑を
機械彫りと見抜けないのでしょうか。
ちょっと考えてみました。

1.本物の手彫りの印影を見たことがない
  統計的数値は知りませんが、世の中に出回っているのは
  完全機械彫りの印鑑の方が圧倒的多いでしょう。
  当店のお越しのお客様に、三代目が彫ったものと
  チェーン店のはんこを見比べて頂くと
  「こんなに違うのね。
   でもこちら(チェーン店のもの)だけ見たら
   わからないわ」
  「そうですよ。
   きちっと手で彫ったものを知らなければ
   こんなもんかで終わってしまうんですよ」

  良いものを知らなければ、気付かない。
  しかし良いものは少ない。
  これが一番大きな原因でしょう。

2.自分の選択を信じたい
  はんこを作るにあたって、自分で選んだお店、サイトを
  信じたいというのが人間の心理でしょう。
  やっぱりこのお店に頼んでよかったと誰もが思いたいはずです。
  なので、出来上がりの印鑑を見る目がゆるくなるのです。

  ホームページのもっともらしい記述や写真、ビデオ、
  実店舗での印刷された書体見本は
  嘘がつけることを認識しましょう。

  パソコンのフォントみたいと機械彫りに気付き
  他店に、本当に手彫りなら、彫った人の名前を明らかにして
  下さいとかけあった法学部の学生さんがいました。
  結局、名前は言わないままでした。
  でも、機械に皐月とか
  名前を付けている人もいるようですが(苦笑)

3.機械の字が好き
  パソコンのない、携帯のない世界は、もう考えられません。
  目にする文字は、画面や印刷された書体、機械の字です。
  一日手書きの文字を見ない日もあるでしょう。
  その結果、機械の整った文字が好きになっているのでしょう。
  はんこでも機械的に整った字に違和感を感じないのでしょう。

ということで、印鑑の見る目がある人が一人でも増えるよう
今日も3本だけ彫ります。スクナ(笑)
しぶちか寒くて午前中と夜遅くは彫れません。
 
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2007年10月19日

戦う?はんこ屋さん

「天皇 はんこ」「印鑑 偽造に強い」などと検索すると出てくる
二つのサイト、同じ人物が運営していて、
機械彫りを完全手彫りとビデオまで作り偽装していることに気付き
腹を立てていた頃のお話。(もちろん今も腹を立てていますが)

そんな時にそことは別のお店で
機械彫りはんこを手彫りと騙されて購入された方が来店されました。
当店へは、ここなら大丈夫と思うと人にススメられて来たそうです。

色々お話を聞き、前述の偽装しているホームページの
写真を見るだけで、その人がまったく彫れないのがわかるのですよ
などと話をし、嘘をついて商売しているはんこ屋が
他にもあることを伝えました。

当店であらたに銀行印をご注文頂きました。
騙された印鑑を作ったお店は家の近くとだけで、
どこで頼んだかまでは、おっしゃりませんでした。

しかし、受け取りの時には、その騙されてしまった印鑑と
そこで渡された説明の紙、保証書を持ってご来店。

「印鑑に関する知識がなかったのはわかっていますが、
 (私の)どこが悪かったのでしょう」
手彫りと騙されてしまった自分の落ち度について聞かれました。

まず実際に、はんこを押してみると
典型的な機械彫りの特徴が出ています。
枠の太さが均一ではなく、上側が太くなってしまっています。
これは、印材が正円ではないのに対して、
機械は正確に真ん丸に掘って彫ってしまうから起こることです。
(印材屋さんに後から聞いたのですが、大型の機械では、
 何本何十本と同時に彫るために中心点がズレて
 枠が一方は太く、一方は細くなってしまう事があるそうです。
 既製の認印の枠がヒドイのはそのせいらしいです)

枠を均一に整えることが、手彫り、手仕上げの基礎ですから、
もうまったく手で彫っていないことがわかります。
しかも、整えるのが簡単なあまり文字と枠に接していない方が
太くなっています。
まだ、たくさん枠にくっついているほうが、整えきれず
太くなってしまっているならわかるのですが。
この事を伝えると
「他にはないですか」

荒彫りの彫刻機では彫刻針が回転して彫るため、
文字の中にある小さいあきの部分が丸くなってしまい
角まで彫れません。
そこを角まで彫るのが、やはり手彫り、手仕上げの基本なのですが、
小さいアキが丸いままです。

