購入した本人ではありません。
形見や頂いたものであることが多く
それが象牙なのかもはっきり、わからないケースもあります。
当然、象牙の印章の金額を知りませんし、
最初は印刻料込みであったわけですから、
象牙の印材自体の価値がどの程度かは
象牙を扱っている専門家ではないとわかりません。
それを見極めるには、近くのはんこ屋さんに持っていくのが
一番早いと思うのですが、
現在信頼できる印章店は、ごくわずかというのが原状です。
そこで、参考までに象牙の良し悪し、
彫りなおす価値があるかどうかの見分け方を書いてみましょう。
1.彫り直しできない象牙
印材の横の部分にひびが入ってしまったもの

目が粗く古いものや保管状態が悪かったもので
脂分が抜けてしまいヒビ割れてしまった可能性が高く
これは、彫っているうちに、
印材が裂けてしまうことも考えられますので
彫り直しできません。
一度ヒビ割れてしまったものを修復する方法も、知りません。
余談ですが
一時期はやったマンモスの印材は当然古いものですので
何年か後にヒビ割れても当然です。
ですので、当店ではお取り扱いしません。
2.できたら彫り直ししない方がよいもの
@海外で加工したもの
象牙の印材の長さを測ってみましょう。
日本で印材に加工したものは、通常
長さが36ミリ、45ミリ、60ミリです。
中国で加工したものは62〜3ミリことが多いようです。
日本で加工したものは、象牙の芯にそって取りますが
他の国で加工したものは、芯にそってではなく
目など関係なくとってある場合もあり、
その場合、外側から見分けることも難しく、
彫っているうちに、やはり裂けてしまうことがあるそうです。
はんこ屋の先輩は経験しています。
当店では、預かった象牙が一晩空気にさらしているだけで
ヒビが入ってしまったことがありました。
以前ワシントン条約以前に中国で買った象牙を
持ち込まれました。
それは、見た目は焼けてしまい古くなっていましたが
彫ると意外なほど良い象牙でした。
A印材に龍など細工が立体的に彫ってあるもの
印材の上の部分に細工が彫ってあるもののほとんどが、
海外で加工したものです。
これはちょっと思ったことで、確認は取れていませんが、
あまり目のつまった堅い象牙は
立体彫刻には向かないのではないかと思っています。
良い象牙は堅くてもスパッと切れる彫り易さがあるので、
なんとも言えません。
あまり良い象牙に細工してあるものを見たことがありません。
一度だけ、お客様の亡くなったお父さんがはんこ屋で
その父さんが持っていたものは
多分日本で細工したと思われるとても良い象牙でした。
B横目、芯持ち
象牙の印材の中で一番高いのが横目と芯持ちです。
しかし横目は年輪のような模様が出て美しいのですが
芯に対して垂直にとったものですから、印材として弱いです。
芯持ちは、象牙の芯は太く、状態に寄っては、
その芯の穴部分を印影的避けて彫らなくてはならず、
デザイン的に難しくなります。
偶然避けれることもありますが、頼む際は、そのお店の実力を
十分吟味した方が良いです。
3.目を見る
印面とは反対の面を見てみましょう。
そこを見ると象牙の良し悪しがわかります。

左が当店で通常使っているもの、目がかなり詰まっています。
右が持ち込んで引き取りこないもの、目がはっきり見え、
しかもやや細かい部分と粗い部分があり、
象牙の芯から遠い端の部分とわかります。
脂分が抜けて、かさかさとしてしないことが第一条件で
次に象牙の印材の良し悪しは色合いより目の細かさが重要です。
4.信頼のブランド
以前に手で彫ってあるものは、
再び手で彫れる可能性が高いです。
(しかし手で彫ってあるか見極めるのは難しいです)
特に(上のしるしに)金丹が入った象牙は、
間違えなく良い象牙です。

(これは18金です)
特に24金のものは、もう最高級ですので、
是非彫り直ししましょう。
今までに2度ありますが、どちらもとても良かったです。
5.象牙でないもの
白っぽくて象牙でない練り物(加工品)の特徴は
印面と反対の面を見ると同心円になっていることが多く
彫りなおしてまで、使う価値があるかどうか。
エブリナという象牙の粉とセラミックを混ぜたものが
練り物中では、最高級で、
彫り心地は象牙を彫っているのと変わりません。
そのため、金額的に象牙の印刻料と同じになってしまいます。
彫ったことのない印材は、彫れるかどうか、こわさがあるので
ちゃんとしたお店こそ注文を受けません。
全てに例外がありますので
ご参考程度に。
東京の渋谷駅ハチ公広場下のはんこ店の地図(隣のSoftBankなくなりました)、ハンコのインターネット通販は東堂印章公式サイトへ

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