2015年06月18日

職人は自分の時間を売っています

渋谷区観光協会さんにデザインした「渋谷」と「原宿」のシャチハタ記念スタンプを寄贈しました。
お金をいただいていませんので仕事ではありません。

今日紹介する印鑑はもちろんお金を頂いています。
一日で彫り上がりませんでした。
仕事としてした時と寄贈の違いをご覧ください。

集100.jpg
なんか見たことあるモチーフがいろいろとお思いの方、しぶちかはんこ屋通ですね(笑)
干支などのモチーフは以前お彫りしたことのあるもの、梵字を印相体風に彫るのも以前したことがあります。
で、100万円とは言えませんでした(笑)
お客様の名前を真ん中に入れ周りをモチーフで囲むのは初めてです。
どうです。みなさんもこんな印鑑、欲しくなってきましたか?

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2014年08月15日

ブーメラン

はんこ屋の特徴は、その印刻する文字にあると気付いていますので、こんな一見さんからの問い合わせの無理は聞きません。
年配の男性から手書きの(枠についていない)マークを彫って欲しいと言われ、あっさり出来ませんと答えました。
名前プラスマークならお受けしますが
マークだけなら、うちに注文しなくていいでしょう。

次に川か海に流す紙に押すようにお地蔵さまを彫って欲しいと言われました。
一日10万円の商品が作れる職人にイレギュラーなことをお願いすると、初めてすることには、練習が必要ですから、1日で1本で、小さいサイズでも10万円になります。
手彫りだからねと注文されずに帰っていかれました。

一方、仲良くなったお客様の無理は聞きます。
変わり彫りさんは、他店で昔作った横書き(左から右)2行の実印を持っています。
なぜ、横書きなのか、謎です。
はんこは右から左に読むものだからです。

たくさんのはんこをご注文いただきましたし、飲み友達なので、
会社で使う認印をご注文頂いた時に、他の人には、絶対しない横書きでお彫りしましょうと言いました。
そして、飲み会の時に付いた呼び名をこっそり入れ込みました。
何もかも特別なのに、普通っぽいはんこです(笑)

変わり100.jpg
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2013年09月13日

声優のたまごちゃんのために

前からのお客様の声優のたまごちゃんから電話がありました。
覚えてますかと聞かれましたが、もちろん覚えています。

以前、たまごちゃん飲み会遅れて参加ということでしたが、
当時iPhoneの電波状態が悪く、たまごちゃんのメールがその飲み屋さんで受信できず
結果、すっぽかしてしまったことがあります。
そのことがずっと心に引っかかったままでした。

そんなすっぽかしてしまったはんこ屋に電話してきてくれ、
嬉しいかぎりです。
何かコラボと言われましたが?ぴんと来ません。
でも借りがあるので、なんでも言うこと聞きますよと答えました。
そして飲み会に御招待。
今度はなんとか参加して頂けました。

いくつか声のお仕事はしているものの
アニメの声優には辿りついていないので、声優たまごちゃんの名称でまだ良いそうです。

Peace Loveというユニットの一員で、それの縁起の良いはんこを作って欲しいということです。
サイン色紙などに押す場合を考え、手書き版下のゴム印で作ることにしました。
お仕事運アップで一番上を矢印にし上に昇っていく思いを込めました。
2.5次元を表すために、ハートを3つ入れてみました。

そして、今日受け取りに来ました。
「あれ、一人マネージャーさんは?」
「急な打ち合わせで来れなくなりました」
はんこ屋さんに無理なお願いしたら、手土産持ってくるものですよと
マネージャーさんに甘いもの要求するつもりだったのに(笑)
しょうがない。今日は13日金曜日で仏滅。
思い通り行かないこともあります。
「今日は13日金曜日で仏滅。こんな日に受け取っていいの?
 和も洋もダメだけど(笑)」

月島未央ちゃん、いつか夢が叶いますよう、応援してます。
iphone/image-20130913203726.png
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2013年07月26日

鳥篆書風

最近ご注文頂けるのは、リピーターさん口コミさん、本物志向のお金持ち、業界の人、鴨居先生のファンで、普通の人よどこに行ったという感じです。
口コミさんの中には、
銀行員の方がうちで作った銀行印を登録に来た人にどこで作ったか聞いたという以前からのパターンに加え、
不動産屋さんもお客様のはんこを見て聞いて来たというのが加わりました。
会社で事務と言っても、よくよく聞くと、
出版社だったり、CM関係の会社だったり、なんだかなと思います。

そんな中、鴨居先生のファンの方からはコンスタントにご注文頂けます。
でも、珍しい職業の方ももちろんいます。

最初は何も言わず接客の途中で、鴨居先生のマンガで知ったことを告白。
更には「鳥篆書風にできますか?」とわがまままで言い出しました。
まったく鴨居先生のファンは、とちょっと思います(笑)
「鳥篆書って知りませんけど、烏文字みたいなのかな?
 それをするとプラス料金かかりますよ」
画像を見せてもらい、これはイイけど、これはダメと、イイ方を参考に
鳥篆書風?印相体でざっと書いてみます。
3回書くとまとまってきました。
「慣れてきてしまいました。上手でしょ(笑)」

更に上手になって完成。
鳥と龍的になってしまいました。
birds.JPG

「これ、私の好きなパン屋さんのものです」

image-20130726101159.png

ワインに合うと思われるものを頂きました。
ごちそうさまです。

鴨居先生、ファンの皆さんが続編を楽しみにお待ちですよ。
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2013年07月08日

象牙の目無しでできること

「象牙の目無しですと何か違いますか?」
「細かい部分も彫りやすく、且つ強いので、例えば龍のウロコ部分にアルファベットで名前を入れることが、出来たりします」
「そうなんですね。彫りやすいのなら目無しでお願いします」
そして、1カ月後目無しを選んで頂き、デザインの打ち合わせ。
細かい部分が彫りやすいのも事実。
でも結局のところ、金額が高ければ、製作に掛けていい時間が長くなり、気合いが入るというのが1番大きいのかもしれません。

