2021年02月10日

神宮前の書道教室「墨礼会(すみれかい)」さまのための2本

お電話があり、お持ちの石に彫って欲しいとのこと。外苑前で書道教室をされているそうなので、
石には直接彫らないことを伝えました。
知り合いの篆刻作家は、いらっしゃいませんか?
と聞いてみたのですがいないそうです。
版下だけ、僕が手書きして、研磨剤を空気で吹き付けて彫るサンドブラストならば、できます。

ご来店頂き、その場でラフを書き、お持ちの象牙には、僕がモチーフを入れて彫ることになりました。

これからは、実用品ではないハンコの注文の比率を上げて行かなければなりません。

どのくらい版下通りに彫れるのかに興味もあり、チャレンジしてみました。
本当にほぼ版下通りに上がってきました。
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サンドブラストでモチーフは彫らない、彫れないそうです。
象牙は自分で彫りましたので、繊細に。
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外苑前の書道教室「墨礼会(すみれかい)」さんのための2本でした。
posted by 一日3本 at 19:33| はんこ屋さんの裏メニュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年12月21日

ゴールド

朝TVを見ていると、ゴールドが流行しているとありました。
そういえばiPhoneのゴールド、ホームボタンの枠が金色なんですよとお客様に自慢されたことがありました。

当店でも、100万円のハンコで金箔を貼った印材をご用意しましたが、今だに注文がありません。注文があったらあったで、緊張してしまいますが(笑)

この金箔を貼る金沢の技術を生かそうと、銀行印12ミリ丸で黒水牛に金箔を貼った印材をご用意しました。
店舗に来られた方にこっそり見せてと思っているうちに、自分でも忘れていました(笑)
今、貴重品になってしまいそうな黒水牛を贅沢に加工してみました。
牛角白と同じ値段です。

今、水牛の角の黒水牛の印材は
こんな状況です。
農業の機械化による水牛の減少、世界の工場たる中国の水牛の角を主にボタンとして大量買い付けなどが要因で
慢性的な黒水牛の品不足が続いております。
なんども価格が上がっているのですが、1年を通して品不足のままです。
例えば印材屋さんに、やっと黒水牛の良いものが20本入ってきて、そのうちの10本をうちに持ってきましたと言われます。
普段から注文の多い強みで優先的にまわしてくれます。
このように品不足を知っていて、次にいつ入荷するか分からないと持ってくれば仕入れるので、
逆に去年より、当店では黒水牛の在庫持っています。

他のお店はどうしているの?と聞くとランクを落とした黒水牛を使うといいます。
特にこの乾燥の時期はランクが下のものは、ヒビ割れたりしてくるんですよねと言われます。

一つ下のランクの黒水牛を試しに彫ってみると、感覚が違い失敗してしまいました。

一方牛角白は、安定してというより以前より良いアメ色のものが多く入ってくるようになりました。
去年まで10本とって、良い色合いが5本というところが、現在は良い色合いが10本中9〜10本、完璧です。
「やればできるじゃん」と言ってみたりします(笑)
「良いオランダ水牛は売れてないそうです。」
「そうなんだ。」
「悪いオランダ水牛は売れているそうです。
悪いオランダ水牛は黒水牛より印材として安いくらいですから。」
「そうなんだ。
こんなに、黒水牛がないなら、オランダ水牛の悪いの彫るしかないかな」
「芯大きいですよ」
「それはダメだ」
「悪いオランダ水牛は乾燥が足りないので、印面にニスが塗ってあります。ニスを取って彫りますから、時間の経過で真ん中が凹んでしまうことがあるんです」
ここまで言われて、悪いオランダ水牛を彫る人はいません。

御蔵島産の本柘も品不足で、薩摩柘ならあると言われてしまうことがあります。
ある時にとお店の在庫が、どんどん増えていきます。

厳しい印材の状況です。

さて、ゴールドの印鑑、金運アップにつながるのか?それは手に入れたお客様の気持ち次第です。

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2012年11月16日

オリジナル「元旦」ゴム印

自分で版下を手書きして、ゴム印にした
オリジナル「元旦」が出来上がって来ました。
基本8ミリ丸のものです。
店頭販売のみ、1コ350円になります。
5種類全部欲しくなるでしょ!

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才能あふれる、はんこ屋さんだな〜(笑)
posted by 一日3本 at 12:27| Comment(4) | TrackBack(0) | はんこ屋さんの裏メニュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年10月23日

さのあら体

昔、誰もが知っているはんこを彫った有名職人さんに実印を彫って頂き、
使っていたものの、トラブルがあり、その最中にそのはんこが無くなってしまったそうです。
その角印の印影だけお持ちで、その雰囲気を生かしつつ、今度は丸で作って欲しいという依頼です。

練馬の佐野印房のおじいさんに彫って頂いた印影を見せて頂くと素晴らしいです。
落款印風に篆書系で彫ってあるのですが、空間の使い方が上手いのです。
しかも、当時その職人さんは、もう自分では接客できないくらい弱っていて、
最後から数本以内のはんこだそうです。
そんな段階で、こんなはんこが彫れるなんて、とてもスゴイです。

だれもが知っているはんことは、紙幣の中のはんこことでした。
でもそれは練馬では、なかった気がします。
あとから分かったのですが、練馬の職人さんは紙幣の印鑑を彫った職人さんの親戚だそうです。

つつしみ深いはんこ屋ですので(笑)
「紙幣のはんこを彫ったお店が継続しているはずなので、
そこに頼むことを考えてはどうですか」と提案してみます。
「荒見さんの印鑑も好きなので、是非お願いします」と言われてしまいます。

覚悟を決めて、接客を始めます。
昔の上手な職人さんの仕事をお手本に別のはんこを彫ることは、勉強になりますが、
大変です。なのでぐずぐず言ってみたのです(笑)