さらに手彫りは彫刻刀のようなもので彫るので、
印面に刀の後が残るのですが、ざっと見る限りないですね。

保証書をみるとその枠に太い細いがある
恥ずかしい印影がそのまま押してあります。

更にそこに印鑑の取り扱い方の説明があり、
説明内容はまったく正しいのですが、
なぜかその中の印鑑のイラスト、印影のイラストの枠が
欠けています。なぜこんな所でボロを出しているのでしょ。
こんな所に手抜きの姿勢が出ています(苦笑)

「そのお店には宮様が新潟にある工場の見学している写真もあって」

そして手彫りの印鑑の特徴を説明している紙をみると
説明内容は、これまたまったく正しいです。
ただ出来上がってきた印鑑が機械彫りだったのです。

「これだけされたら、はんこ屋でなければ僕でも騙されますよ」
「私はどうしたら良いのでしょう」
「うちのお店の名前も、僕の名前も出して良いので、
 こういう点を見て機械彫りと言われたと
 クレームをつけたらどうですか」
「そこまでは。もう二度とそこのお店には行きたくありません。
 それに売っている人は機械彫りと気付いていないのかも」
「そうですね。実際に手彫りの印鑑を見たことがなければ、
 わからないかも知れませんね。
 まあとにかく、僕が彫った印鑑を押してみて下さい」

「優しさがあって(前の印鑑と)全然違いますね。
 象牙を持った時の質感、押し心地の良さがわかりました。
 象牙という貴重なものを機械彫りして、
 粗末にするなんて思いもよりませんでした」
(商売上手な機械オペレーターさん、あなたにも、
 この言葉を聞かせてあげたかったです)

「しょうがないのでせめても、この説明文とともに、
 そのお店にご注意をとブログに書いておきますね。
 この機械彫りの印影を公開して良いですか」
「ネットではちょっと、
 でもお店に来た人には見せて頂いて構いません。
 次は実印を頼みに来ます」

その会社は、新潟に本社があり、
ジャスコを主に全国にお店を展開しているようです。
今度の敵は巨大です(苦笑)
(埼玉にある似た名前のお店は、まったく関係ありません)

その説明文は
Image358.jpg
『ご注意
最近FC加盟の印章店が増加しています。
FC店では、彫刻技術が皆無の為仕上げ彫りの出来ない業者が営業しています。
(FCは機械彫りで低価格で、専門店とは、すみわけでそれはそれでありと思います)
我々全日本印章業協会加盟店は、彫刻技術修得を開業の基礎と考えております。
(印章組合に入っているところが嘘ついているから問題なんです)
当店におきましても永年修業した5名の印刻技術者がすべての印鑑に心をこめて手彫り仕上げをしております。
(たくさんの店舗があって職人は5人だけですか)
安心してお使いください。
(うそつき)
Q.なぜ手彫り仕上げをしないとだめなの?
A.手彫り仕上げしないと彫刻面が欠けやすく、寿命が極度に
  短くなってしまうからです。
(「細いところがある場合は」が抜けてますよ。
  これだけ説明して、作っているのは機械彫りですか)

はんこの断面図
いわゆるドテがつきます(図の角度は強調されています)』

偽装はいつか発覚するものですよ。

みなさんにお伝えしたかったのは、
このお店には頼まない方が良いとかではなく、
製作手段工程ではなく、印影こそが重要ということです。

実店舗でご注文される時は、説明より
そこで実際に作った印鑑を見せてもらうことです。
個人情報保護のため見せれないとかいわれても、
写真やコピーをとるわけではなく、
ちらっと見るだけでも断るのでしょうか。
印刷された書体見本は、いかようにも加工できますので
是非現物をみて、それで良いと思えばそこで注文すれば良いのです。

またネットからの注文は、書体見本をスミからスミまで見て下さい。
ギャラリーとか見てもだめです。
書体見本以上の印鑑が出来てくることはありません。
パソコンのフォントみたいと思えたら、
それはきっとパソコンのフォントです。

金額が極端に安い場合、
渋谷のマクドナルドのアルバイトの時給を思い浮かべて下さい。
詳しくしりませんが千円以上ですよ。
その印鑑に対して何時間職人がかかわるかを想像して下さい。
職人の1時間には、ただの1時間ではなく
後ろにその修得に要した時間も含まれています。

あと、うちは駆け込み寺ではなく、
ケンカ嫌いのただのはんこ屋ですから、誤解のないように(笑)

