2021年08月25日

ご縁がありますようにですか

仲良しのお客様のための会社印、真ん中に丸の空間を作ることにより、空いた空間に色々なものが入って来ること、入って来ることで、全てのものが変わっていくことを表そうとしました。
会社の代表印は普通、外側に会社名、内側の丸の中に役職名と二重です。
内側の枠を無くしつつ、太さを変えることで、自然に見えるように、初挑戦しました。
自信作をお渡しすると
「ご縁がありますようにですか?五円玉に見えます。お賽銭に五円玉でご縁がありますようにで、
十五円で十分ご縁がありますようにと聞いたことがあります。」
「え、五円玉のデザインはまったく考えていませんでしたが、五円玉と言われるともう五円玉に見えます(笑)」
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「ご縁印相体と名付けて展開して行こうかな。」
「いいんじゃないですか」
「五円よりはるかに高いですけど(笑)
でも、これを彫るの大変なんですよね。
丸に見えるように空間を開けると文字が詰まりますし、空間の丸の大きさが五円玉に見えるかどうかの決め手になっているようですが、今回はたまたまなので、次もそうできるかは謎です(笑)」

たまに起こる自分が意図した以上の出来上がり、
そんな時にとても達成感を感じます。
今回はお客様からの無理ではなく、自分の思い付きの無理を聞きました(笑)

posted by 一日3本 at 07:25| 無理を聞く | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年07月02日

kdm着付士支援機構さんのために

東京と奈良に拠点があるお客様、父の代からの贔屓にして頂いている方です。
今は奈良にいることが多く、そこで着付士さんたちの一般社団法人を立ち上げることになり、手伝っているそうです。
知っているはんこ屋さんがあるからと、裏原宿の新店舗まで、いらしてくれました。
以前、友人が勤めていたお店がこの近くにあるので、馴染みがあるところでしたと移転したことを肯定的に捉えてくれます。

代表登記印は、サイズさえ合っていれば、印影は審査対象ではないので、何かモチーフを入れますか?
縁起の良い感じのものの、いくつか資料をお持ち下さり、ザッと書いてみますが、ピンときません。
着物の文様で何かないですか?
この一言があとあと、自分を大変にさせます(笑)
そのお客様がスマホで調べながら、「宝相華(ホウソウゲ)」を見せられると素敵です。
いくつか見せられた宝相華はそれぞれ形が違い、完成に決まった形ではないように思えます。
宝相華バージョンも、ザッと書いて、奈良に戻って、どの感じにするか、代表の方の意見を聞いてみるとのことです。

ここに来なければ、着物の文様と思いつかなかったと、感激してくださいました。
なぜ、東京まで行って注文するかの理由に少しでもなれば嬉しいです。

予想通り、宝相華バージョンでのご注文となりました。
宝相華について調べると、元々は5弁の空想の花とあります。
宝相華の着物の文様は、その5弁が忘れさられているように思えます。
そこで、5弁を意識して、色々組み合わせて、宝相華を書いてみました。
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これをもとに練習で彫ってみると、これは絶対彫れない細かさと気付きました(苦笑)
新たに彫れる感じに、宝相華を書き直してから、お彫りしました。

その代表の方ですが、京都府の城南市ご出身で、荒見神社の近くだそうで、荒見という名に親しみを覚えてくれたそうです。
荒見神社、こっそに力を与えてくれました。

そしてしばらくたち、今度は角印のご注文で、ご来店頂けました。

あの宝相華からシンボルマークも宝相華を中心に日本の文様がたくさん入ったものが出来上がり、見せて頂きました。
はんこに入れるには、適さない感じでしたので、
はんこ屋オリジナル宝相華だけを入れることにしました。
これが出来上がりです。
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人と人が合って、話しているうちに、アイデアは生まれ、口にした以上はその時の約束を守る。
自分はそんな昔の人です。
posted by 一日3本 at 12:20| 無理を聞く | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2021年06月28日

経歴点マイナス

このブログに昔書いたことがあったかも知れませんが、今もウケているので、書いてみます、
はんこ屋さんは、どこでデザインを学んだんですか?と
最近、綺麗な女性のお客様に聞かれました。
どこでも学んでいません。美大に行ってません。
日本の美術の世界は、まだまだどこの美大を出ているか、誰を師事しているかが重要なようで、実力で勝負するには海外で成功して逆輸入的の道の方が良いようです。