丸にざっと描きながら「この空間がほぼ等分なのが、ポイントですね」
話を聞くと見本で見せてもらったものには、龍も彫ってあったそうです。
「では、ちょっと文字の一部を龍にしますか?」
「荒見さんの好きなようにお願いします」
「では、印相体風にして、文字の一部を龍にして、玉を持たせますね」

これで、接客は終ったのですが、以前練馬の佐野印房さんで見本で押してもらったものが
見つかったので、彫る前にお見せしたいと持ってきてくれました。

一番驚いたのは、ガンピに押してあったことです。
転写用の紙になぜ?
奥様が接客され、そのへんにあった紙に押してくれたそうです。
このことで、あらためて、その職人さんの晩年であったことがわかりました。
落款印、篆刻が得意な職人さんだったようです。
個人的には、この人に紙幣のはんこを彫って欲しかったです。

現在ある佐野印房さんをググッて、電話もしてみたそうです。
「ちょっとイメージと違うでしょ」
「そうですね」
(s印房さんのホームページ、市販のフォントを使いませんなどとウタっていますが、
 彫刻機メーカーのフォントで作成された書体見本でした)

受取の時、
「なんか新しいデザインで上手にできてしまいました。
 もとのアイデアがスゴイのですが、それを元にこんな風に彫れる自分もすごいな〜(笑)」
「自分で自分のこと、誉める人好きです(笑)」
さのあら100.jpg
(印稿です)
「こんな感じで他の名前でも彫れるかな?」
さのあら2100.jpg
荒見で書いてみました。
最初、等分に分けてみたのですが、おかしいので、こんな風にするとまとまりました。

八方位網羅していないので、印相体ではなく、
もういない職人さんとのコラボ、さのあら体とでも名づけてみましょう。
posted by 一日3本 at 22:59| Comment(0) | TrackBack(0) | はんこ屋さんの裏メニュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月08日

龍印相体

オリジナルの時計の皮ベルトを製作販売しているサンク・カロさん、
全国のデパートの催事コーナーに出展している大人気店です。
その出展者の仲間でリスペクトしている先輩に、
鴨居先生の漫画「君の天井は僕の床@」をプレゼントして、はんこ屋の営業をしてくれました。

その男性が、お手持ちの象牙をお持ちになり、、
特に強い思い入れはないようでしたので、
銀行印には、しぶちかはんこ屋でのオーソドックスな龍を入れてお彫りしました。

ご本人は、とても気に入って下さいました。
タッちゃんさんから、メールが来て、どんなはんこを彫ったのですかとありましたが、
オーソドックスな龍と返信すると、拍子抜けしたのか返信がありません(笑)
思えば、今までのサンク・カロさんご紹介の方には、
どの方にも、スペシャルなはんこをお彫りしてきました。
オーソドックスでも、他のお店ではできないものなんですが(笑)

数ヶ月が経ち、再び、その方がご来店
「どこでも、あの銀行印好評なんだよ」と、
ちょっと首を傾げて、納得し切れない感じを出して、言われました。

「家族用にと思っていたこの象牙に、認印として、いつも自分が持ち歩くものを作ってもらいたいんだ」
「何か、入れたいモチーフがありますか?」
「龍以外は思い付かないな」
「それでは、タッちゃんさんが羨ましくて、欲しくなるようなハンコを作りましょう(笑)」

ざっと書きながら
「普通は、龍を1匹?を入れるのですが、そうではなく、
龍の要素や関連する雲などを散りばめていく、というのはどうですか」
「そうきたか」
心の中で天才でしょと(笑)
普段なら、才能あるはんこ屋さんでしょなどと口にするのですが、
サンク・カロさんがリスペクトしている方なので、黙っておきました(笑)

彫る段になり、彫っても彫っても、モチーフだらけ、これは辛く、時間がかかります。
通常のモチーフ料金では、時間的に無理。
絶対額が必要なので、象牙と牛角白(オランダ水牛)限定で、特別モチーフ代はプラス8千円。
こんなものがあっても、イイでしょう。
龍印相体と名付けましょう。

高額にして、あまり、注文されたくない作戦です(笑)

そして、とうとう完成、引き渡しました。
さよならとちょっと寂しい感じです。

引き取った後、その日の内に電話が掛かってきました。
「スゴく気に入っているんだが、一匹の龍以外にも色々あって、どんなストーリーがあるのかな?と思って」
「今回は、一匹は龍になっていますが、全体に龍の要素を散りばめたものです」
「龍は、一匹だけでなく、他の龍もいるということだね」
「そうです。」
ストーリーを求められていたのに
うまく説明できませんでした。

心身共に充実している今ならできます。
「龍は上昇運をもたらすモチーフです。龍を構成するモチーフ、関連するモチーフをお名前全体に配置することで、昌運を願っています。色々な場面での龍的展開を期待して」
さて、これが龍印相体です。
ryu印相体100.jpg
タッちゃんさん欲しくなりましたか?(笑)
posted by 一日3本 at 22:34| Comment(2) | TrackBack(0) | はんこ屋さんの裏メニュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年06月22日

こんなシャチハタ欲しかった?2

モチーフ入りのシャチハタ作成は、シンプルな方が良いとわかっていながら
ついつい細かくなってしまいます。

苗字から木を6本書いただけのシャチハタを作ろうと思ったのですが
サイズ9.5ミリ丸を考えると、かなり厳しく、棒6本になってしまいそうです(笑)
ならば、漢字2文字と半分使って「木」を書いてみましょう。
「木」は松がいいでしょう。
ならば「木」という漢字を構成した方がいい気がします。
下に向かって、枝が生えているのは、おかしい気がするし、
竹の葉っぽくしてみますか。
松、竹ときたら、梅も入れたくなってきました(笑)
梅を入れるためには、竹の葉は1枚にしてと。
でもあくまで松であるためには、根元を分かれさせてと。
ぐるぐる頭が回っていきます。

こんな風に結局、シンプルとは、ほど遠いものとなりました。

今回は、お客様用ですから、書いたあと、PC上で、少し修正しました。
なので、版下制作に半日です(苦笑)