「目無しは、象牙の加工前にはその牙から取れるか分からず、加工してみてはじめて分かるそうです。ちょっとお時間を頂ければ、何本か用意して選んで頂けます」
「いいんですか。選ばせてもらえるなら是非」

漢字の一部を龍にするお客様のアイデアを取り入れラフが出来ました。
ウロコの中には、ファーストネームを入れることになりました。

しばらくして、
「この前注文の時に何も持ってこれなかったので、これを。小田原がういろう発祥と知っていましたか」

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「ういろう好きなのに、知りませんでした」
食べてみるとと名古屋のういろうより、和菓子に近い味でした。
もともとは、ういろうが和菓子だったことが分かりました。

ウロコの中のアルファベット難しい。
彫っていて細くしても、強さを感じる象牙の目無しだからこそを、実感します。

そして、受け渡しの時、
「あれ、名前が珍しいので、これだと」
「しまった。やってしまいました。名前書き間違えと思ってしまいました」
忙しいからといって、確認を怠るから、こんなことになるのだと反省です。
印面をルーペで見て、なんとかなりそうです。
「多分、なんとかなると思うのですが、今の週末の疲れた状況では、失敗すると思いますので、休み明け、月曜日の午前中にトライして、電話します」
「これ、どうぞ」
「重ね重ねすいません」
アンティークのパンを頂きました。

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チョコの甘さに元気を頂き、トライ。
あんなに難しく思えたことも、月曜日の午前中ならできるものです。ふぅ。
電話して、今度こその完成を伝えました。

ryu100.jpg
そして、大安の日に受け渡し、ルーペで確認して頂きます。
「この龍が気に入っていましたので、生きて良かったです。」
「ホント、すいませんでした」
「これ」
「なんどもすいません」
今度は、マドレーヌを頂きました。
そうだよ。

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マドレーヌはレモン味だよねと思い出せる味でした。

後、できるのは、話をすることぐらいなので、
お礼を含めて、多目にお話しました。
「そんな不思議な話は、人生で2度目で」
と、喜んで頂きました。

忙しい時こそ、確認が重要。
はんこ屋さんに無理を言うには美味しいものが重要(笑)
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2013年03月18日

絵が上手になってしまったかも

もう何本もご注文頂き、お友達も紹介して下さったことのある女性、もう気の合う友達のような関係です。
「とうとう、銀行印を注文します」と言われ、「モチーフは?」とお聞きすると
「東京タワー」
「えっ、スカイツリーより確かに形がステキですけど…」
東京タワー、どう考えても、真ん中に下から上までに入れるしかありません。
お話しながら、資料を参考に東京タワーをざっと書いていきます。
文字2文字は左右に入れるしかありません。
1番下のところに接点がありません。
「ここに接するために、何か簡単なモチーフ入れますかね。そうだ。こうやって」
文字が自然な感じで伸ばせば、つきます。
更に空間部分には、雲を入れて。

image-20130318083333.png

あれ、ステキに書けてしまった。
絵が上手になってしまったかもしれません。
不本意ですが(笑)

受取りの時、「はい、宝物」とお渡ししました。
「どうしよう?ステキ過ぎるので、、銀行印にするのやめて、みんなに見せようかな」
「いやいや、今度こそ、銀行印にして下さい。これ以上はありませんから(笑)」
以前にも、出来上がったハンコを銀行印にしなかったことがありますので、説得が、重要です。
「これ、あの金額じゃあ、全然安いわ。
私は、これ以上払わないけど(笑)」
「一桁違っても、欲しい人は、欲しいですよね。
100万円のはんこを販売していこうと思うわけでしょ(笑)」
やっぱり、絵を書くよりハンコ彫る方が上手でした。
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2013年03月05日

文字を創造してみました

イラストで食べていきたいと考えている男性。
自分のイラストに押す四角いはんこのご注文で来店されました。

「彫りやすいように彫ってください」という初めてのパターンです。
「えっ、うちはもっと注文つけてイイお店ですよ。
 小篆をベースにして、落款風にギザギザをつけて、彫りますか」
「彫りやすいようで構いませんので」
謙虚な方で、好感を得て、はんこ屋側から難しくなる提案をしていきます。
「好きなものはなんですか?」
「犬です」
「ちょっと書いてみて」
「これの輪郭だけ、ここに使えますよ」

そんな感じにざっと書き、接客終了。

いざ、本気で印稿を書いてみると、「真」の文字の小篆、つまらないです。
字林を見ても面白い形がなく、文字の一部が「目」であるに気付いただけです。
そこで「真」の字の一部を「目」にする字を創造してみました。
こんなことできちゃうんだよな〜、こんなことまでしてしまうと、代金と合わないな(笑)
こんなのできちゃいました。
真100.jpg

このはんこに見合う作品を作ってねと願いを込めて。
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2012年09月08日

教会

クロワッサンの方、
「もう1本、お願いしたいのですが」
と、また本を取り出し、
「教会を」
「えっ」
この方には、モチーフ入りの印鑑を始めた頃、どの位彫れるか確かめこともあって、
F1を彫っていますので、できないと言えません(笑)
ざっと書くと
「ここのところ、十字架になりますか」
あっそうか、教会だった。
「(うちを紹介してくれた)佐藤さんに、また難しい教会彫ってと言われたと言いつけよう(笑)」

この暑い時に、やりたくないよ。
納期を一度延ばしてもらっているので、これ以上は延ばせません。
写真をトレースしながら、どれだけ省略しても、それらしく見えるかを探っていきます。
これって、はんこ屋さんの仕事?などと疑問を持ったら、
手がとまってしまうので、考えないようにします(笑)
まあ、なんとかそれらしくなりました。