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2007年10月02日

境界線

機械オペレーターの
あなたより(商売)のプロフェショナルさんへのブログです。
他のサイトへの批判のブログですので、
読みたくない方は飛ばして下さい。

例え商売であっても、許される範囲と許されない範囲があります。
様々な業種での偽装が明るみでて、大きな事件となっています。
印章業界にも存在し、霊感商法はもとより、
機械彫りを完全手彫りとする偽装が多く見られます。

そもそも、完全手彫りこそ印鑑の最高だとしてしまった
印章組合の姿勢こそが問題なのかも知れません。

あなたをほっとけないのは、
一般消費者をだますために、
非常に努力していることです。
許される範囲を越えています。

お父さんが彫っているとしているサイトだけでなく、
あなたとご友人が彫っているとしているサイトにも
制作工程の映像がありますね。
(「印鑑 偽造に強い」で検索)

二人の写真が出てきますが、もうこの写真で
二人が普段手で彫っていないのがわかります。
(なぜかは、自分で考えてくださいね)
字入れ、荒彫り、仕上げに分かれ映像が出てきます。
最初は、彫れるようになったんですね、
色々書いて悪かったかなと思いきや、
映像を見ると、もうはんこの彫れる人からは違和感だらけ。
なんで、あれで映像上は彫りあがっていくのか、
気持ち悪くなりました。

何より左側の人は荒彫りで、指当て
(にぎり台の場合、保護のため左の親指にするもの)を
していません。
しなかったら痛くなるのに、万が一しないやり方なら、
すごくタコが出来ているはずなのにぷよっとした指です。
にぎり台の場合、親指が印刀のテコの支点となるわけですから
当然力がかかります。
指当てをしない理由が見当たりません。
もしかすると、鋼鉄の指を持つ男なのかも知れません(笑)

にぎり台を使っている
はんこ屋の先輩にお願いして見てもらったところ
字入れで中心線を書かないから、
文字と文字が離れて酷い印影になっている、
荒彫りで指当てしてても、タコになるのに、なぜしないのか、
何より完全手彫りしているなら荒彫りのスピードが遅すぎる、
仕上げ刀も逆に磨いであるのをずっと使うのを聞いたことがない、
などなどツッコミ所満載の映像なのです。

しかし一般の人がみると
完全手彫りしていると、だまされてしまうでしょう。

こんな、はんこ職人が見れば、だれもがおかしいと判る映像を
なぜ公開したか、いずれは、何かの証拠として
テレビにでも流れないことをお祈りします。

もう、感覚がないかも知れませんが
あなたのしていることは、悪いことです。

気付いているの人は、あなたが思っているよりたくさんいます。

反論があるならば、名乗ってどうぞ。

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2006年12月31日

手仕上げコンテスト

今年初めて、印章組合主催の手仕上げ印鑑のコンテストがありました。
今までのコンテストは完全手彫りだけでしたが、
やっと印章組合も時代の変化に気付いたのでしょうか。
しかも応募要項を見ると篆書禁止。
いいじゃないですか。
大多数のお客様が望んでいるのは印相体。
そうだ行印相体で、
コンテストに出品してみようかなとちょっと思いました。

しかし、入選して余計な仕事が増えても嫌だし、
入選しなかったらショックだし、
なにより彫る名前が決まってますから
コンテスト用で実際には使わないはんこを出品するわけです。
はんこ屋の欠点は、使わないはんこに気持ちが入らないことです(笑)
そんなこんなで出品するのはやめました。

数カ月が立ち、コンテストの事などすっかり忘れていました。
業界誌にグランプリ、準グランプリの印影が載っていました。
えっ古印体と行草体、上手に彫れてますけど古めかしいです。
わざわざ篆書を禁止にしたのにそんなんでいいの。
新しいものを求めたコンテストと思っていたのに、
これじゃ篆書を禁止にしたのは
完全手彫りと同等かそれ以上のものが応募されてしまうのを
畏れてじゃないのとウガッタ見方をしてしまいます。
実際コンテスト審査した人達でさえ、
印影だけを見て完全手彫りと手仕上げの違いがわかるとは思えません。

ちょっと前に、はんこ屋の先輩と話した時に
「うち(先輩の所)今、手彫り状態だよ」
「どうしたんですか」
「彫刻機が壊れて修理中で、その間、
昔の光電式を使ってるから印稿手書きしているよ」
「じゃあ今頼むとお得ですね。
うちはいつも手書きだから本数彫れなくて。
注文内容は高度になっていくし。
光電式は倍寸に書けばいいんですよね。
今直径10センチくらいで書いているから、
小さい方が早くかけるかな。
中古の光電式捜してみようかな」