左が版下、右がシャチハタとして出来上がったもの

六本木さん.jpg

紙によってにじみは、かなり違います。
版下のクリアさをシャチハタに求めては、いけないと知りつつも。。。。


さて、
ネーム9着せ替えパーツ、クリアホルダーの裏技、
後ろ側の色の着いているへこみのあるところを、ちょっと力を入れて押すと
このように分解できます。
image-20110622215503.png
ということは、下の模様と同じ大きさの台紙を作れば、
オリジナルネーム9用クリアホルダーが作れます。

あくまでも裏技ですので、推奨はしません。
分解して作られる方は、自己責任でお願いします。

今回は、お客様が好きな洋服ブランド風に作ってみました。
これは、公開しません。
きれいな人との秘密です(笑)

モチーフ入りシャチハタ、新しい試みなので、作るの結構楽しいです。
posted by 一日3本 at 21:56| Comment(0) | TrackBack(0) | はんこ屋さんの裏メニュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月26日

こんなシャチハタ欲しかった

引換書や領収証の収入印紙の消印に
押していた自動印、昔のはんこを見本に
周りに龍の模様、真ん中に篆書で東堂となっていました。

倍寸で書いた印稿を元にゴムにしたものを、自動印(本体)に貼り付けてありました。
もう去年から寿命で、ゴムがダメになっていました。
6年以上前に作成したものですから、当然です。
まだ父がいた頃、時間に余裕があったので、自店のためにも凝ったものが、できたのです。
まだ、モチーフを入れたハンコなど彫れない頃、
昔の職人さんは凄いと思いながら書いたものでした。

今は時間がないのですが、お客様が、このはんこ屋さんはどんなはんこを使っているのかと
期待まんまんなので、それに応えるために、凝ったものを使わなければなりません。
お客様が普通のものでは許してくれません(笑)

今度は、シャチハタで作ろうと思いながら、時間が流れ、
お得意様に、印相体でシャチハタを作るついでに、資料無しで、短時間で書いてみました。
資料なしで虎が書け始めた自分がイヤです(笑)

image-20110526225345.png

龍虎、シャチハタ印です。
虎と龍で八方位を網羅しています。
自分として、一発勝負で書いて、そのままシャチハタにしたので、60点くらいなのですが、
お客様には、意外と好評です。

「これ、いくらくらいですか」
「自分用なので、一度書いて完成だったのですが、
 お客様のためとなると、書いたものをスキャナーで読み込んで、修正も加えますから
 どのくらい、時間がかかるかわかりません。
 はんこの彫れる、時給の高い人がそんな作業をして、いいのか(笑)
 まず、一見さんに、いきなり凝ったシャチハタ作ってといわれても受けるかどうか」
「次回は、わたし用に、シャチハタで作りたいと思ったのですが」
「お客様は、今日で2本目の注文ですから、お受けしますよ。
 まあ6千円くらいで、特別に。最低2本は、彫るはんこ注文頂いた方でないとね」

シャチハタ用の印稿は、もうシャチハタ印にする段階で印稿より太くなり、
さらに押してからインクがにじむことも考慮して、細めに書くことが重要です。

シャチハタ用には、いくつかパターンを作ってもいいなと思いつつ、
その時間はいったいどうやって、作るのでしょう(笑)

posted by 一日3本 at 22:55| Comment(0) | TrackBack(0) | はんこ屋さんの裏メニュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2008年05月19日

古文、大篆印相体、小篆印相体

5月17日土曜日に書いたブログが消えています。
アップして、ブログを見るで確認したとき前のページが
最初に出ていて、もう一度アップしようか、
でも出来もいまいちなので、
月曜日にちょっと手直してと思っていました。
なのに、ありません。
篆書について書いたのに。
アップに失敗していたのですね。ふぅ。

なので、幻のブログの続きだけになってしまいました。
はんこ屋さんにおける、篆書の4つのカテゴリーの説明と
大篆(古文)の象形文字に近い書体が印鑑登録できるなら、
文字の一部をモチーフに変えてなぜいけないのかというのが
主な内容です。

kitajima150.jpg

そこで、左、古文の例「北島」さんをざっと模写してみました。
真ん中、その例を参考に大篆(ダイテン)を印相体にしてみました。
右は小篆を印相体にしてみました。

古文にせよ、小篆にせよ、字典を見ればある文字の形を彫るのと
印相体にしてバランスを取るのとでは、
どちらが簡単か、お分かりですね。
篆書は篆書で奥深さはありますが。

とにかく、モチーフ入れよりどれも簡単なので、
大篆印相体、小篆印相体リリースしてみようかな。
あとは、八方位付けられるかが問題ですね。

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2007年10月26日

微笑み印相体

笑った顔に見えるはんこを求めている方は、
意外なほどいらっしゃいます。
上昇印相体は、上向きにカーブさせる事で、
文字によっては、笑っているように感じます(偶然の産物です)

一方ニッコリマークを取り入れた
へのへのもへじのような印鑑では、
目は下カーブで笑顔になりました。

今回のMCさんのご依頼は、上昇印相体とえん印相体の間、
キマシタ笑顔を意識的に彫るチャンスです。
さて、どこに入れられかなと考えているうちにありました。
なんと文字をマタガッテ笑顔になります。
モチーフの小鳥も入れて完成です。

受け取りに来られたMCさん、感激されたようで、
受け取りのあと打ち合わせがあるらしいのですが、
なかなか帰りません。
「いやあ、鳥が木に止まっている」
「気が付きましたか」
「だってここが、笑顔も。本当に私だけのはんこ」
「ニッコリマークの応用で、新しい試み、
 文字をマタガッテ笑顔が上手く彫れてしまいました」

「この印鑑を押す機会を増やそうと、頑張ったら、
 忙しくなって毎日遅くなってしまい、
 昨日は伺えず今日になってしまいました」
「ブログを研究されているので、
 大安の日に受け取りに来られるのかなと思っていました」
「それも考えたのですが、我慢できなくて」