そうそう、しぶちか時代、定年退職後、TSUTAYAで警備の仕事をしているおじさんが、うちのお店の前を通って、変わったはんこを彫れるのに気付きました。
そこで、カメと呼ばれているので、長寿の亀を彫って欲しいと言われました。
本来ならば長寿の亀の資料を下さいというところですが、それは言わずに、優しい気持ちでご注文を受けました。
毎日のように、通りますが、まだできてないからと、約束の納期前なのにと思います。

ある日、そのおじさんがニコニコしながら、お店に入ってきて
君、大学はどこなの?
僕は君のこと芸大と思うんだけど。

えっ芸大じゃないですよ。
美術とまったく関係なく、明治大学の商学部です。
何か、ガッカリした感じにお店から出て行きました。

そして
自分で尾の長い日本風の亀を見つけて、必死にお彫りしました。
受取りに来たおじさんは、しばらく印影を見てから、「80点」と言いました。
うそー、120点くらいなのに、これは経歴点マイナスだなと思いました(笑)
(その印影を探しましたが、見つかりません。悔しかったのか保管しなかったのかも知れません。)

その後、TSUTAYAで見かけた時には、お互い軽くえしゃくしたり、あるいは、軽く話せる時には、はんこ作るように勧めているんだけど、金額の面でなかなかと話してくれたりしました。
やっぱり、気に入っているんじゃんと、
経歴点マイナスであったことを確信しました(笑)
posted by 一日3本 at 17:46| 無理を聞く | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月23日

絵本作家の山田和明さんのために

絵本作家の山田和明さんをご存知でしょうか?
「My Red Balloon」という絵本でドイツ、イタリアで賞を取り、その絵本は世界7カ国で出版されています。

以前に一度ご紹介で、その絵本をモチーフに会社の角印をお彫りしたことがあります。
それが好評なこともあり、
今年の11月に神田で行われる個展に向けて、サインに押すはんこのご相談に来られました。

最初の相談の時は、印相体でいくつか書いてみると、象形文字をベースにしたものが好みのようでした。

2度目の時には、尊敬する絵本作家の先輩が本格的な落款印を使っているのが分かり、自分もそのような落款印はどうだろうかと言われました。

「山田先生のサインが横書きなので、本格的な落款印はどうでしょうか?サインが縦書きならありと思います。
その先輩の落款印の文字のアイデアが素晴らしいので、自分で考えたか篆刻作家さんに依頼されたのではないでしょうか?」

そして、最新の紙にこだわって作った絵本にサインをした上て、プレゼントして頂きました。
このサインに合うものとハードルが上がりましたが、あっさり、こんな風にするのはどうでしょうとハードル返しをして宿題を出しておきました(笑)
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なんかこんなやりとりは、デザイン事務所的なのではないかと思ったりして、デザイン料金とかいただいていないのですが(笑)

自分の仕事がはんこ屋からはんこ及びはんこ風のデザインの仕事に広がりつつあることを実感しています。
posted by 一日3本 at 09:06| 無理を聞く | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年09月18日

江戸時代のはんこを再現する

江戸時代から続く、先祖代々の文章の中に押してあるはんこを見せられ、明治時代まではそのはんこが押されている書面があるものの、その後は押されていなく、はんこの現物も見たことがないそうです。
そのはんこをいつか、復活させてみたいと思っていた方からのご相談です。

33ミリ丸に4文字が柔らかい篆書体で彫られています。
はんこ屋「4文字のうち、後半3文字は、なんという字が彫ってあるか、すぐにわかるのですが、
1文字目が分からないな。1文字目のモッタリした部分をこのままがいいのか、もっとスッキリさせていいのか?文字が分からないと彫れないな」

お客様「他にもこのはんこを押してあるものがあるので、それを持ってくれば、いいですか?」

はんこ屋「そんな問題ではなく、かなり篆書を読めると思っていますが、1文字「彦」に近い感じですが、彦では文字として成立していません。全体的に上手に彫ってあるので、間違えて彫ったとは、思えないです。文字を研究していて篆書に詳しい人とかなら読めるのかな?」
そんなことを言いながら、字林をめくっていると
あっ、読めました。『文行忠信』です。」
ネットで検索すると孔子の言葉でした。
なので3文字読めたところで、想像で1文字目が分かるべきものでした。
まだまだです。
復活させた印影は、こちら。
オリジナルより上手です(笑)
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posted by 一日3本 at 12:24| 無理を聞く | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年05月16日