はんこ屋の仲間うちでは、印稿を手書きして彫れば手彫り、
機械(パソコン)のフォントを使っていれば手仕上げ
というのが常識的なのに。
東京で完全手彫りなんてどんな暇なお店と先輩とはよく言い合います。

そうでした。手仕上げという言葉自体が嫌いなのに、
コンテストに応募する訳にはいきませんでした。

違う業種の職人である尊敬する義父は、
若い頃は毎年コンテストに応募し、
毎年上位入選、知事賞などをもらっていたそうです。
しかしある年を境に
まったくコンテストに応募するのを止めてしまったそうです。
仕事が忙しくそれどころじゃなくなったからです。

その義父が、うちは高いよと言って仕事を断っている話を聞いて、
若きはんこ屋はそんな高いと言って断るなんて考えられないと
言ったそうです。言った本人はすっかり忘れていました(笑)

ところが今では、はんこ屋で来店した人が一言「高い」と言った途端に
「手で彫るんですよ。高いと思うならどうぞ他のお店へ」とすぐ言います。
やっとその域まで達したということか、寝不足だからかどっちかです(笑)

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2006年11月23日

完全手彫り仮面ハガシ

機械彫りを完全手彫りと偽って高額な金額を請求するサイトが
まだまだ存在します。
ホームページで紹介されている職人は、本当に完全手彫り出来ても、
ネット販売は身内が機械彫りということもあるようです。

本当のことに紛れて、嘘は書体見本と、
(枠に何箇所しか付けない)篆書体が偽造しにくいと
しているところぐらいです。
(機械彫りは文字と枠の接しているところをうまく彫れません)

書体見本を見れば、プロにはすぐに機械彫りかどうかわかります。
そういえば、書体見本が準備中という
完全手彫りとしているサイトがありました(苦笑)
しかし一般の方には、なかなか分からないようです。

そこで思い付きました。
完全手彫りをうたっているところには、
注文前にこのように問い合わせてみましょう。

『最近、機械彫りを完全手彫りと偽って販売しているところが
 あると知りました。
 貴店は信頼できると思っているのですが、
 完全手彫りと確信したいので、
 出来上がった印鑑の発送前に、
 注文した印鑑に直接字入れした状態(彫る前)の写真を
 メール添付で送ってもらうことは可能でしょうか。
 完全手彫りかどうか確認したいだけなので、
 字入れしたものの変更は願いでません。ただ確認だけです。
 自分が注文した印鑑の字入れした写真を
 記念にとっておきたい気持ちもであります。』

こんな感じです。
完全手彫りなら直接印材に字入れをする訳ですから、
当然ある工程で、
写真を1枚取って送るだけですから、断る理由はないはずです。

注意点としてはサンプルを使われないようにしましょう。
必ず自分が注文する印鑑の写真であることです。

職人が写真を取れないとか、工程が滞るとか、
なんだかんだともっともらしい理由を付けて、
字入れされた印材写真を見せないのは、
もう完全手彫りは嘘でしょう。
完全手彫り偽り封じです。

この問い合わせで、偽りの完全手彫りの仮面がはがせるはずです。
あそこは大丈夫と思ったサイトがバリバリバリ。

あくまでも印鑑は、作る工程に意味があるのではなく、
出来上がった印影こそが評価対象となるべきものです。
うちは、印稿手書きし、荒彫りは彫刻機、
仕上げは印刀での手彫りです。
印影こそが勝負。

(実はこのブログ未完成です。
 やはりこのブログには、実際に字入れした写真がなければなりません。
 ちょっと書けば良いのですが、今週はいっぱいいっぱいで、
 そんな時間があるなら注文されている印鑑彫りなよと
 言う声が聞こえて来ます(笑)
 来週にでも書いて写真取ろう)

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2006年11月03日

図解:完全手彫り、手仕上げ、機械彫り

完全手彫り、手仕上げ、機械彫りの印章組合が定めた図が手に入りました。

完全手彫り図解200.jpg
(上からABCDEFGHIです)

ネットのはんこ屋さんなどに、いいように使われてしまっている
完全手彫り、手仕上げという言葉。
手仕上げという言葉から受けるイメージと
印章組合の規定とのギャップが、
消費者を混乱させる一因となっています。
どうしてこんな基準を作ってしまったか、謎です。

父が中心で彫っていた頃は、Bの大野木式を使っていました。
三代目も最初は、この大野木式で練習しました。

この大野木式を今も使って彫っている地方のはんこ屋さんの
ホームページを以前見たことがあります。
この彫り方でも(完全)手彫りと言ってはいけないのでしょうか
とありました。

印材に直接字入れし、回転する針を手で操り荒彫りするわけで、
この工程が印刀ではないので完全手彫りと言えないというのです。
手で操るんですよ。

同じ職人さんが、A、Bどちらの方法で彫っても出来は同じと思います。

現在、うちの彫り方は公式ホームページで公開している通りGになります。
印稿を手書きしスキャナーで読み込ませ、彫刻機に太く荒く彫らせ、
その後、仕上刀で枠、字を整え、印鑑に息を吹き込むわけです。

完全手彫りを売りにしているらしいホームページで、
印稿を手書きする彫り方と完全手彫りの印鑑では、
品が違うとしていました。品ですか(苦笑)

重要なのは工程ではなく、
彫り上がった印影の美しさ、バランス、
そして偽造されにくさでは、ないのでしょうか。

完全手彫りを否定する気はありませんが、
接客をしない彫り屋さんならともかく、
お客さまに説明した上で、彫るはんこ屋には、
完全手彫りする時間などありません。

字入れの工程を手仕事ですれば、後は職人さんのセンス、腕次第。
落書きのような完全手彫りもあります。
手彫りの方が逆に腕の差が出やすいです。

完全手彫りが有り難いわけではなく、
腕のよい職人さんに出会うことこそが重要です。

はんこ屋が考える区分はABが完全手彫り、
CGの印稿を手書きするものを手彫り、
後の機械で字入れするものは全て機械彫り。
この区分の方が消費者にとってわかりやすい基準となると思います。

<はんこ屋さんの真偽を確かめるには>
手仕上げのところには、印稿を手書きしますかと尋ねるといいでしょう。
完全手彫りで事前に印稿確認ができるところには、
手書きの印稿を請求するといいと思います。
印稿が手書きかどうかは、よく見れば誰でもわかると思います。

大野木式彫刻機の写真
彫刻機.jpg

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2006年05月17日

完全手彫りvs手彫り2

<1.スピード対決>
印鑑を彫るスピードを比べた時、
個人の印鑑を1本彫るならば、
意外かも知れませんが、完全手彫りの方が早いです。
手彫りで印稿を書いて、読み込み、
更に修正して彫刻機で荒彫りにかける間に、
印材に直接字入れして彫った方が早いです。

ただし2本以上彫る場合手彫りは、
彫刻機で荒彫り中に次の作業が出来ますので、
早くなります。
これは、あくまでも、
うちにある一世代前の彫刻機のスピードで、
最新の彫刻機はかなり早いようです。

<2.印影対決>
できは
彫り方ではなく、職人の腕次第です。
手彫りの方には、パソコンで例えれば、
復元ポイントがあります。
もう少し線を伸ばせば良くなるなど思った時は、
躊躇なく、もう一度荒彫りからできます。
しかし完全手彫りの場合、
多少気に入らなくても彫り直すのでしょうか?

<3.偽造対決>
偽造の危険性は
彫り方ではなく、
書体によって偽造の危険性は決まりますので、
どちらでも変わりません。

偽造に強いのは枠が細く、
枠に接している数が多い印相体です。

<4.価格対決>
どちらの彫り方でも印鑑の代金は、
職人の技術料が大部分をしめます。
完全手彫りだから絶対高いというわけでもないようです。
自宅兼店舗で、おじいさんが彫っている場合など
安い値段で完全手彫りのものが手に入るかも知れません。

また逆に、値段が高いからと言って、
本当に完全手彫りしているとはかぎりません。
(実際にネットで広告している高級店で
 完全手彫りに見せて完全機械彫り店があります)
ネットで完全手彫りとうたっているところには、
注文しないほうが無難です。

完全手彫りと手彫りで出来上がる印鑑に
ほぼ違いがないことを書いてきました。
日本の印鑑社会を支えてきた
光電式の彫り方(印稿の手書き)こそ、
現在の手彫りです。
「完全手彫り」、印稿手書きして手で仕上げる「手彫り」、
他は全て「機械彫り」とした方が、
すっきりと消費者にわかりやすいと思うのですが。