「印影をブログで公開してもいいですか。
 有名な方なのでやめておいた方がいいですか」
「私はそのへんのことは、分からなくて」
「偽造される心配はないですし、
 自分でももう一回は、彫りたくないです(笑)」
「あんまり良いできなので
 私のホームページで紹介してもいいですか」
「いいですよ。ならば印影、公開しても良いですね。
 そういえば、ご注文の時言われた
『この印鑑を見た人が…』この後が思い出せなくて。
最近何かがつながっていないようで、
会話の内容を覚えているのが自慢だったのですが」
「疲れているんですね。寝ていますか。
 私、凄い勢いで注文しましたよね。
 そのはんこを見た人が一日ハッピーでいられるような」

このはんこを見て一日ハッピーでいられますように
hohoe.JPG
これは、微笑み印相体と名付けて、
どんな文字でも彫れるとは限らないので裏メニュー行きです。

普通のはんことデザイン性が高いはんこ、
仕事のバランスが難しいと歎くと
「いつか、こっち(ご自分の印鑑を指し)
 一本でやっていこうと決断する時がくると思いますよ」と
予言めいたお言葉を残していかれました。

もう一つ残されたものは「ブログを読んでいますので、これを」
やった〜手土産だ。
ということで次回、『MCさんからの手土産』に続く。

一人でブログ3つ、
1試合が何話にもマタガル、スポーツ漫画のよう(笑)

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2007年08月01日

ハート印相体

最近、モチーフ入りと言ってよいのか、
なんだかわからない印鑑を彫りました。

ご結婚を機に実印を作りに来た方が、三代目オリジナル書体、
えん印相体で、ご注文頂きました。

かわいい人でしたので、だらだらと、
「変わった印鑑も彫れるんですよ。
 でもそんなことしてたら、忙しく」などといいながら、
以前にお彫りした印影を見せていると
「これかわいい」ダブルハートを指しています。
「スゴイ自信作なのに、これ以降注文ないんですよ(笑)
 でも実印にこれを入れてしまうと、
 印鑑登録できなくなる可能性があるので、
 止めておいた方がいいですよ」

「私、ハートがとても好きなんですよ。
 もう一つとてもかわいいのがあったな。これ」
「お見事。藤の家門をアレンジしてハートをちりばめたもの。
 本当にハートが好きなんですね。
 でも苗字に藤がつかないからこれもちょっと」
「旧姓ならついたのに」

「そうだ。口の部分をハートにしてあげますよ。
 そのくらいなら実印としても大丈夫でしょう」

混んでいますので、ご注文頂いてから、
実際にお彫りするまでに時間が空きます。
すると、自分がしゃべったことを、時々忘れます(笑)

ハートが好きなことが印象深く、
『口』では位置的に完全なハートの形ができず
『奈』の文字の一部でハートができました。
heart.JPG

いやー可愛くできちゃったなと思いましたが、
実印だったことに気付き(青)、印鑑登録大丈夫なの。
でもお客様がハート好きなので、
この印鑑で粘っても印鑑登録するはずです。

残念ながら、お渡しの時に、他のお客様との接客中のため、
直接お渡しできませんでした。
喜んでいたとだけ聞いています。
「彫るの大変だったんだから」と恩をきせるのが趣味なのに(笑)

この印鑑、えん印相体というよりハート印相体、
どんな文字でもできるかどうか、まだわかりませんので、
裏メニュー行きです。

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2007年07月05日

かまえであ〜る

最近彫った印鑑の中で、
新しい感じ彫れたと気に入ったものがあります。
それがこれです。
KR.JPG

1.何、はんこ屋さん、モチーフ何も入ってないけど。
  そんな風にお思いの人は、
  まだまだ「しぶちか」はんこ屋初心者です。

2.角張っているから構(かまえ)印相体でしょ。
  ここまでくれば、中級者です。

3.直線で構成される構印相体なのに、
  所々に曲線がある。ここまで分かれば、
  「しぶちか」はんこ屋上級者。
  何かプレゼントしたいくらいです(笑)

構印相体はデザイナーさんに人気で、
ご注文頂く7割くらいの方が、デザイン関係のお仕事の方です。
デザインの仕事を続けていると、
シンプルな美しさに引かれていく傾向があるようです。

しかし、今回ご注文頂いたのは、高齢な女性の方で、
構印相体が好みだけれど、女性らしさも出したいと言う、
わがままを聞いた結果です(笑)
それぞれの文字の下の方に曲線を入れ、
しかも上向きにしてあります。

当店でご注文頂く印鑑は、どれも世界で一つだけのはんこです。
それは、どんな書体であっても、そうなのですが、
お客様自身により世界で一つだけの印鑑と実感して頂くように、
オリジナル書体やモチーフ入れがあるんですね。

しかし彫っている本人は、大変になる一方ですが(苦笑)
毎日毎日一生懸命彫っているのに、
朝より帰る時の方が
彫らなければならないはんこが増えているなんて、ふぅ。

ついでなので、悩んでいた猿入りも完成したので公開。
saru.JPG


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2007年04月19日

物々交換のはんこ

<お客様が育てるはんこ屋2>
バーキンさんからは、
名刺やゴム印をいくつもご注文頂いています。
そして、いつも代金とは別に手土産持参で現れます。

今年、バーキンさんから年賀状を頂き、
その返信に非売品の落款風ゴム印を
プレゼントしようと思いました。
いつもの手土産と、それにも増して日本にいる貴重なお時間を
はんこ屋のおしゃべりに付き合ってくれる
感謝の気持ちを込めてです。
お金では手に入らない物というのがテーマです。

バーキンさんの好みが分かってきて、
シンプルでかつ細かく複雑な物が好きなのです。
言葉にしてしまうと矛盾しているようですが、
例えば文字はシンプルに回りの模様は細かく複雑にという様に
矛盾しないのです。

年賀状の返事をと思ったのですから、
当然1月、今は4月、やっと先日お渡ししました。
しかも返信では、なく手渡しになってしまいました。
ものすごいのんびり屋です(笑)

まず最初は苗字と龍と鳳凰を入れたものと考えました。
バーキンさんへのお礼なので、
苗字ではなく名前でと考え直しました。

バーキンさんは鳳凰のイメージなので、
鳳凰で丸くし、中にお名前の1文字を入れようと思いましたが、
適した鳳凰のカットがありません。
2羽の鳳凰が向き合っているカットがあり、
これをお手本にして、四角は、作れそうです。

2月、友人との待ち合わせにまだ時間があり、
新宿サブナードでたまたましていた古本市を覗いてみました。
昭和に発行している雑誌に「李朝の民画特集」というのがあり、
何だろうと見てみると、文字の一部が絵になっているのです。
文字の点が鯉になっていたりします。

文字の点を桜の花びらにしたはんこを彫ったことがありますが、
それに通じるところがあります。
10ページくらいの特集は、とても興味深いものでしたが、
他のページには興味がなく、その雑誌は買いませんでした。
後日、李朝の民画の本を探しても、
あのような文字と絵が組み合わせてあるものが、見付からず、
買わなかったことを後悔しています。

それを見た影響か、
サンクカロさんにプレゼントしたゴム印は
龍で「口」を表すことに成功しました。
ならば、鳳凰で漢字一文字を表すことができるに違いないと
試行錯誤。
何度も書いてやっと納得いくものになりました。
しかし、もっと小さいものと考えていたのですが、
小さくは書けず、12ミリ角で精一杯。
更に1度ゴム印にすると、中が潰れて、再度手直しして完成。

これが完成品。なんの字を表しているか、わかりますか?
ka.JPG
バーキンさんにも、気に入って頂けたようです。
「商品化は」との問いには
これを金額にすると30万円と、
当店の不思議なはんこを手にした人へのきまりで
答えておきました。
さらに、ゴム印と考えるとべらぼうに高いけれど
ロゴデザインと考えれば妥当でしょうともっともらしく
オドシときました(笑)
バーキンさんは、ご好意で、
お友達からの注文を本当にとってきそうなので。

今回のテーマは、お金で手に入らない物なのですが
非売品というより
バーキンさんが次にどんなものを注文しようかと考える時間、
はんこ屋のための手土産を選ぶ時間、
はんこ屋のおしゃべりの付き合う時間と
はんこ屋がはんこを制作する時間との物々交換なのです。

いや、それにしても、
この独創的なはんこ、自分の才能がコワイ(笑)
お客様への感謝の気持ちが形になった良い例です。

でも、当店は街に昔からあるはんこ屋です。

今年で50周年のはんこのお店の地図、印鑑のインターネット通販は東堂印章公式サイトへバナー かわいい英樹1g.gif

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2007年03月27日

オプション指定

いいことを思いつきました。
印相体で、オプション指定できるようにするんです。
 
オプションという考え方が登場した歴史は、
あいにくわかりませんが
パッケージ旅行に行った時など、
オプショナル・ツアーとかありますし、
子供用のパジャマ、エキストラベットなどは、
ホテルの無料オプションだったりします。
携帯電話の世界でも、
いつの間にか卓上充電器がオプションで別途料金となりました。

様々な世界にあるオプション、和訳では「選択可能物」。
自分なりに、カスタマイズできるわけです。
もちろん、無料オプションの方がうれしいですが(笑)

思いついたきっかけは、
ご来店されたお客様に見せて頂いた印鑑。
ひとつは、行書、もうひとつは、印相体系ですが、独特です。
「押さなくても、ケースと印材を見た時から
良い印鑑とわかります。
 こんなアメ色のオランダ水牛うちだけでなく、
使っているところがあるんですね」
「今度結婚で、苗字が変わるので、
このはんこと同じ感じで作りたいと思っていて
 はんこ屋さん探していたんですが、
たまたま通りかかったら、手彫りと書いてあって
 実際に彫っていらっしゃるので」

印鑑を見せて頂くと
「行書もうまいし、それよりこの独特な書体、
 きっとこの職人さんオリジナルですね。
 ちょっと男性的なのが気になりますが。
 いつごろ、どこで作ったのでしょう」
「15年前に父が福井出身なので、
 父の実家の近くの福井のはんこ屋さんで作ったと
 聞いています」
「まだ現役なのかな、この人が彫った他の印鑑も見てみたいな。
 ところで新しい苗字は」

「(新しい苗字は旧姓より)かなり画数があって、
 似た感じといってもかなり変わりますね」と
新しい苗字でざっと書いてみると、
「下が広がっているんですね。面白いな」
「末広がりに彫ってあると言われました」
「そうか、末広がりか。新しい書体のアイデアを頂きました。
 では一生懸命前の職人さんに勝る気持ちでお彫りします」

お渡しの時、
「行書も普通は枠に付けないのですが、
 付けてありましたので新しい印鑑も付けておきました。
 もうひとつは、やはり画数が違うので、
 どうしても違う感じですが
 前の印鑑を踏襲し、自分なりに末広がりを表現できたと
 思います。
『瀬』の真ん中が東京タワーのように見えませんか。
 そこは少し丸くして女性らしさを出してみたんです。
 全体的に切り文字みたいですね」
「気に入りました。大切に使います」
「本当に勉強になりました。ありがとございます」

(テールランプはMさん福井にいいはんこ屋、
 あるかも知れませんよ。
 でも場所や屋号、現在も営業しているかどうかは、
 わかりませんでした)

この印鑑をお彫りしたことで、腕が上がり(笑)
ネットからご注文頂いていた実印のご注文に早速応用。
姓名の一番最後の一字だけ、下の方を広げ、
末広がりにしました。
1文字だけ末広がりにしていますが、
全体の調和を考えてお彫りしているので、
ご本人しかわからない、言わなければ気付かない秘密です(笑)

印相体末広(いんそうたいすえひろ)
一番下の一字だけ末広がりする印相体です。
ブログを読んで気付いた人だけ
とりあえず受け付けます。

すえひろ.JPG
@印相体 A末広の形

もちろんこれは無料オプション。
子供用パジャマと一緒です(笑)

もういくつか、思いついたら、
印相体オプションとして正式デビューしたいですね。

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2007年02月07日

シークレット書体

「三回忌と三十三回忌」というタイトルのブログでふれた
初代の独特の書体。 
その時は、篆古印体でアレンジを加えてものと書きましたが
間違っていました。

初代の丸に7文字彫ってある印鑑と同じ雰囲気で
まったく別の印鑑(漢字も違う)、
姓名の実印と事務所の角印のご注文です。
書体がある訳ではありませんから、その7文字を分析して
文字の特徴を捉え、彫るわけです。

すると、古印体の要素が
まったく入っていないのがわかりました。
篆書で太い細いがあるので、
瞬間的に初代得意の篆古印体と思いましたが
細くなっているのは、基本は先っぽだけと気付き、
これはあくまでも篆書体のアレンジでした。
そして、篆書を印相体のように枠いっぱいに八方位につけ、
文字の□を○にし、
いくつか上にはねるアレンジを加えてありました。

他のお客様で
「(印相体ではなく)一文字一文字が読めるようになっていて
 枠いっぱいについているはんこを昔、彫ってもらった」
といわれていたのを思い出しました。
印影を見せていただきませんでしたが、
きっと同じ感じでしょう。

とにかく、1文字ずつ、文字のデザインを考えて、
印稿を書くわけですから時間もかかります。
ものすごく久しぶりに印稿書きで手に力が入りすぎ、
書き終わると手が痛くなりました。

その使用用途から、小さめなサイズのご注文でしたが
大きく彫りたかったです。
とにかく『おじいちゃんご先祖様』の
偉大さを感じることのできたご注文でした。

受け取りの際、印鑑の出来にご納得頂き
「また別の個人印を頼んで良いですか」と聞かれました。
確かうちは、はんこ屋さん、
お客さんがはんこ注文するのに
なんでお伺いをたってているのでしょう(笑)

「今度は是非奥様の印鑑を。お名前は?」
聞いた途端にざっと書き始めると
「なにかイメージが湧き出てくるんですか」
「今、この新しい書体が自分の中でブームなので、
 どんどん書いてみたくなるんです。
 でも、実際に彫るには、じっくり考える必要があって、
 時間的にきついんですけど」

初代は、自分の中にあるものを彫ったので、
きっとそれほど時間がかからなかったと思います。
しかし、三代目は、自分の中にはまだないものを
考え考え印稿を書き彫るので、時間がかかって当然。
よく、初代のオリジナル書体を復活させられたものです。

この書体、どうしても今の印鑑の書体のいい方をするなら
印相篆書体とでも呼べばいいのでしょか。
この書体には30年以上の時をへても、
お客様を呼び寄せる力があることがわかったのですから
縁起がとても良い印鑑です。

これは、もう普通料金では無理です。
プレミア書体にしようかな。
そうだシークレット書体にしよう。
なんでもシークレットは、射幸心をあおり
コレックター心をくすぐるもんな。
でも、東堂印章印鑑コレクターはいないか(笑)

とういことで、今回は書体を公開しません。
書体名は決めています。
おじいちゃんの名前をとって『YOSHIO』です。

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2007年01月31日

アルファベットの個人印1

外国人さんが印鑑を作る場合、カタカナにするか
アルファベットにするかよく迷われます。

銀行や外国人登録(実印)ではどちらでも問題ないようです。
さらに、ファーストネームでもファミリーネームでも
フルネーム大丈夫です。
またフルネーム場合、ファーストネームとファミリーどちらが先でも
ハンコでは問題ないようです
(銀行、市区町村によって印鑑の規定が多少違いがありますので、
 ハンコを作る前に実際に使用する所に規定を確認した方が安全です)

ハンコは彫る文字数によって値段を変えるところが多いので、
アルファベットは文字数が多くなり値段が高くなる場合が多いです。
当店では外国人さんのハンコの場合、
カタカナでもアルファベットでも3文字までは銀行印料金、
それ以上は実印料金としています。

カタカナが良いか、アルファベットが良いかと聞かれた場合
「絶対カタカナの方が良いです。
 アルファベットでは、ハンコとして面白くないです。
 篆書はゴジック体のよう、
 楷書はCenturyのよう、
 古印体は太い細いがあって独特ですが
 文字が多いとその特徴が出せません。
 どの書体にしてもカタカナの方がまとまります」
そして
「大切な印鑑にするならばカタカナで印相体が
 デザイン文字で手彫りの良さが出ます」
この様に説明して、ざっとカタカナで印相体で書くと
たいていカタカナでご注文になります。

先週、仲良しの行政書士さんからのご紹介で、
外国人の方の個人印をご夫婦でご注文頂きました。
実際に何度か使うものの、お土産的要素が強いので、
本人達も読めるアルファベットにしたいそうで、
更にサインと同じ様に先頭だけ大文字で後は小文字です。

「もちろん彫れますが、上下に空間ができてしまいますが」
「別にいいですよ。プロにお任せします」
「途中で切って2行にしても良いですか」
「それはちょっと」
「そうですよね。ではお任せということで」

アルファベットの会社名の角印が印相体で上手に彫れて、
個人の印鑑が上手に彫れないわけありません(笑)
これからますます増えるであろう
アルファベットの個人印への挑戦のしどきです。
一年前なら少し自信がありませんでしたが、
今は自信たっぷり増量中、自分の成長をはかる目安にもなります。

そして出来上がったのがこれです。
マイケル.JPGテレサ.JPG
MichaelさんとTheresaさんです。
男気くんもモダンな感じですねと誉めてくれました。
上手に彫れたので、
ネットでの公開をお願いしたところ快諾してくれました。

しかし上手に彫れて当たり前。
一日かかってこの本柘2本しか彫れませんでしたので(笑)