「東京」をイメージしたハンコ

ニューヨークから来て、東京に3か月滞在した女性の詩人さんから、「東京」をイメージした御朱印のような大きなハンコのご注文を受けました。
自分の詩とその土地のアーチストとコラボしたポストカードを作り、全世界、世界各国の人々に送るプロジェクトをしているそうです。

僕はアーチストではなく、
言われたものを彫る職人ですと言ってみたのですが、無視されました(笑)

最初に四角の真ん中に、御朱印によくある梵字の周りに炎っぽいもの(後光)と下に蓮の花。
これの応用で梵字の代わりに「東京」を入れましょう。
その方の詩を、Google翻訳で見せられ月と海が決まり、神社と寺も入れましょう。
プロジェクト名の「JENNA」は鳥とか天の意味だそうで、ならば鳳凰だ。

自分の中の東京は、方南通りから見える新宿の高層ビルなので、都庁を入れましょう。

東京から富士山も見えるので、富士山も入れておきましょう。

空間を「寿」の昔の字で埋めましょう。

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ラフデザインが決まったところで
いつまでに必要かとあらためて聞くと2週間もありません。呆然としていると、もっとデザインを簡単にして間に合わせて頂いてもと言われますが、またデザインを考え直すことに抵抗を覚えます。
お休み予定の日曜日を使って作業すればなんとかなるなと思えと、自分に言い聞かせます(笑)

それから送られてきた詩を読み、東京駅が出て来たり、桜の名所に東京の事務所があったりするので、アイテムを少し変えます。

後は資料を集め、鳳凰を北斎さんの描いたものを参考にすることにしました。
これがメインです。
羽根のところに小さく、プロジェクト名を入れましょう。
そして、アイデアと時間を注ぎ込み、出来ました。アート料金にすれば良かったな(笑)
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posted by 一日3本 at 18:27| 無理を聞く | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月19日

なぜ、そんなに僕のことを信じてくれるのですか?

すアメリカ人女性が来店され、当店のホームページを指差しながら、これはあなたか?と聞かれます。
イエスと答えると握手を求められます。

詩を書いていて、そのポエムのポストカードを全世界に送っているそうです。
そのポストカードに押す、東京をイメージしたハンコが欲しいと言われました。

僕はアーチストではないので、具体的に何を彫って欲しいと教えてもらわないと、東京のイメージというのはだけでは難しいと言ってみたのですが、上手く伝わりません。
東京にいる時に書いたポエムを見せて頂いたりしているうちに、なんとなくイメージが湧いてきます。

とにかく、東京と書いた宝玉を真ん中に配置します。
ポエムから月と海、プロジェクト名から鳥、建物は東京都庁。神社と寺の昔の文字などとなんとか、まとまりそうになってきました。
たまたま来た、手彫り印鑑ご注文のお客様が英語ができるというので、通訳をお願いして、だいぶん時間の短縮になりました。
こんなラフが出来ました。
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店頭では、現金しか使えないので、翌日に支払いに来ていただきました。

実際に作る際に、あなたを信頼しているので、ラフから変えてもいいですと言われます。
そこで、なぜ僕のことをそんなに信頼しているのですか?と聞いてみました。
あなたの作るものは、どれも素晴らしいからですと言われました。
職人を気持ち良くさせる技術を持った方です。

毎朝、真面目に仕事をしていれば、必ず認めてくれる人が現れると唱えている効果です(笑)
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休日を返上して、この仕事を頑張ります。
posted by 一日3本 at 23:53| 無理を聞く | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年03月04日

小学生のデザインを元に

モチーフ入り印鑑をお母さんが注文するのを見ていた小学生の男の子。
その時のはんこ屋が目の前でラフデザインを書いていくのが、とても印象的だったようで、自分でも書いてみようと思ったらしく、ある日唐突にはんこのデザインとして描いたものを見せられ、これではんこを注文してきてと、頼まれたそうです。
それを見て、5歳の弟くんも、自分の名前をデザインして描いてきたそうです。