24ミリ角以上で、教会をメインに彫ったら、素晴らしいものになる気がします。
そうだ。建物が彫れたことで、建物+神社・お寺の名前という新しい形の御朱印が彫れることに
気付いてしまいました。
サンプルとか作らないタイプなので、ご注文がないと作らないのですが。
御朱印の注文来ないかな。
印相体でモチーフを入れて、
縁起が良く、押したものを持っている人も嬉しくなるようなものが作れるのですが。

話がそれましたが、彫った後に、これなんという教会とあらためて、本を見ると
St.Paulとありました。
STP2100.jpg
「クロワッサンより、モチーフが複雑な分、文字がシンプルになっているんですね。
 サスガですね」
「誉められても、あまり嬉しくない(笑)
 もっと手土産とかあると(笑)」

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2012年07月11日

ナマズは下の方でモゾモゾしているものです。

男性の心を掴むのは、なかなか難しく、
今回紹介させて頂く方も、まずは奥様がウサギ柄の洋服で現れ、
何も言わなくても、何か見えるわけでもなく(笑)、
モチーフとしてウサギが入れたいのが、わかりました。
そのウサギさんが、ご主人を連れて来て下さり、ハンコの注文です。

優しいご主人で、奥さんがそんなに言うなら、作りますか、というような雰囲気です。
ですので、モチーフをはっきり決めないままのご来店でした。
てっきり、ウサギかと思っていたのですが、
そうではなく、「お好きなものでイイですよ」とお聞きすると
「ナマズできますか?」
「はあ」
それもコリドラスステルバイという、お飼いのナマズ希望です。
早速、iPhoneで検索。
黒くない、模様があります。
ナマズは黒じゃないの、こんな模様彫れないよ、話が違うよと心の中で思います(笑)
心の声がもしかすると、実際に聞こえていたかも知れません(笑)

絵は苦手なんですと、ざっと書き、空間があるので、
「他にナマズ関連アイテムはありますか」と聞くと、浮き草と水草をさっさと描いてくれました。
形がイイので、採用です。

レイアウトが決まったと思った時に、
ご主人が「ナマズはこの位置になりますか?」
「ちょうど、このあたり(真ん中より上の位置)に、空間ができるので。何か」
「それならばイイです。ナマズはしたの方でモゾモゾしているものなので」
「そうか。ナマズは下か」
と書き直し、目出度く、レイアウト決定。
この具体的な要望が出たことで、この男性の心を掴んだことがわかります。

彫る段になり、
このナマズは3つの模様から成り立っていることに気付いてしまい、
次回はナマズは彫れませんと言おうと思いながら、完成。

お渡しの時にナマズ仲間はとお聞きすると
熱帯魚屋さんとうさぎ屋さんのご主人と言われ、その二人に見せてはダメだから(笑)

ナマズ、好きではない方どうぞ、ご覧下さい(笑)
ステルバィ100.jpg

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2012年03月01日

落款印に桜

ご来店のきっかけを知ることは、しぶちかはんこ屋にとって重要なことです。
それによって、お客様がしぶちかはんこ屋に求めているものが分かるからです。
きちんとした印鑑、デザイン的な印鑑、縁起の良い印鑑、
全てを求めている方も、たくさん来られますが(笑)

その来店のきっかけを上げてみると

1.通勤などで、しぶちかを通っていて、ここにはんこ屋があるんだとなんとなく覚えていて、
 いざはんこを作る必要がある時に思い出し、ご来店頂いた方。

2.しぶちかに、ハンコ屋がなんとなくあるのを知っていて、ちょっとホームページを調べて、
 来て頂いた方。

3.『渋谷 はんこ』で簡単に調べて来て頂く方もいます。

4.一方、ホームページやブログを他店比較、色々と検討して頂いて、
 ここだと決めて来て頂く方もいます。これは遠方の方が多いです。
 最近では、京都、青森、福岡、福島からご来店頂きました。
 先日は、このブログを1週間で全て読破して、ご来店された方がいました。
 はんこ屋本人より本人の過去を知る女性です(笑)

5.リピーターさんも数多く、ご来店頂けますが、申し訳ありませんが、
 お名前とお顔では、思い出せない方が、ほとんどです。
 以前、お話したエピソードを聞いているうちにつながっていきます。

6.口コミさんも多いのですが、これまた難しく、
 オススメ頂いた方に、どのようなはんこを彫ったのか、わからないケースが多く、
 どのようなハンコをお望みかから、探らなければならないからです。

7.テレビ、マンガ、ラジオで、しぶちかはんこ屋を知った方もいまだにお越し頂けます。
 モチーフを入れるケースが多いです。

前置きが長くなりましたが、今回ご紹介するのは、長身の美人さんです。
落款印を作りたいということです。

落款印のご注文の場合、まず篆刻作家ではなく、はんこ屋が作る木の落款印なので、
この程度ですと、以前お彫りした落款印をお見せします。
納得して頂いた上で、どのような作品に使われるか、
何をお彫りするか、サイズは、朱文か白文か決め、ざっと書き始めます。

白文をざっと直ぐに書くのは、無理なので、朱文でイメージだけでなどと言います。

今回は伝統的な感じで、慎重に書いていきます。
「はんこ屋さんなので、ホントはスッキリ彫れるのですが、
 意識的に文字のラインをくっつけて、はんこ屋さん的には失敗ポイントを作ると、
 落款印らしくなります」などと説明していきます。

一つざっと書いた段階で、来店のきっかけを尋ねてみました。
するとブログでモチーフ入り印鑑を見てのご来店とわかりました。
「桜、入りますか?」
「入りますよ。早く言ってくれないと(笑)」

ざっと書き始めると、あれ書く速度が先程と全然違い早いです。
「こういうモチーフ入りの方が自分として、好きなのが分かりました。
 落款印は文字をどのように通常のバランスと変えて、味のあるものとするかです。
 ところがモチーフがあることで、文字のバランスが自然と変わるので、
 こちらの方が得意と分かりました」

さて彫るにあたり、迷った点は、桜をいつものようにスッキリきれいに彫るか、石に彫ったようにギザギザ彫るか、『心』のハート部分はどうするか。
結局桜はスッキリ気味で、ハートは文字なのでギザギザにして、
桜だけを目立たせることにしました。

落款桜100.jpg

小篆と本格的なモチーフを合わせてお彫りするのは、初めてでしたが、
なんの違和感なくできました。

この美人さん、Facebookにこのブログへのリンクを貼ってくれるそうです。
そこで「Facebookの人達、キレイな人多いですか?」と聞いてみました。
もちろん私の周りにはキレイな人が多いですよという答えを期待してですが。
ところが小首を傾げるだけ。
美人はこういう仕草で、ぐっときますねと思いつつ、
「キレイな人もいるし。。。なんですね」
Facebookは、限られた仲間ではなく、一般社会と同じことに気づきました。

皆さん気づきましたか?
前回のブログに続き、キレイな人のために頑張るお話です。
3部作で次回もキレイな人のお話です。
posted by 一日3本 at 10:04| Comment(0) | TrackBack(0) | 無理を聞く | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年02月28日

観音様を彫っていいと言われた

とてもきれいな女性がご来店、実印と銀行印のご注文です。
実印は早急に必要で、まず実印をお渡し、
納期をズラして、銀行印のお渡し、
こうすれば、1回多く、とてもキレイな人にお会いできます(笑)

銀行印は、モチーフ入りご希望ですが、具体的には、決めて来られなかったので
「なんでも、ご希望のもの、好きなものでいいんですよ」
ちょっと考え出てきた言葉は
「観音様」
「観音様?」
「無理ですよね」
「できるかな。
 偶然なんてないので、お客さまの口を通して、
 はんこ屋さん、そろそろ、観音様を彫っていいよとメッセージが届いたと考えましょう。
 解脱したくない人なのに、観音様彫っていいのかな(笑)

「好きな観音様がありまして、『ふくうけんさくかんのん』」
「どんな漢字ですか」と漢字を書いて頂くと
『不空羂索観音』
これでiPhoneで検索してみます。
写真を見て、ホントにできるのか?観音様。

とにかく大きく彫らないと無理ですので
観音様自体を文字の一部にしたいところです。
直ぐに思いつきました。
お名前の漢字の一部を、観音様でなんとかOKでしょう。文字を構成する要素はあります。

「お客様のお名前ならば、彫れそうです」
画像を見ながら、ざっと書きます。
「あれ、手の数がこの写真とこの写真で違います。」
「観音様は人々を救うために、手が増えていくそうです」
「へえーなるほどね。
 はんこ屋さんも1組は接客用、1組はハンコ彫る用と増やしたいところです」

「好きな観音様まで指定してしまい、申し訳ありません」
「モチーフは具体的に指定して頂いた方が助かるんです。
 漠然と観音様ですとまず一般的な観音様イメージを探り当ててとなると
 もうそれで時間がかかってしまいます。
 それにしても、いいのかな。こんなはんこ屋が観音様を彫って」
とてもきれいな人にメッセージを伝えさせるとは、はんこ屋のことを分っての粋な計らい、
観音様彫り、謹んでチャレンジさせて頂きます。

ざっと書いてみて、なんとかなりそうです。
資料として「おとなの仏教入門」という雑誌も購入。
気合が入っています。
しかし、この雑誌を購入したお蔭で、疑問が湧いてきました。
この『不空羂索観音』様の説明に
『百発百中の羂索(金具の付いた縄)で衆生を救い出す』とありました。
それはどれ?

ちょうど実印を受け取りに来たお客様に聞いても不明。
出雲に行かれたそうで、生姜糖を頂きました。

生姜糖で体をあたため、気持ち的にはとてもきれいな人にあたためられた気分。
間違っていませんよね(笑)
こんな世俗的な人が観音様をお彫りしていいのでしょうか。
偶然なんてないんだからと、もう一度強く思います。

さあ、制作スタート。
まずネットで羂索を調べると向かって右側の真ん中に持っているものが、それと分りました。

まずは、もう一度ざっと書いてみて、観音様をどのくらいの大きさに書けば良いかを決めます。
そして観音様の画像を見たりトレースしたりして、
1色で観音様をどうすれば、表現できるかを探っていきます。
朝から始め、午後1時くらいに観音様なんとか書け、
次はこの観音様に合わせて、文字をデザインしていきます。
我ながら上手です。
印稿ができれば、半分くらいできたと同じ、もう午後2時か。

一日これだけをお彫りすれば、いいわけではありませんので、
ここで他のはんこの作業に入ります。
仕上げ作業も細かいので、少しでも疲れていない最初の1本にします。
で、結局深夜0時過ぎ、その日彫るべき他のはんこも完成し、作業完了。

上手に観音様彫れてしまうものだなと、終わってしまえば、冷静に思います。
それよりも、このはんこ、受け取りに来られたら、
とてもきれいな人ともう会えなくなってしまうと思うと。。。
あくまでも世俗的な人です。

もちろん、納得して頂きました。
不空羂索観音半分100.jpg

さて、ここで問題です。
まったりさん、甘栗ちゃん、よろしいですか。
はんこ屋はこの観音様で、なんという漢字を彫ったつもりでしょう。
ご本人には、その字に見えますと言われました。
わかりますか?

尚、このような観音様モチーフは、ご来店の方だけのご注文とさせて頂きます。
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2011年12月23日

えっ詩人?

「最初に来たのは、いつだったかな?」
「4月です。」
「というと8カ月。それだけ、足繁く通うと、
こんなはハンコを手にすることが、できるわけだよ(笑)」
「通勤途中なので、2日に1回は寄ってますからね」

転勤に伴い、はんこ屋の前を通るようになったちょっと障害のある30代男性、
仕事で使うゴム印をご注文頂きました。
ゴム印工場の間違いがあり、それを見逃して、渡してしまい、すいませんと作り直しました。
その時も、怒らず、
「気をまわし過ぎて、間違えたのかな。」
「ミスを見逃したのは、僕の責任です。」

そんなことがあり、もううちには、注文しないだろうと思っていると、またゴムのご注文。
またまたご注文の際に、「ちょっと安くしてよ」といいますが、
「そんなお店ではないので」と切り返します。

段々仲良くなっていき、はんこ屋が忙しいことに気付いていて、ただ話していくのでなく、
なんかちょっと注文したり、買ったりして、話していきます。

安くしてよは、お店の人とコミュニケーションをとるための言葉だったことが分かりました。

ある時に住宅ローンを繰り上げ返済を重ね、後数年で払い終えるといい、
さらに資産運用目的でマンションを4つ持っていて、
ローンの支払いと家賃収入で、少しだけプラスと言います。
人って分からないものだなと思いました。

ある日「今度、住宅ローン完済記念に、象牙のはんこ、作りませんか(笑)」
「はんこは、いっぱい持ってるからな」という会話がありました。

数日後、お持ちの象牙はんこ2本と黒水牛のはんこ1本をお持ち頂きました。
「これはイイはんこです。
 作り直す必要がありません。
 ぼくの象牙のはんこを作ってもらう野望は潰えました(笑)」

その後
「詩人なんですよ」
「えっ詩人?」
「詩集を出していて、たまーに、ちょろっと印税が入ってくるんですよ」
「次々に驚かされるな(笑)」

それから数日後、
「鬼猫って言うんだけど」
「その鬼猫は、何?」
「詩の中に、猫が出て来るので、
 まあ、ロゴかな」
「鬼猫名義の詩集なの?」
「春木で」
「もし鬼猫とぼくが、彫るならば、鬼は鬼っぽく、猫は猫っぽく、彫れるよ」
「じゃあお願いします」
ということで、サインした時に押すイメージの四角いはんこをご注文頂きました。
本人が書いた鬼猫イラストも入れました。

受け取り後、数日して、
「ホントに嬉しくて」と言ってくれました。
彫ってよかった!
鬼猫100.jpg
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2011年12月13日

カリグラフィーぽく、洋風に

他のお客様接客中に、お店の前で、母に「息子さんのファンになってしまい」などと声がします。
そして、その方の番、実印ご注文の際に、
モチーフ入り印鑑の受取りの方と重なり、今度は自分が銀行印のご注文に来てくれたわけです。

「経子で洋風になりますか?」
「洋風?」
「カリグラフィーみたいに」

漢字をカリグラフィーみたいするのは、誰が考えるのでしょう(笑)

iPhoneでカリグラフィーを画像検索して、
えん印相体のバリエーションで、できそうかなと、ざっと書きます。
「こんな感じで、もう少し研究して作りますね」

さて、作る段になり、カリグラフィーをネットで研究、親切な人がその書き方を教えてくれます。
”O”が1番特徴があるそうです。

幸い、糸偏は、”O”が二つと解釈できる部分があります。
印原稿を書いてみると、あれナイトメアビフォークリスマスぽくなってしまった。
ちょっとおどろおどろしい、これでいいのか(笑)

彫って整えると、おどろおどろしさが薄まりました。
新しい書体ができてしまったようです。
カルとかつけてみて、書体名はカリグラフィーカルなんてどうでしょう(笑)

カリグラフィー100.jpg

もし、デザイナーさんが漢字をカリグラフィー風にすることを考えた時、
しぶちかはんこ屋と絶対違うのは、糸偏の縦棒をこのように、
真っ直ぐしないだろうということです。
はんこの中では、どんなに曲線的な文字で構成しても、1本真っ直ぐな線があると、しまります。
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2011年09月26日

かくも難しい「斉」

斉藤さんなどで使われる「斉」の字は、
斎、斉、齋、齊とあるのは御存知でしょうか。

厳密には、下が示と二では、意味が違います。
簡単に
「斉」はそろえる
「斎」は神事などの前に、何日か飲食、行動を慎み、心身を清めること
まったく違う意味です。

この4つの他に、旧字の齊、齋のY部分が了になっている字があります。

プロのはんこ屋としては、常識の範囲内のことですが、
普通パソコンでは、出てこない字です。

結婚され「了」の齊藤さんになられた女性、
まず運転免許証を変更すると、「サイ」が手書きになってしまい、
銀行では、この字間違ってませんかとまで言われ、
結局「齊」で打ち出された後、手書きで修正されたそうです。

このことで、はんこを作るにあたって、これは手彫りのお店にお願いした方が良いと
当店にご来店頂きました。

念のため、常用漢字印章字林で「齊」を調べると、
行書になると「Y」部分が「了」になっています。

次に「篆刻字林」を調べると
image-20110926100313.png

「Y」になっている文字はなく「了」になっています。
問題点は、「Y」も「了」も同じ文字なので、篆書では同じ形ということです。

しかし、「齊」の字に困ってうちに来店して頂いたわけですから、
印相体で「了」にしてお彫りしました。

image-20110926100049.png

手彫りならばホントは存在しない字でも彫れます。

「澤」を昔、戸籍係りの人が間違って、
世の中に存在しない字が戸籍の字になってしまった方の
ハンコも先ごろ、お彫りしました。

この程度ですと、無理を聞けて当たり前です。

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2011年06月16日

笑撃!甘栗パンダはんこ

甘栗ちゃんは、うちのお店のVIPです。
甘栗ちゃんの紹介で、いったい何人の人がはんこを作ってくれたことでしょう。
感謝の気持ちが、いっぱいなのですが、VIP扱いされる訳でもなく、
逆に甘栗ちゃんの方が気を遣い、ブログの量で忙しさを測り、
必ず手土産付きで、ご来店して頂けます。