というのもまずTheresaさんから取り組んでみたのですが、
古印体で書いてみるとやはり太い細いがうまく出せずダメ、
次に楷書というかCenturyぽく書いて空間を少しでも埋めようと
縦長に書いてもバランス悪くダメ。
次にゴジック系というか印相体で書いてみるとまあまあ。
下の空間が気になるので”r”だけ下に伸ばした方が良いかと考え中のまま、

今度はMichaelさんに挑戦。
円の下のラインに付けて印相体風に書くといいじゃないですか。
そうだ。下のラインに付ければ落ち着いて
良いデザインになるんだとやっとたどりつき、
Theresaさんも書き直しやっと印稿完成。

Theresaさん1本に対して印稿4回書いてますから時間もかかりました。
更に下の枠にたくさんついているので仕上げにも時間がかかり、
偽造できない難しさを感じたました。
しかし結局一日2本では採算点に達しません(笑)
次は、多少のスピードアップも期待できますが、難しいので
これは裏メニュー行きに決定です。
やはり外国人の方にはカタカナがオススメです(笑)

この書体は八方位には付けれないので、印相体とは言えませんし、
なんと名付けましょう。
地面から色々な木が生えている森のイメージでフォレスト。
これでは本柘ばかりの注文になりそうです(笑)
地面に足をつけては、英語にするとなんでしょうか。
スタンディング オン ザ グランド英語力が…
丸の上の部分の空間を空に見立てルック アップ ザ スカイはどうでしょう。
などと楽しく想像していましたが、ふと気付いてしまいました。

”g””y”のような下に長い字があった場合どうしましょう。
注文があってから考えます(笑)

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2006年09月29日

『松』さんいらっしゃい

最近新しいはんこの裏メニューの作り
(新しい書体、文字作り)をサボっているなと思いのみなさん、
ご安心下さい。ちゃんと変わったはんこも作り続けています。

9月に入ってすぐに印鑑ケースを買い求められたお客さまに、
和柄のはんこをススメたところ、あっさりとご注文。
ただし「スペシャルはんこお願いします」と言われ、
言うのは簡単だけど、作るのは大変なんだよ。
それもイチゲンさんにと思いつつ、
はんこの受け取りまでに時間を頂けるのでやってみることにしました。

和柄の桔梗の印鑑なので、桔梗を入れてみるかとも思いましたが、
桔梗の形がよくわかりませんし、あまり一般的ではありません。
お名前は松井さん、そうだ松のカットは一般的だと思いつきました。
『ハ』の所を松のカットにするとのはどうだろう。
ひらめけがこちらのもの、印稿は何度も書き直しましたが、
彫るのは一回で彫れました。
それがこれです。
スペシャル松.JPG

上手だな〜一応回りの人達にと読めるか確認してOK。

あんまり上手に彫れたので、店頭に来たお客さまに自慢していました。
そして昨日ご注文主が受け取りに来て、
この印影をblogに載せる許可をもらいました。

「あまりにかわいいできでビックリしました」と呆然としていました。
はんこ屋の実力を知らずにスペシャルなはんこなどと言ったからです(笑)
「またお願いします」と深々とお辞儀をして帰っていかれました。

松の付くお名前はたくさんあります。
松浦、松岡、松木、松坂、松崎、松澤、松下、松島、松田、
松野、松原、松村、松本、まだまだたくさんあります。
また小松、平松など下に松がつく方もいっぱいいます。
『松』のつく方大歓迎です。

ご注文しやすいように「『スペシャル松』のはんこお願いします」と
指示いただければ彫りますよ。
今回彫ったように千鳥というナナメでも普通に縦でも彫れます。

『松』さん来ないかな。
スペシャル松、彫りたいな〜。待ってます。

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2006年08月03日

読める印相体

仕事用にみとめ印を、わざわざご注文頂く方は
その印鑑を、運の好転のきっかけにしたいと
思われている方が多いです。

仕事印(認印)は、印鑑を押す枠があり、
署名せず捺印だけという場合もありますので
印影は誰にも読めた方がいいです。

となると、古印体が一番読みやすく、印鑑らしく、
手彫りでは、全体的印象としては文字が太いものの
細い部分もあり、味わい深い書体です。

しかし、開運を臨んでいるお客様に対して
できるだけにことをしてあげたいと思っているので
やはり認印であっても印相体にしたいです。

そこで本来、篆書体が元になっている印相体を
読みやすく、普段書いているような字の形で
彫ってみたところ、お客様に好評です。
機械彫りでは、書体としてないので出来ませんから。

上が印相体の「佐」
佐印相体.JPG
下は読めるようにした印相体の「佐」

書体名はベタで「読める印相体」仮称です(笑)

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2006年07月12日

ギターと四つ葉のクローバー

<もしかしてスゴイかも知れない>
ブログで以前書いたように、サンク・カロさんの為に、
上昇印相体の中に5つのタイルをおいた銀行印を彫りました。
我ながら傑作で、
サンク・カロにも気に入って頂いたのは、とても良いのですが、
翌日にもう1本銀行印が欲しいと言われました。

「そんな銀行印は1本でいいじゃないですか」
「銀行によって分けたほうがより安全じゃないですか」
「まあそうですけど本気ですか」
「お願いしますよ」

自分の中でサンク・カロさんのはんこは完結しているので
なかなか彫る気になりません。

それから1ヶ月間モチーフ探しです。
ギタリストのサンク・カロさんには、
やはりギターをモチーフにしたらと何となく決まったものの、
まだ彫りません。

そしてとうとうサンク・カロさんの奥様のタッチャンさんから
銀行での手続きがありますので、
いつできますかとの問い合わせメールがありました。
印鑑は実用品なのでごもっともです。
「明日にはお渡しできます」
とそば屋の出前のような返事をしました。

そして完成したのが、これです。
ギター.JPG

「口」をサンク・カロさんの持っていたピックの形を意識し、
中にギターを入れました。
自分でもこんな印鑑欲しいと思ったのは初めてです。

サンクカロさんに渡すと
「これ僕のギターじゃないですか」
「レスポールの写真を見ながら彫りました」
「コレクションしたくなるな」
「そういうものじゃありませんので(笑)」
「友達にストラト持っているのがいて、見せたら欲しがるな。
 でもダメでしょ(笑)」

隣のvodafoneショップの携帯ちゃんブラックさんが
「はんこ欲しいんですけど」
「どんなはんこ?」
「はんこ屋さんが回覧板で押してるような、何が書いてあるか
 わかるような、わからないようなの」
「何に使うの」
「ここの仕事で」
「本当に欲しいの」
「ホントですよ。大至急で」
ブラックさんには、色々教わっているので、いやとは言えません。

書体は、小篆で、レイアウトは千鳥といってナナメに入れました。
ちょっと空間があります。
げっ、その時思い出してしまいました。
ブラックさんの日記で四つ葉のクローバを見つけた話を。
その時コメントで、クローバーをモチーフにしたら
面白いと書いてしまっていたんです。

フォリフォリの四つ葉のクローバーのリングの写真を見て
空いた空間に四つ葉のクローバーを入れました。

男気くんがお休みで自慢する相手がいないので、
タッチャンさんに出来上がった印鑑を見せました。
「今度は四つ葉のクローバー入れちゃいましたよ」
「かわいい。これ絶対いい。
 また、かわいいおねえちゃんのために彫ったんでしょ」
「そうですよ。vodafoneショップの子のです」
なんで、かわいいおねえちゃんのためと出てくるのかと
思いましたが、タッチャンさんにはブログを読んでくれて
文才があると誉められたことがありました。

妹のsunちゃんがサンク・カロさんに頼んだ時計を取りに来ました。
その時、ギターの入った印影を見せました。
「sunちゃんの時計が人質になっていたから、彫ったよ」
「こんな、はんこありなんだ。かわいい」

タッチャンさんが帰る時、
「私は辰年で、子供にも「龍」がついて、
 最近になって龍を意識していて、
 龍のペンダントもつけているの。
 はんこに、龍が入っていたらいいなと思って」
「龍が彫ってあるはんこ、昔はありましたよ」
「じゃあ、はんこ屋さんお願いしようかな」
「そんな次々のはんこ頼むことないですよ」
「この仕事を始めて、今年で10年。
とにかくがむしゃらに走り続けてきて、
銀行印なんて、三文判でいいやとしていたのを、
ふと立ち止まり、こんなはんこでいいのかなと思ったの。
そう考えれる余裕が出来たということかも知れないけど、
新たのスタートとして、まず銀行印を換えて
今年中に会社組織にしたいと思っているの」
美人のタッチャンさんにいい話を聞かされて、
龍のはんこを彫るように追い込まれている気がします。

しかし今度は、人質はいないと思っていましたら、
今度はsunちゃんの旦那が、
サンク・カロさんで時計頼むかも知れないと言ってました。
「龍」彫れるの?

繊細に彫ることの出来る職人さんは他にもいても、
ギターや四つ葉のクローバーを入れると思いついて
実際に彫る職人さんは、まずいないだろうと思うのです。

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2006年02月10日

はんこ屋さんの裏メニュー5

通常の書体ではない、オリジナルの書体で彫れることが、
機械彫店と差別化を図る上で重要です。

お客様に見せて頂いたはんこは、
文字というよりロゴマークのようなデザイン文字で
知らない職人さんが彫ったものでした。
デザイン的には、とても面白く良いはんことは思いますが、
ここまで崩してデザインしていいのかな。
もしこのデザインを生かして、自分が彫るならば、
全体的に太くすれば、印相体になるかな。
「口」を「○」にしているのは、いいな、今度試してみよう。

あっそれだ。円、曲線を意識した印相体で印稿を書いてみよう。
縦に3文字なので、丸ではなく楕円になりますが、
曲線を意識して書くとまた上昇印相体とも違っていい感じです。

印稿を書いている時に
しぶちかのディスカウント・ダンスブティックの広島くんが、
「何、楽しそうに似顔絵書いているんじゃ」
「似顔絵じゃなくて新しい書体思いついたからうれしくて」
「なんか漫画ぽいの」
「これをはんこにすると新しい感じで良くなるんだよ」
「じゃまたブログに書くんかい」
「書こうかな(広島くんもブログの読者なんだ)」

実際、彫ってみると今回彫った上昇印相体、
構印相体と比べても一番良いできかも知れません。
構印相体が直線を意識したのと対に、
曲線を意識したこの書体はアール印相体と名付けましょう。

実際に彫った印影を比べて見せればわかりやすいのですが
個人情報なので、そうもいかず
最近知り合いになった3文字で珍しい名前の
「辻垣内(ツジガイト)」をアール印相体でざっと書いてみました。
アール印相体.JPG

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2006年02月09日

はんこ屋さんの裏メニュー4

<アール印相体:前編>
通常の書体見本にない書体で彫ることが、
はんこ屋さんにとっての裏メニューです。

とても珍しい3文字の名字の方から認印を3名様分注文頂きました。
実は1年くらい前に既に2名様分のご注文頂いた方です。
ご希望は印相印。
同じ苗字で5種類の印相体という事になります。
となると、ちょっと問題です。
手彫りなので、普通に同じ書体で彫っても、
すべて違うのですが、親族で使うので、
すぐに違いがわかった方が、良いと思うわけです。

3文字で画数が多くなければ、
あまり問題なく違いが一般の人にも分かるのですが…
以前彫ったのは印相体で、字の形を変えたもので2種類。
今回は1本は上昇印相体、1本は構印相体、
残り1本どうするか決めかねていました。

結構時間をいただいていたのですが、
お渡し予定前日まで、彫らずにいました。

「お客様に昔のはんこがあったら、
勉強になるので見せて下さい」とよく言います。
実印をご注文頂いた別のお客様が、昔のはんこを持ってきてくれました。

明日につづく。

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