その描いたものを持って来られた はんこ屋。
しばし考えます。
小さい子供達が、自分のはんこをデザインしてみたという行為に感動しつつ、本人のデザインを生かしながら、でも文字として成立させなければ、プロとは言えません。
銀行印1本、手書き版下のシャチハタ2本を考えていきました。
下が子供達のデザインです。
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本人とはんこ屋のコラボです(笑)

お母さんには、とても大変なことを頼みに来たことを伝えておきました。
posted by 一日3本 at 23:33| 無理を聞く | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月27日

手土産に弱い

インスタを始めて、マンガ家の鴨居先生がフォローして頂いたお陰で、鴨居先生のファンからのご注文が続いています。
わがままな事は、言いますが、手土産を持って来て頂けるので、言うことを聞きます(笑)
昨日は、コーヒー味のチョコ。
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鴨居先生以外の好きなマンガ家さんのとても、細かい絵の花を入れて欲しいと言われました。
はんこを何本か頼んでいると、このラフを書いているところが、どんな風になるのかとワクワクするところだそうです。
難しいモチーフの場合、まず文字だけ書いて、どこに入れらるか考え、次に入れるモチーフをざっと書いて、手に覚えさせ、後は手が勝手に考えてくれます。
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完成が楽しみになれば、このラフデザインの成功です。
posted by 一日3本 at 09:12| 無理を聞く | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月26日

「緘」のデザイン

インスタ用に、昔の資料を見ていると、封筒の後ろに押す「緘」をオリジナルのシャチハタで1年に一個ずつ、お得意様のために作っていたことを思い出しました。
最初の年は双魚(二匹の鯉のお腹から手紙が出てきた故事)は手紙を意味すると知り、二匹の魚をモチーフにしてデザインしました。
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2年目は鳩が手紙を運んでいるイメージで縦長にデザインしました。
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そして、3年目はお客様の好きな花をモチーフにしてデザインしました。
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インスタで昔の仕事が整理できるのは、ちょっとイイね(笑)
posted by 一日3本 at 10:29| 無理を聞く | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月30日

鬼猫5連作

昨年は、実用品としてのはんこだけでなく、はんこのデザインを売っていくべきだと気付いた年でした。
そんな年だからこそ、ご注文を受けた、お客様が考えた鬼猫というキャラクター設定を元に、文字はあまり彫らずに5本、色々なバリエーションでお彫りしました。
「ポートレート」
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「鬼猫招き」
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「鬼猫のしっぽは3本」
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「日本には昔から鬼猫が」
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「鬼猫の趣味はカメラ」
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posted by 一日3本 at 13:17| 無理を聞く | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年12月20日

鬼猫連作のプロローグ

もう5年くらい前に、自費出版に近いと思われる、そのお客様が書いた小説の中の登場人物?鬼猫を彫りました。
猫の耳の代わりに角、口に牙が特徴です。
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カジュアルに使っていたこのハンコを可愛いと褒められて、更には他にはないのと何人かに言われたそうです。

そこで、鬼猫のはんこを5本、オマカセで彫って欲しいと言われました。

去年まででしたら、そんなこと、はんこ屋に頼まれてもと言うところですが、
今年はデザイン、アートとしてのはんこ元年と考えているので、快く受けました(笑)
さて、どんな5連作になったか、
まずはタイトルから、
鬼猫ポートレート
鬼猫招き
猫、化け猫、鬼猫
日本には昔から鬼猫
鬼猫カメラ

この5作を順次公開していきます。


posted by 一日3本 at 23:15| 無理を聞く | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年05月12日

枠が無いと難しいんです

以前、5センチ角のハンコをお作りしたことのあるお坊さんから、「南無阿弥陀佛」と彫って欲しいといわれ、それ自体は良いのですが、枠が必要ないとのことです。
ゴム印をすすめてみたのですが、ハンコを押した時に気持ちを込めたいので、木で彫ったものと言われました。

枠が無いというのは、デザイン的にも、彫る技術的にも難しいです。

はんこのデザインは、文字が太い時は枠を細く、文字の細い時は枠を太くして、そのコントラストで美しく見せるものです。

行書などで右肩上がりの文字にしてしまうと枠があると曲がって見えてしまいます。
ハンコの文字は極端に右肩上がりにはしません。
書家の先生が印稿を書いても、なかなか上手くいかないのは、このためのことが多いです。