周りで一番最初に、頼んで頂いていますので、
お持ちのはんこは、シンプルなモチーフで、文字が生きたものです。

周りの人が、凝ったモチーフ入りを手にしていきますので、
甘栗ちゃんも、認印で凝ったものをと考え始めました。

プレゼント用のはんこをご注文の時、その構想が明らかになりました。
「ハートの枠のはんこ、あったじゃないですか。
 それと同じように、枠を甘栗にするのは、どうでしょう?」
「えっ、枠を甘栗に。
 周りを朱肉が付かないように、削り落とす必要があって、
 はんこの外観は綺麗ではありませんがいいですかね」

サスガVIP、上級者しか許されないご注文です。
とりあえず、テキトーに書いてみて
「面白そうですね。」
「はんこ屋さん、甘栗のテカリ忘れてますよ」
「そうだ。テカリが重要でした(笑)」

そして、タイミングを読んでのご注文。
「どうしましょう?」とざっと書きながら考えているうちに
「パンダも考えたんですけど」とパンダ好きだったなんて初耳です。
iPhoneで、パンダ画像を検索しているうちに、見つけてしまいました。
横になっているパンダ。これだ!
ざっと書いてみると上手い感じにパンダが納まります。
「大変になりませんか」
「自分で思いついてしまったので(笑)」

そしてとうとう、受け渡しの時、
甘栗ちゃんは、品川エキナカで、焼きドーナツ
image-20110616103302.png
はんこ屋の少女時代好きのためにLiptonティーを買って来てくれました。
焼きドーナツ、ドーナツに比べて甘さ抑え目で、色々な味を楽しめ、美味しいです。
形は確かにドーナツですが、カステラやバームクーヘンの味、食感は近いですので
名称変更がのぞまれます(笑)

もちろん、はんこを喜んでくれ、今日は話よりはんこを眺めていたい雰囲気でした。
はんこ屋は、なんとなく寂しく、それは、かわいいハンコとのお別れのためではなく(笑)
甘栗ちゃん、プレゼント用のはんこは、今後もご注文してくれても
もう甘栗ちゃんのためにはんこを彫ること、ないんだなと思うと。。。

さて、印影公開ですが、これは甘栗ちゃんのために
OCNアートブログの方で公開です。
OCNアートブログへ

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2011年06月08日

作品と呼んでいいでしょう

「お客様は、正しい手順を踏んで、(凝ったハンコを)ご注文頂きましたので、
こんなハンコになりました。これは、作品と呼んでいいですよね」
「もちろん、いいですよ」
「いきなり、来てこんなハンコといわれても、ちょっと無理ですが、
 お客様のように、まず象牙の彫り直しで実印、ご紹介頂いた方は4本ご注文頂きました。
 実印の出来栄えから、ホントは、もっと押して自慢したいところですが、
 実印なので、そうもいかず、どんどん押して自慢するための、認印のご注文、
 頑張りがいがありました。あんみつも美味しかったし(笑)」
「今日は、ここに1番に来たので、あんみつありません(笑)」

「お客様の富士山を左に寄せることと雪のラインを入れるアイデアが活きました。
 絵が描けないので、今回の先生は横山大観先生で、富士山の中のライン、何度も書き直しました。
 ざっと書いた時に左側にあった波しぶきを右にしたのは、左ばかり重くなってしまったからです」

こちらで完成。
岸辺の富士山100.jpg
見事な調和(笑)

「荒見さんはチョコレート食べます」
「もちろん、甘い物ならなんでも」
「これそこで買ったんですけど、私の好きなチョコレートなので、どうぞ」
手土産の渡し方が、さりげなく、大人な素敵な女性です。

「もう1本頼みたいんですけど」
「えっ」
「前の注文の時に、もう1本頼もうとしたら、荒見さんが受け取りの時にと言いましたよ」
「全然忘れてました。では、気持ちを立て直してお受けします(笑)」
「荒見さんのはんこを見ると誰かにプレゼントしたくなって、それで今度はプレゼント用に」

もうかなり親しくなったお客様、はんこ屋のお節介ないたずら心の扉が開かれます!
posted by 一日3本 at 08:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 無理を聞く | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月09日

ススキ封印

「すすき、難しかったので、もう彫りません。
封印です」
「ちょっと嬉しいですけど、細かかったですか」
「印相体は、文字の太さを均一に見せるのが、基本ですが、
文字の一部をススキにするためには、太い細いを出さなければならず、
それを自然な感じにするために、とても時間が、かかったので、もうやりません(笑)」

この色っぽい長身の女性、
「やっとブログを全部読みました」
「えっ、ぼくより、ぼくの過去に詳しいですね(笑)大変だったでしょう」
「ケータイで読んでいたんですが、主人に何やっているの?と聞かれて、
それは内緒と答えました。」
この時点では、ブログタイトルを『それは内緒』にしようと思っていました(笑)

ブログを読んでしまったので、手土産も頂いてしまい
更には、ススキはこの方のお気に入りの着物の文様で
ご自身で印影のデザインを考えたものも、見せて頂きました。
それが文字の一部がすすきになっているものでしたので
文字の一部をすすきにすることに追い込まれたわけです。

さらにさらに、高価な印材でのご注文ですから、もうがんばらない要素がありません。

振り返ってみると自分のガンバリポイントがわかります。
1.キレイな人
2.ブログを読んでのご来店
3.手土産
4.入れるモチーフへの思い入れの強さ
5.オランダ水牛、象牙でのご注文

ススキの難しさに話が戻り、いよいよ印影公開ですが、
ぱっと見たときに、自然に感じましたら、はんこ屋のすすき成功です。
太いところが目立って感じたり、細いラインが気になったのなら、はんこ屋まだまだです。
どうぞ!