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2006年05月16日

完全手彫りvs手彫り1

<手彫りとは>
印章組合では、完全手彫り、手仕上げ、機械彫りと3つに分けています。
手仕上げの範疇が広すぎて、一般の方にかえって誤解を招いています。

当店では、印稿を手で書き、
仕上げ刀を用いて手で仕上げる昔ながらの印鑑の作成方法を
「手彫り」と呼んでいます。

なぜ昔からというと、今の彫刻機の二世代前、
光電式と呼ばれ彫刻機がありました。
10倍の大きさに書いた印稿の黒白を読み取り、
印鑑を彫刻するものです。
もちろんできるのは、荒彫りまでで、
仕上げの必要があります。
高度成長期の東京で、この光電式の発明が無ければ、
会社登記印や個人の実印が注文してからできるまで、
2〜3ヵ月はかかったであろうと言われています。

ある意味日本支えた光電式を用いた彫刻法
(印稿を手で書き、荒彫りは彫刻機、仕上げは仕上げ刀を使って手で)
が「手彫り」です。

更に一世代前のオオノギ式と言われる彫刻機がありました。
字入れした印材(印材に直接文字を逆さまに書いた状態)をはさみ、
回転している彫刻針を両手で操り荒彫りするものです。
小さな小さなドリルと思って頂ければ、良いと思います。
10年位前まで、当店でも使用していました。
私も初めて彫ったのが、このオオノギ式を使ってで
柘小判に「王」と彫りました。
完全手彫りに限りなく近いのですが、
印章組合の規定では、完全手彫りにならないようです。

完全手彫りを格付けするのは、
日本の伝統芸を守るという意味では良いかも知れませんが、
彫刻機も所詮道具。
完全手彫りか手彫りかではなく、
それを使う職人の技量で印鑑できが異なります。

印材屋さんの話によると東京にもまだ3人、
完全手彫りの所があるそうです。
「上手いの?」と聞いてみたところ
「独特です」とアイマイな答え。
「東京で、今だに完全手彫りなんて暇なの?」
「こだわってやっているようです。」

「完全手彫りでも印稿を手で書いて手仕上げでも、
 できは変わらないと思うけど、どう思う?」
「変わりませんよ。印影ではなくて
 印面の平らな部分に印刀の後があるかどうかですよ」

完全手彫りで、いったいいくら取るんだろう。
初代のおじいちゃんの頃は、
会社設立のための印鑑の注文があると、
1ヵ月遊んで暮らせる位の金額だったそうです。
(先週は注文が集中して会社設立印が5社、
 5ヵ月遊んで暮らせたらいいんですけど(笑))

現在完全手彫りのお店がどの位の金額をとるのかわかりませんが、
印材屋さんの売上(仕入)ライキングの上位にはないようです。

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2006年05月09日

完全手彫り、手仕上げ、機械彫り

印章組合は、印鑑に関して公正取引委員会から指摘を受け、
その製作の仕方から完全手彫り、手仕上げ、機械彫りと
3つに分け、自主規制したようです。

本来の目的は、このことにより、消費者に対して、
印鑑の価値を見極めやすくするものです。
しかし、現実は言葉だけが踊り、
どう見ても機械彫りを
完全手彫り、手仕上げとして、販売しているところが多く、
嘆かわしい現状です。

印鑑の製作工程は大きく3つに分けられます。
1.字入れ(印稿作成)
 @完全手彫りの場合は、印材に直接、鏡文字で書く、
  あるいはガンピに書き印材に逆さに転写する。
 A手仕上げの場合は、印稿を手で書きスキャナーで読み込む。
  あるいは、パソコン上で既製のフォントを使用せずに
  オリジナルの印稿を作成する。
 B機械彫りは、既製フォントを配置するか、
  彫刻機メーカーが作った印影データを使う。

2.荒彫り
 @完全手彫り手彫りは、機械を一切使わず、印刀で彫っていく。
 A手仕上げは出来上がりイメージより全体的に太く機械に彫らせる。
 B機械彫りは、この荒彫り工程で、基本的には終了。
  たいていの機械は文字痩せして字が細くなってしまうようです。

3.仕上げ彫り
 @完全てぼりは、印刀を仕上げ刀に持ち替え仕上げていく。
 A手仕上げは彫刻機で彫りきれていない所を印刀で彫り、
  仕上げ刀で枠文字全体を整えていく。
 B印章組合の答申では
  枠だけ手で仕上げても機械彫り。
  枠文字を手で仕上げても、
  彫刻機メーカやパソコンのフォントを使用していればに機械彫り。

3.Bの部分が一般的に無視されていて、
最後にちょっと手を入れても本来は機械彫りなんです。

「手仕上げ」という名称が悪く、乱用、誤解を招いています。
なので、当店では、あくまでも「手彫り」としています。

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