ところが今回は枠無し、どんな文字にして良いか、わからなくなります。
ご本人が書いたものをベースにしたもの、辞林を見てはんこ屋がレタリングしたもの、ネットの画像検索で出てきて良いと思われるもの。
3つざっと書いて、ご本人に選んで頂くと、はんこ屋がレタリングしたものになりました。

彫るにあたっては、枠が無いと文字ではないところに朱肉が付いて汚してしまうことがあるので、なるべく深く彫る必要があります。

やっと完成。
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3重丸は後光の意味だそうです。
posted by 一日3本 at 09:13| 無理を聞く | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年04月27日

時間は無くても桜

メキシコ人カップルがニコニコしながら、お店に入って来ました。
当店のホームページを見て、来てくれたそうです。
手彫りですと2週間かかることを伝えると、時間がないので、機械彫りの当日でいいとのことです。
お二人の名前を漢字に当てはめます。
次に印材は柘の12ミリ丸で、ケースは東京の職人が作っている良いケースに決まりました。

男性が女性のはんこの方に、桜が入りますか?
と聞かれました。
機械に桜は入っていないし、どうする?
桜モチーフを書いて読み込んで、そこに機械の字を入れれば、できそうです。
3時間かかりますができます。と答えました。
まあ、はんこは素人のデザイナーさんにできて、はんこのプロができないわけありません。
でもモチーフパターンがあって作るのは簡単ですが、3時間のうちにパターンまで作らなければなりません。

そんなことを考えながら、ざっとイメージを書きました。

今度はその男性が、僕のはどうする?と嬉しそうに笑いながら聞いて来ます。
自分のものも何か入れるんですね。
もう出来ないとは言えないし(笑)

富士山はどうですかとざっとイメージを書き、決まりました。

後はこのあたりに文字を入れることを想定してモチーフパターンを2つ書きました。
そこに古印体で文字を入れ込みます。

機械に彫らせて、彫り切れてないところと枠を軽く整えます。
手彫りのはんこを100点がとすると、
まあ、65点くらいですが、まずまずのできです。
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外国人のお土産でも、うちでしかないものをと考えている中での出来事でした。
オリジナル感あるでしょ(笑)
新サービスの値段を考えよう。
posted by 一日3本 at 07:40| 無理を聞く | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年02月22日

キャンバスに押せるように

もう10年以上前に、日本画家さんにモチーフを入れた印相体で落款印をお作りしたことがあります。
当時は渋谷にお住まいで、お店の前を通る時に挨拶をして頂いたり、差し入れをして頂いたり、あるいは実用品のはんこのご注文を受けたりしていました。
その画家さんの絵が有名な天満宮さんに奉納することが決まり、その絵の中の落款印は自分が作ったものと思うと誇らしい気分になれました。

しばらくお見掛けしないなと思っていましたが、久々に現れると渋谷から引っ越されていて、今日は新たな落款印をお願いしに来たそうです。
最初に作った時は、この方がどんな絵を描くか知らずにいましたが、今回はとても実力のある方と分かっていて、また天満宮さんに奉納する絵に使うつもりと分かってしまっています。

これはプレッシャーだなと言いながら接客を始めてみると、意外なほど順調にデザインが決まっていきます。信頼しているのでおまかせでという雰囲気ですが、それは困るので方向性をラフで決めて欲しいとざっと書きます。
今回は四角を得意な朱文で篆書体系でモチーフを入れて、合わせて丸で白文(字が白抜き)でお彫りすることになりました。

四角と丸の落款印を並べて押す場合、丸を上に押すのが正式と初めて知りました。

丸に白文の篆書体は初めてで、印相体で学んだ空間を埋める技術を少し使うとまとまりました。
単純な篆書体では朱色で出る部分が多すぎて、押しづらいと思われたからです。

四角はモチーフの橘家紋を文字の気持ちで彫れたことがイイところです。
あれ、なんのプレッシャーもなく出来てしまいました(笑)
篆書系でもモチーフを入れたりして、独特な落款印が作れるようになってしまったかも。
意外と上手だ(笑)

