「天皇 はんこ」「印鑑 偽造に強い」などと検索すると出てくる
二つのサイト、同じ人物が運営していて、
機械彫りを完全手彫りとビデオまで作り偽装していることに気付き
腹を立てていた頃のお話。(もちろん今も腹を立てていますが)
そんな時にそことは別のお店で
機械彫りはんこを手彫りと騙されて購入された方が来店されました。
当店へは、ここなら大丈夫と思うと人にススメられて来たそうです。
色々お話を聞き、前述の偽装しているホームページの
写真を見るだけで、その人がまったく彫れないのがわかるのですよ
などと話をし、嘘をついて商売しているはんこ屋が
他にもあることを伝えました。
当店であらたに銀行印をご注文頂きました。
騙された印鑑を作ったお店は家の近くとだけで、
どこで頼んだかまでは、おっしゃりませんでした。
しかし、受け取りの時には、その騙されてしまった印鑑と
そこで渡された説明の紙、保証書を持ってご来店。
「印鑑に関する知識がなかったのはわかっていますが、
(私の)どこが悪かったのでしょう」
手彫りと騙されてしまった自分の落ち度について聞かれました。
まず実際に、はんこを押してみると
典型的な機械彫りの特徴が出ています。
枠の太さが均一ではなく、上側が太くなってしまっています。
これは、印材が正円ではないのに対して、
機械は正確に真ん丸に掘って彫ってしまうから起こることです。
(印材屋さんに後から聞いたのですが、大型の機械では、
何本何十本と同時に彫るために中心点がズレて
枠が一方は太く、一方は細くなってしまう事があるそうです。
既製の認印の枠がヒドイのはそのせいらしいです)
枠を均一に整えることが、手彫り、手仕上げの基礎ですから、
もうまったく手で彫っていないことがわかります。
しかも、整えるのが簡単なあまり文字と枠に接していない方が
太くなっています。
まだ、たくさん枠にくっついているほうが、整えきれず
太くなってしまっているならわかるのですが。
この事を伝えると
「他にはないですか」
荒彫りの彫刻機では彫刻針が回転して彫るため、
文字の中にある小さいあきの部分が丸くなってしまい
角まで彫れません。
そこを角まで彫るのが、やはり手彫り、手仕上げの基本なのですが、
小さいアキが丸いままです。
さらに手彫りは彫刻刀のようなもので彫るので、
印面に刀の後が残るのですが、ざっと見る限りないですね。
保証書をみるとその枠に太い細いがある
恥ずかしい印影がそのまま押してあります。
更にそこに印鑑の取り扱い方の説明があり、
説明内容はまったく正しいのですが、
なぜかその中の印鑑のイラスト、印影のイラストの枠が
欠けています。なぜこんな所でボロを出しているのでしょ。
こんな所に手抜きの姿勢が出ています(苦笑)
「そのお店には宮様が新潟にある工場の見学している写真もあって」
そして手彫りの印鑑の特徴を説明している紙をみると
説明内容は、これまたまったく正しいです。
ただ出来上がってきた印鑑が機械彫りだったのです。
「これだけされたら、はんこ屋でなければ僕でも騙されますよ」
「私はどうしたら良いのでしょう」
「うちのお店の名前も、僕の名前も出して良いので、
こういう点を見て機械彫りと言われたと
クレームをつけたらどうですか」
「そこまでは。もう二度とそこのお店には行きたくありません。
それに売っている人は機械彫りと気付いていないのかも」
「そうですね。実際に手彫りの印鑑を見たことがなければ、
わからないかも知れませんね。
まあとにかく、僕が彫った印鑑を押してみて下さい」
「優しさがあって(前の印鑑と)全然違いますね。
象牙を持った時の質感、押し心地の良さがわかりました。
象牙という貴重なものを機械彫りして、
粗末にするなんて思いもよりませんでした」
(商売上手な機械オペレーターさん、あなたにも、
この言葉を聞かせてあげたかったです)
「しょうがないのでせめても、この説明文とともに、
そのお店にご注意をとブログに書いておきますね。
この機械彫りの印影を公開して良いですか」
「ネットではちょっと、
でもお店に来た人には見せて頂いて構いません。
次は実印を頼みに来ます」
その会社は、新潟に本社があり、
ジャスコを主に全国にお店を展開しているようです。
今度の敵は巨大です(苦笑)
(埼玉にある似た名前のお店は、まったく関係ありません)
その説明文は

『ご注意
最近FC加盟の印章店が増加しています。
FC店では、彫刻技術が皆無の為仕上げ彫りの出来ない業者が営業しています。
(FCは機械彫りで低価格で、専門店とは、すみわけでそれはそれでありと思います)我々全日本印章業協会加盟店は、彫刻技術修得を開業の基礎と考えております。
(印章組合に入っているところが嘘ついているから問題なんです)当店におきましても永年修業した5名の印刻技術者がすべての印鑑に心をこめて手彫り仕上げをしております。
(たくさんの店舗があって職人は5人だけですか)安心してお使いください。
(うそつき)Q.なぜ手彫り仕上げをしないとだめなの?
A.手彫り仕上げしないと彫刻面が欠けやすく、寿命が極度に
短くなってしまうからです。
(「細いところがある場合は」が抜けてますよ。
これだけ説明して、作っているのは機械彫りですか)はんこの断面図
いわゆるドテがつきます(図の角度は強調されています)』
偽装はいつか発覚するものですよ。
みなさんにお伝えしたかったのは、
このお店には頼まない方が良いとかではなく、
製作手段工程ではなく、印影こそが重要ということです。
実店舗でご注文される時は、説明より
そこで実際に作った印鑑を見せてもらうことです。
個人情報保護のため見せれないとかいわれても、
写真やコピーをとるわけではなく、
ちらっと見るだけでも断るのでしょうか。
印刷された書体見本は、いかようにも加工できますので
是非現物をみて、それで良いと思えばそこで注文すれば良いのです。
またネットからの注文は、書体見本をスミからスミまで見て下さい。
ギャラリーとか見てもだめです。
書体見本以上の印鑑が出来てくることはありません。
パソコンのフォントみたいと思えたら、
それはきっとパソコンのフォントです。
金額が極端に安い場合、
渋谷のマクドナルドのアルバイトの時給を思い浮かべて下さい。
詳しくしりませんが千円以上ですよ。
その印鑑に対して何時間職人がかかわるかを想像して下さい。
職人の1時間には、ただの1時間ではなく
後ろにその修得に要した時間も含まれています。
あと、うちは駆け込み寺ではなく、
ケンカ嫌いのただのはんこ屋ですから、誤解のないように(笑)
東京渋谷の印象はんこ店の地図、ハンコのインターネット通販は東堂印章公式サイトへ
いつも投票ありがとうございます⇒