すすき100.jpg


**一部値上げのお知らせ**
 モチーフ入れ技術料に関して検討した結果、
 本柘、黒水牛料金では、作成に掛けている時間と金額がまったく合っていません。
 <モチーフ入れ技術料一律3千円から3〜5千円>
 平成23年6月1日(水)ご注文分よりモチーフ入れ技術料は
  本柘の場合、通常料金プラス5千円(本柘12ミリ丸銀行印モチーフ入り12,300円)
  黒水牛の場合、通常料金プラス4千円(黒水牛12ミリ丸銀行印モチーフ入り16,000円)
  牛角(白)・象牙の場合、通常料金プラス3千円(現行のまま)
  (牛角(白)12ミリ丸銀行印モチーフ入り27,000円)
  (象牙12ミリ丸銀行印モチーフ入り42,000円)
 と致します。
 (難しいモチーフについては、別途見積もりも検討中です。)
 よろしくお願いします。
posted by 一日3本 at 11:17| Comment(4) | TrackBack(0) | 無理を聞く | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2010年07月28日

ハートの枠できますか/ラスベガス

ホームページからのお問い合わせで、
結婚する両家の姓を入れ、モチーフも入れた
30ミリ角くらいの大きさのはんこできますか?
というものがありました。

結婚式の招待状に使うはんこだそうです。
二つの姓を入れたはんこは、彫ったことがありません。

姓は一つ、名は二つというのを作成したことがあります。
それは結婚の記念に家紋のように、使っていきたいということでした。
両家の姓の入ったはんこ、結婚式が終わってしまえば、
使いようがない気がしますが、これは海外からのお問い合わせ、
そもそも海外では、実務的に使うわけではありません(笑)。
趣味的に押すには両家の名前が入っていても問題ありませんね。

海外はどこですかとメールで尋ねたところ、ラスベガス。
ここで大きな疑問を抱くことになります。

そして予告された7月にラスベガスからカップルでご来店。
開店して早々の時間でした。
ホントにラスベガスから来たと、ぼーっとしているうちに
「ハートの枠できますか」
「はあ」
あれ、ハートを入れるではなく、ハートの枠って言ったような。

「ここに押そうと思っているのですが」
ハート型の黒い紙を出されました。
「これ朱肉で押して分かるかな。この紙に押してみていいですか」

黒い紙を出された途端に、スイッチが入りました。
朱肉で押してみると、透かしのようでよくわかりません。
そうだ。ゴールド。
ツキネコ製、スタンプニックエコの金で押すと、あらイイ感じです。
ラスベガスさん達はゴールドで押すアイディアに感激しています。
問題一つ解決。

店舗に貼ってある今年の当店の年賀状を見て、
こんな風にハートの枠の中に字を入れたものと言われます。
丸の印材の中にハートの枠を作り、
回りは朱肉が付かないように深く削り落とす必要があるので、
ハートの枠の外の印材部分はキレイ加工することはできません。
それでも良いですかと尋ねても、やはりハート枠希望です。

もうすぐ奥様は、日本人で
もうすぐ、ご主人はハワイ出身日系3世なので、
日本の漢字の苗字を持っています。
ハートの枠にざっと書いてみて、2度目でなんとかまとまりました。
ハートの枠に文字をレイアウトするのは、難しいです。

今回の特殊なご注文、昨年の年賀状で金のスタンプ台を使って
木のはんこを押してみたり、
今年のものは丸や四角なら簡単にまとまるのにあえて
ハートの枠に迎春や元旦を書いてみた成果が発揮されています。
チャレンジの重要性に気付きます。
というより、そんなことをしているので
変わったご注文が集まるのかも知れませんが(笑)

モチーフはハートと不思議な縁で繋がったクジャクの羽と決まりました。

そしてどうしても聞きたかった大きな疑問、聞いてみました。
それはラスベガスに普通に住む所があるのか、ホテル住まいなのかです。
映画の中のラスベガス、カジノと豪華ホテル、
ショーもたくさん見れるイメージで、住むとこなんてないのでは?
「そのクレージーなストリートから
 車で10分くらいで住宅地があるんですよ」
「そうなんですか」
疑問解決です。

さて帰国する当日までギリギリの時間を頂き完成。
ハートの枠があるので枠なしで文字だけより、
思っていたより外側を削りおとす必要がありませんでした。

ちょっとしたアイディアは、姓と姓の文字はあえて、くっつけず、
ハートで繋ぐようにしました。
さて、朱肉で押したものと
ハート150.jpg

ゴールドで押したもの
Image529.jpg
明らかにゴールドの方がいいです。
クジャクの羽がゴールドですと、それらしく見えます。

印材屋さんに、これを自慢すると
「いいですね。これ流行らせましょうよ」
「オーダーメイド、手作りのお店に流行らせるとかないんだけど(笑)」
「朱色以外で押すの新鮮で」
ハートの枠ではなく流行らせたいのは色でした(苦笑)

帰り際、「ラスベガスにお越しの際は、是非ご連絡下さい」と
言って下さいました。
そういえば点をハートにしてあることに、感動されていましたが
クジャクの羽の中にもハートを少し意識しました。
いま、明かします(笑)

ラスベガスに知り合いがいるのってちょっとカッコイイでしょ(笑)

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鴨居先生に
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2009年12月10日

小篆と印相体の融合

ハンコのコンクールでは、篆書でも印篆と小篆など違う篆書を
1本の中に彫ると減点対象だそうです。
まして印相体は、評価の対象にもならないようです。

さて、小柄な女性がご来店、10年以上前から当店の前を通り、
いつかここでハンコを作りたいと思っていてくれたそうです。
先に会社を起こす人に当店を薦めてくれ、
そのハンコを見て、ますます
いつか当店ではんこを作るぞと思ってくれたそうです。
ありがたいことです。

10年以上前からですので、父の印象が強いそうです。

「ブランドのハンコを作りに来ました」
「はあ」
「ブランドのハンコといっても、わかりませんよね。
 私はアクセサリーデザイナーなのですが
 友人のために作っていたアクセサリーが、
 いつの間にか店頭に並ぶようになり、
 この度、本格的に始めることになりました。
 そこで、お買い上げ頂いたお客様に
 一言添えたカードを書いているのですが、
 そこに押すはんこを作って頂きたいのです。
 おばあちゃんに付けてもらった「絢の」がブランド名です」

さて思い入れたっぷりのはんこ、どのようにしましょうか。
まず材料ですが、石のアクセサリーを作られているので
石にしたいとのご希望がありましたが
石類は仕上げ刀が効かず、手で繊細には彫れないことを説明し
納得頂き、アメ色のオランダ水牛となりました。
「こうやってイイ色から決まっていくんですよ」
「石も同じですよ。穴の位置が悪いものは使えないんです」

材料が決まり
「いよいよここから、本番です」
漢字とひらがなでバランスが難しいです。
いったいどのくらいかかるか、わからない接客の始まりです(笑)

まず、ロゴがあるかどうかお聞いたところ、
三角形でAYA?を示したものがあるそうで、
それを入れることにしました。
糸偏は、「8」というか∞無限大を意識します。

ひらがなの「の」は元の漢字
「乃」が「の」に変わっていくところの
行書をベースに印相体にします。

この「の」中にロゴを入れます。
それにしても「の」は小さめに彫った方がかっこいいので
『の』の上に空間が出来てしまいます。

何を入れましょうかと相談しているうちに
モチーフというか、苗字を入れてもいいかなとなりました。
(はんこ屋が字典を見てその字の小篆が素敵だったので)
でもブランド名は「絢の」と苗字は無しですので
「絢の」が目立つように苗字を入れる。

モチーフ感覚で小篆で苗字を入れられるのでしょうか?
ざっと書いてみて、なんとか、まとまりそうでしたので
これで決定です。
もう終わらないかと思った接客に出口が見つかりました。
でも、小篆をベースに印相体にすることはあっても
ホントに印相体の中に別の書体、小篆を入れて
まとまるのでしょうか。

この方のお話を伺うと、日本の伝統芸能、
職人さんに囲まれて育ったそうで
接客の終わりに
「僕はあんまり伝統的では、ないですけどいいですか」
「私も伝統的ではない世界に入りましたので、いいんですよ」

書体がどうこうではなく、美しいもの、その人にあったものを彫る。
それこそが、しぶちかはんこ屋らしさとがんばりました。
伝統を新しい形で、そして見たことない感じになりました。
でも奇異な点はなく、納得の一品です。

残念なことに、日曜日に受取りに来られ会えずじまいだったのですが
昨日、電話でお願いして、快く公開を了承頂きました。
すでに、お客様に一言書いて、印鑑を押したものを渡したところ
好評だったそうです。
嬉しいかぎりです。
aya2.jpg

ここで、はんこ屋としての疑問が。
もしロゴを取ったならば、
フルネーム彫ってあるだけになりますので
どこの自治体でも印鑑登録可能なのでしょうか?
でも実印としては、こわくてこのようには彫れません(笑)

東京の渋谷駅ハチ公広場下のはんこ店の地図
(隣はメガネ屋さんです)、
ハンコのインターネット通販は
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2009年10月26日

桜水流(文様)を文字に

今回ご紹介するはんこのお引渡し前日、
「これができた時、天才かと思いました。
 天才と言っていいですか(笑)」
「どんどん言って下さい。天才ですよ」

上は、当店で作ったモチーフ入り印鑑を
名刺に取り込んだものが出来上がり
見せに来てくれた美大出身のお客様との会話です。

今回のテーマは
桜水流という文様を文字にすることで、それはどんなことなのか
注文する方も受ける方も変わっています(笑)

ご注文を頂いた男性は、
ファーストネームに「桜」という字が入っていて、桜にこだわり、
桜がモチーフなアイテム(アクセサリー、ジャンバーなど)を
色々とオーダーしてきたそうです。
いわばオーダー慣れしたお客様で、
職人心をつかむのが上手いのです。

Image326.jpg
ご注文時に、ちょうどお持ちだったてぬぐいの柄が
桜水流といわれているもので、
その桜水流をモチーフにしたいという希望でした。
桜水流を下側に入れて
上側を文字という感じでざっと書いている時
「桜水流を文字自体にするとか」と小声で言われました。
「えっできるかな、そんなこと」
考えてみると、できそうな気もします。

「もしやってみて、おかしかったら、
 桜水流を下に入れるパターンにしますね」と
逃げの部分も認めてもらいます。

職人さんに無理をいう時は、このように逃げの部分、
あまりにも難しかったら、
標準に近いものになっても、決して文句は言いません。
オマカセします。という姿勢が重要です。

文様を文字にするのも、
他の職人さんが彫った独特な書体風に彫るのも、
同じことかなと思ったのでお受けしました。

まず文様を軽くトレースして特徴をつかみます。
そして、文字の形にその特徴を入れていき
桜の花びらをしつこくならない程度に入れて、印稿完成。
やっぱり出来てしまいました(笑)
しかし、この印稿ができるまでは、
これでもそんな事ができるかどうか、ちょっぴり不安でした。
その不安から開放されましたので、冒頭の天才発言となるのです。

さて、この印影でお名前読めますか?
saku.JPG

もちろん、大満足のご本人は、わかりますが
お名前を知らない人には読めないようです。
名前を知らせると、確かに字が見えてくるようです。

帰り際「友達に宣伝しておきます」
「でもそんな印鑑は、誰にでも作るというわけではなく、
 オーダー慣れしたお客様だからこそで。
 (一緒に注文してくれた)奥様のはんこでしたら、
 それに比べたらシンプルですが十分凝ったはんこで、
 そちらの方でしたら…
 あっそれは、一見シンプル、良くみると色々モチーフが入っていて
 象牙だからこそ頑張れたもので…」

口コミ禁止令解除のはずなのに(笑)

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