自信を持ってお渡しして数日後に電話があり、四角はんこをキャンバスに押すと真ん中が出なくなってしまい、後ろから押さえることもできないので、端っこを落として真ん中を飛び出すとように凸状の印面にできますか?問い合わせです。

トクサで周りを削って、それによって太くなったところに印刀で細く整えればなんとかなるなと思い、キャンバスを持って来て欲しいことを伝えました。

お持ち頂いた小さなキャンバスの上ではんこを押すと、キャンバスの裏側のべニア板がしなって、凹んでしまい、やはり練り朱肉を使っても、真ん中が出ません。

真ん中が出るように、ひたすら調整です。
新トクサも手も赤くなっていきます。
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30分くらいでできますと言ったのですが、出来ず一旦帰って頂き、3時間掛けて試行錯誤の末なんとか出るようになりました。

もしかして、キャンバスの裏側に固いものを置けばしなりがなくなり、押せるのではとやってみましたが結局上手くいきませんでした。

キャンバスの押す位置によって、凹み具合が変わり、どの位置でも完璧に押せるのは不可能という結論に達しましたが、最初よりも出やすくなりました。

再びのお渡しの時に、
とてもこのはんこをデザイン的に気に入っていて、田のところが葉っぱになっていたり。
そこは僕が考えてしたのではないので、神さまが降りてきたのかな(笑)
こんな会話をしつつ、
上手く押せなかった場合の裏ワザをお教えして、終了です。

少しでも小さいサイズの方がキャンバスに押す場合は良いようです。
形も四角よりは、丸とか角丸の方が上手く押せる確率が高くなるようです。

とても勉強になりました。
いつかこの落款印が押されている絵を
観たいと強く思いました。
posted by 一日3本 at 11:41| 無理を聞く | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月21日

亀ホリタイ

会社のハンコが欠けているのに気付き、業績アップ願って会社印を作り直しに来た方がいました。
その方のお名前の中に「亀」部分があり、ミドリガメを飼っているので、亀好きで亀彫りたいな。と言ったところ。
ホントに業績アップしたら、今度は個人のハンコを作りに来てくれる約束をしました。

欠けているはんこを使用するのを止めて、新しい手作りのはんこを使って業績アップにつなげるというのは、作る側としては簡単です(笑)
はんこが欠けているというのは、壊れた状態です。
壊れた物を使っていて、良いことが起きないのは普通のこと。壊れたことが気になって、新しいものを注文するだけで気にかかっていたことが一つ減り、その空いた空間に良いものが入って来ます。

とはいっても、何か呪術的なことをするわけではなく(笑)、会社印はいつものように気持ち込めてお彫りしました。

そして何か月経ち、その方が個人のはんこを作りに来てくれました。

本当に業績アップしたそうです。会社の頑張り以外のところで、業績に影響する部分があり、それらが良い方向に向き業績がとても良くなったそうです。

ご本人も東京を離れ、本社に戻るそうでこの機会にと2本ご注文頂きました。

ざっと書いてみると1本目はとても良くまとまったのですが、2本目は何かが足りないです。
自分で亀が彫りたいと言ったくせに(苦笑)
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はんこの中に×バツを彫りたくないのですが、昔の篆書では×があります。


彫る段になり、×のところを亀の甲羅にするのはどうだろうと思いついてしまいました。
認印ですし、亀甲で縁起が良いし、ありだなと勝手に判断し(笑)、彫るのを自分で難しくして完成しました。
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お気に入りです。

今回はお客様に無理を聞いて頂き、自分が自分に課した無理をクリアした感じです(笑)

posted by 一日3本 at 15:45| 無理を聞く | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年07月05日

狛猫?

2度目のご注文の女性、モチーフ入りの銀行印のご注文です。
「モチーフは、狛犬ではなく狛猫をお願いします」「はあ」
猫の写真を2枚見せられます。
座って口を開けている猫と伸びをして口を閉じている猫です。
「これで阿吽で、ネコを狛犬風に。はんこ屋さん上手じゃないですか」

上手なのは絵を描くことではないんだけれど、無茶言うなと心の中で思います。
リピーターさんなのと、手土産を頂いているので、ノーガードです(笑)

本来絵の上手な人ならば、これで阿吽の猫のイラストを描けるはずですが、はんこ屋にはその能力はありませんので、写真の猫の形に渦巻きを加えてしっぽを狛犬風にするとそれらしくなることに気付き、ざっと書きました。

本番に臨み、やはり小さな丸の中にこれを収めるに、多少猫の形を変え、これで阿吽とわかるのかなという小ささですが、本人が阿吽を意識していると分かっているからいいでしょ(笑)

とにかく、完成しました。
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大変だったな。


受け取られた後に、とてもとても美味しいフルーツが送られて来ました。
ありがとうございます。
頑張った甲斐がありました(笑)
posted by 一日3本 at 10:14| 無理を聞く | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月19日

これがこうなる

ジョンレノンさんが使っていたギター、リッケンバッカーを銀行印に入れて、大変気に入って下さった方が、当店を勧めて下さいました。

その美容師さんが以前デザイナーに発注してできた家紋風のロゴがこちらです。
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「晴やか」さんなので、晴という漢字と矢と梅の花が用いられています。
名刺を見せて頂きましたが、白抜き部分が小さいのが気になりましたが、ここまでデザインできるということは、もっと大きなものが本来の大きさでそれに合った白抜き部分の大きさと考えられます。

今回のご注文は
この家紋風のロゴをベースに、領収証などに押すはんこです。

質問してみます。
はんこで、白抜きの細いラインは難しいので、花はラインで構成することになります。


左下のこれはなんですか?
矢です。
なるほどね。
でも矢には力があるので、
下向きではなく、
上向きにした方がいいですよ。
いちいち、うるさいでしょ(笑)

そうして出来上がったのがこちらです。
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元のデザインがなければ、こんな風に出来上がっていません。
最初のロゴデザインをしたデザイナーさんに拍手を。
posted by 一日3本 at 12:25| 無理を聞く | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年12月30日

稲荷神社

穏田神社(おんでんじんじゃ)さんは、近くの小さな神社で、昔、原宿のことを穏田と言っていたそうです。
2年前に御朱印用のハンコを頼んでくれました。
年末に、その宮司さんがご来店、併設の稲荷神社さんの御朱印用のハンコを作りたいということです。
前回は昔、他で作った見本がありましたので、それに準じてお作りしました。
今回は、見本がないので、比較的自由にできます。
柔らかい篆書と集める縁起物の渦巻きでアクセントを入れた篆書と2種類書き、選んで頂きました。
当然、はんこ屋は渦巻きアクセントをウチらしさがあると勧めました(笑)
オススメ通りとなりました。

いつまでに、欲しいですかと聞くと年内。
えっ年内に欲しい人を断って大分経つのに。
できたら年内にして頂き、もし、年内間に合わなかったら、ごめんなさいとして、お受けしました。
リピーターさんに優しくです(笑)
無事手書き版下の角ゴム印完成。
新年から使われるようです。
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では、皆さま、ありがとうがたくさん言える一年となりますよう、お祈り致します。

posted by 一日3本 at 16:43| 無理を聞く | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2016年11月09日

恵比寿さんと鯛

はんこ屋職人がお休みな日曜日、以前個人のはんこをご注文頂き、気に入って頂いた方々が、今度は仕事で使うはんこを注文したいと来店されました。
屋号が「えびす」なので、恵比寿さんとか鯛とかの入ったモチーフ入りで2本欲しく、日曜日しかなかなか来店できないので、後はメールで打ち合わせてと、いとこに言われてしまいました。

メールのやり取りでざっと書いたものを見せたりしないのだけど、リピーターさんだし、どうする?と思いつつ、外側に屋号内側に名刺に入っている恵比寿さまと、内側にえひすのひらがなと鯛の2種類思い付きました。

メールは面倒だなと思っている間に、1カ月経ち、さすがにメールしないとというタイミングで、ご注文したい2人が平日の夜にやって来てくれました。

メールしなければと思っていたところで、構想は出来上がっていますとざっと書き始めました。
意外と恵比寿さん、上手に描けちゃった(笑)

七福神にちなんだ名前で、仕事を展開していく構想があるそうで、次は大黒天の予定と言われたのですが、

「弁天さまは?」

「まだ構想にありませんが」
「えっ弁天さま、彫りたいな。」
神さまであっても、女性格希望です(笑)

はんこを彫るのは意外と上手なので(笑)
納得の出来上がりです。
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posted by 一日3本 at 21:54| 無理を聞く | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする