2016年10月04日

ハンコをキレイに押すのに裏ワザ無し

テレビ局からの電話取材で、ハンコをキレイ押す裏ワザについて聞かれました。
それは聞いたことのない方法でしたが、ハンコをキレイ押す裏ワザなど無く、キレイに押すためには3つの要素があり、その3つがあって初めてキレイに押せると講義しておきました(笑)

まず、ハンコ自体の印面が平らであること。
手で彫る場合は何度も表面をヤスリなどでこすり、平らにするのですが、機械彫りの人達には、その平らにする知識のない場合がありハンコ自体の印面が平らでなければ、キレイに押せません。
100円ショップのハンコは彫らずに型に樹脂を流し込んで作っている場合が多いので、印面が平らでありません。

次に、ちゃんとした朱肉を使うこと。
100円ショップの朱肉はインクの量も少なく、貼ってある布の目が粗いためにキレイに押せません。また、ケースの中の小さな朱肉を使っても、ギュッと押し付けて使うしかないため、キレイに押せません。

3番目に押し方です。
まず印章の後ろを人差し指の第3関節あたりにつけて持つ。
朱肉は5回くらい軽く叩くようにつける。この時、印面と朱肉が水平に接することを意識する。
印マットの上に置いた紙に印章を水平に接してから、丸く押し込む。

印マットは、うちではシャチハタ製の小さなもので(399円)を使っています。
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100円ショップの印マットでは、固くて押しづらいです。

裏ワザを聞かれたのは、2度目ですが、どちらも印マット代わりをどうするかという程度。

朱肉を付けてハンコを押す場合は、朱肉、印マットと環境を整えて、もう一度押して良いか考えてから押しましょう。

厳しいはんこ屋さんより(笑)

posted by 一日3本 at 14:23| はんこ屋職人養成講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年10月12日

印相体と吉相体

印材屋さん
「一般的に東京のハンコ屋さんには、印相は無いんですよ」
「えっ、印相体で彫るよね」
「あれは、印相体ではなく、吉相体(きっそうたい)です」
「違うの?知らなかったよ」

はんこ屋になって19年、いまだに、知らないことに出合います。
印相体なのに、なぜ八方位の枠に接しない、文字的に難しいわけでもないのにと
他で彫ったはんこを見て、思うことがよくあります。
そうか、印相体でなく吉相体なので、ちゃんと枠につけていなかったのかと思い当たりました。

印材屋さんに印相体と吉相体の違いについて、聞いてみました。
「昔、山梨から印相印がやってきた時、良いところと悪徳商売が混在していて
 東京のはんこ屋さん達は、毛嫌いしたわけです。それで印相を否定しました」

「印相体と吉相体、どこが違うの?
 否定しておいて、ほとんど同じに見えるけど」
「印相体は八方位からくるじゃないですか。
 吉相体には、それはありません。
 あくまでも書体のひとつです。印相学にのっとていないのが吉相体です」

なにか、この説明を聞くと、否定した印相印が流行ってしまい、
その文字の形の部分だけとったのが吉相体と思えます。
ならば、吉相体というネーミングは、どうでしょうか?
印相を想起させるような吉相、誰がつけたの存知上げませんが、大きなマークです。

小篆をベースにした細目の吉相体、あまりオリジナリティを感じませんでしたが、
もっともらしい書体名をつけているサイトを以前見たことがあります。
あれは、吉相体なので、八方位関係なし、デザイン追究形なんですね。
まあ、印相体といっても、八方位を意識しない所が、たくさんあるようですが。

それにしても、当店は、東京の渋谷で、間違えなく54年以上営業している、はんこ屋です。
どうして、印相派なのでしょうか?
祖父や父の時には、忙しい時は、日本印相会に下請けを
お願いしていた時期もあるようなのです(はっきり確認はできません)
父が吉相体と呼んでいるところを聞いた記憶がありません。
もう、わからない謎です。

吉相体を彫るくらいなら、
ちゃんと八方位を意識して印相体にした方が絶対良いです。
そして、このはんこを使う人のことを想いながら彫れば、真の印相体の出来上がりです。

しまった。笑いなしのブログだ。
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2011年10月06日

章法基本28法

章法という言葉をご存知ですか。
印章の布字の仕方、文字を印面にいかに配置して構成するか、
平たくいえば、印鑑のデザイン法です。

その前に字法といって、どの時代の篆書を選ぶかがあります。
篆刻や印章組合のコンテストでは、同じ時代の篆書を選ぶことが重要とされていますが、
コンテストに出すわけではありませんので、
同じ時代より文字同士の相性を時代に関係なく選択したり、
逆に1文字だけ違う時代の文字を選ぶことにより、
アクセントになり良くなることもあると考えています。
また、どの字を選ぶかとレイアウトは一体化したもので、別に考えることなどできない。
これが、しぶちかはんこ屋の姿勢です。


Bookoffのアート・芸術コーナーには、よく行きます。
デザイン、モチーフの資料になりそうな本が千円以下なら、迷わず購入するようにしています。

先日、芸術新潮が300円に値下がりしていました。
その中に、ひらがなの特集号があり、ひらがなの名前のお客様、多いからねと購入を決めます。
それにしても、ひらがなの書、こんなに文字に大小があり、真っ直ぐに並んでいないのに、
全体としてのバランスは、素晴らしい。こんなイキに到達できるのでしょうか。

他にないかなと見た時に、出合ってしまいました。
篆刻の鑑賞と実践、墨の臨時別冊です。
ただ篆刻の仕方が書いてあるだけかなと思い、開いてのですが
章法解説ページが数ページあり、これは勉強になる。
値段を見ると1100円、予算オーバーだ(笑)
でも、章法のことのわかりやすく書いてある本を目にした初めてですし、
その本に載っている篆刻作品の印影に、いくつも、スゴイなと思うものがあります。
もう、買います。
ちらっと見た時に目に入ったのは増減法。
篆書の増減法につぃては、このブログでも確か触れました。

そう思うと、自分で一生懸命、はんこを彫っているうちに、ある章法にたどり着き、
これって有りなのかと思った時には、はんこ屋さんの先輩に意見を聞いたり、教えてもらったり
してきたわけです。

でも、この本を読んでしまうと、それだけで、気付いてしまうことになり、
それは正しいことなのか。
高校時代、教科書ガイドを買い、それを暗記したので、点数は取れたものの、
実となっていません。

まあ、せっかく購入しましたので、タイトルだけ列挙してみましょう。
1.均布法
2.増減法
3.屈伸法
4.文字部位移動法
5.挪讓(だじょう)法
6.疎密法
7.朱白相間法
8.穿挿(せんそう)避讓法
9.留空呼応法
10.空間強調法
11.軽重(細太)法
12.方円法
13.敧正(きせい)法
14.俯仰・向背法
15.印文大小法
16.筆画長短法
17.離合法
18.変化字形法
19.肥画法
20.重文省略法
21.印文併合法
22.借換法
23.印辺処理法
24.界格法
25.残欠法
26.印文排(配)列法
27.印形(式)相応法
28.気、勢、情、韻

タイトルだけで、もしかして、こんなことかな、それならば、もう既に知っていてと
想像が広がって楽しいです。
基本的に篆刻、篆書の技法ですが、印相体にして、実印や銀行印にも応用できます。

このブログを書くために、この本を持ち歩いている時に
得意先さんに見つかり
「勉強のための篆刻の本です。
 デザインやモチーフの資料となると思ったら、直ぐに買うんです。
 Bookoffですけど(笑)」
「へぇ、意外です。もう頂点にいるから勉強なんてと思っていました」
「今、現役のはんこ職人さんの中では、トップグループにいて、
 他のはんこ屋さんのことは、参考になりませんけど、
 昔のはんこ職人さんの中には、ホントにスゴイなと思う人がいて
 自分なんてまだまだと思います。
 さらに、一般的なデザインと考えると、スゴイ人はいっぱいいて、
 やはり、自分なんてまだまだと思います。
 なんか大きい人でしょ(笑)」
「独自の道ですね」
posted by 一日3本 at 12:50| Comment(0) | TrackBack(0) | はんこ屋職人養成講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月11日

東京のTで抜き打ち調査

ハンコ屋さん向けの業界誌、現代印章新春号(2011年)に、
東京のT地区で実施した抜き打ち調査の結果が載っていました。
(昨日、整理していてやっとその記事に気付きました。
 今年に入っていかに自分に時間がなかったかわかります(苦笑))

大学を卒業する男子学生が、珍しい姓なので、
そのお店で、一番安い認印を作るという設定です。
8店の調査を行い、うち4店が印章組合加盟店です。

業界誌は、接客の仕方中心の記事で、
出来上がった印影については、前回同様コメント無しです。

おせっかいなので、印影審査しますと、
合格は1店だけで、都内に他の支店もある印章組合加盟のD店です。
雑誌での評価も高かったです。
普通レベルの印影です。
他のハンコ屋さんが酷すぎます。
FC店は、ともかく、印章組合加盟店で、素人が作るようなはんこでは。。。。

今回は『八鳥』の認印で柘小判で古印体のお店が多いのです。
古印体の基本は4隅を枠に接すると思っているのですが、
それが出来てているのが、1店だけ。
印章組合加盟2店は『鳥』の字の下2箇所だけ枠に接し、
『八』はまったく枠に付いていません。
もう1店の加盟店は、なぜか楷書で「鳥」の左下1箇所だけ枠についています。
楷書ならば枠にまったくつけないか、「八」も一箇所つけたらどうでしょうか。
FC店も同じようです。

古印体で、片側の字だけ、枠に接するなんてありえないと思うのですが、
FC店でも同じことが起きていますので、機械彫りだとそうなってしまうのでしょうか?
でも、既成の認印でも、ほとんど、4隅は枠についていますが。

image-20110511115641.png
既成の小判でも「八」上が2箇所枠についているのが、わかりますか。

なぜ、基本の基本もできていない、しっかり、印章組合加盟店(苦笑)

名古屋、栄の調査では、とても上手だなと感じる印影のお店が1店ありましたが
今回はなく、残念です。

posted by 一日3本 at 08:52| Comment(0) | TrackBack(0) | はんこ屋職人養成講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月02日

銀行登録印なのに引き出せない

お客様から聞いた話です。
キャッシュカードが入ったお財布を無くしてしまい、
でも、通帳とハンコは有り、銀行窓口に行き、2度は問題なく、現金を引き出せたそうです。

その銀行登録印は、いわゆる三文判、既成のハンコです。

3度目の引き出しの時、そろそろ汚れてきたので、
銀行にあった印ブラシで印面を掃除してから、捺印して、引き出そうとしたそうです。
すると、登録してある印影と3カ所照合しない点があるので、
引き出せないと言われてしまったそうです。

ホントにこのはんこが銀行印なのにと思いつつ、
口座を作った(銀行印を登録した)支店に移動して、試してもやはり照合しません。
なので、その同じはんこをもう一度銀行印として登録し直して、なんとか引き出せたそうです。

印面が汚れた状態で印影が登録されてしまい、掃除して印面がきれいな状態になったら、
印影が違うと現金引き出しを断られてしまったのです。
物理的には、同じハンコなのに。

機械で照合して照合率が低い場合、今度はヒト3人で確かめると聞いたことがありますが
銀行によってでしょうか?
もし、自分がそんな目に遭ったら、
「何いってるか、わからない。これがホントに銀行印だから。
 そちらのシステム上の問題を言われても」と怒るところです。

でも、このお客様できた人で、銀行印を厳密にチェックしていることがわかり、納得し
更には、精密機器のサービスマンでしたので、
簡単な三文判は、照合ポイントが少ないので、3箇所違えば、もう違うハンコと認定され
当店の作るような印相体の複雑なはんこは、照合ポイントがたくさんあり、
例え3カ所くらい照合しなくても同じ印影と認定されるに違いないというと類推されました。

確かにそうかも知れません。
今度、銀行員さんがはんこを作りに来てくれた時に聞いてみましょう。

三文判(既成印)を銀行印にしない方が良い、新しい理由を手に入れました。
その理由は
1.既成のハンコは、同じものが売っている可能性がある。
  銀行口座の鍵ともいうべきハンコ、同じものが売っている危険性があるのに
  登録印にしますか?
  100円ショップのはんこは、プラスチックを型に流し込んで作っているので
  まったく同じものが、簡単に手に入ります。
  当店で売っている既製品でも、工場で作るロットは同じ、
  次に作る時は太さなど設定を意識的に変えるそうですが、
  それにしても、同じはんこが多く存在しているわけです。
  
2.機械だけで彫ったものは、簡単に偽造されてしまう
  機械彫りのはんこは合鍵を作るように印影をスキャナーで読み込まれて、偽造されてしまう。
  見極めポイントが少ないので、偽造もたやすいいだろうと推測できます。

3.簡単なはんこ(三文判)は、同じはんこでも違うといわれることがありえる。
  単純なはんこは、照合ポイントが少ないので、
  押し方で違うはんことされてしまうことがある。
  銀行窓口で、引き出したい時、手続きの時、困ってしまいます。

一生に1本2本作れば良い銀行印、既製品ではなくオーダーして作ったハンコを使用しましょう。
どこで作るか、考え方次第です。

そして、この方がどのようなハンコを作ったかは、次回のお話で。
posted by 一日3本 at 08:46| Comment(0) | TrackBack(0) | はんこ屋職人養成講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年04月08日

二重枠は、高貴な印?

はんこ屋さん向けの業界誌。現代印章3月号に面白い質問がありました。
「社会的地位の高い人の印は二重枠というのは、間違っているか?
 二重枠のはんを作るのにセオリーがあるのか?」というものです。
このはんこ屋さん30年はんこ屋をしていて、一度も二重枠のはんこを彫ったことがないそうで
そのお店には、身分の高い人が来ないからだと嘆いています(苦笑)

回答は、徳川家の将軍さんは、書面に花王とともに丸い二重枠の実印を押したそうです。
また天皇御陵印や神社印が角印の二重枠にしていることが多いので、
二重枠は、高貴なイメージになっているのでしょう。
一般の人のはんこの中にも二重枠になっているものはあり、
龍や鳳凰などが枠になっているものもあります。

二重枠のセオリーはなく、美的感性によるそうです。

しぶちかはんこ屋では、モチーフを彫る前から、二重枠彫ったことがあります。
印相体にこだわっているので、今ではあまりありませんが、
龍の枠は、八方位を網羅しつつ、我ながら良くできました(笑)

この質問のはんこ屋さん、とても良いですよね。
是非、二重枠のはんこ始めて欲しいです。
雑誌には学び方は書いていませんでしたが、
おせっかいですので、ちょっと書いてみましょう。
学び方としては、
1.自分が良いと思った二重枠のはんこを実際に模刻しましょう。
 彫り方は、完全手彫りで、手仕上げでも、どちらでも構いません。
 自分の普段している彫り方でしてみましょう。
 印稿は、トレースして作成しましょう。
 最後まで彫り上げることが肝心です。
 その際、最終的には、自分なりバランスを整えてみましょう。
 例えば、雑誌に載っている綱吉さんのはんこ、枠から、もう少し字を離した方がよくなると
 思えます。
綱吉.JPG
(トレースせずに見てざっと書いてみました。ステキなデザインです)


2.自分の名前で二重枠で彫ってみましょう。
 ポイントは、親子枠(外側を太く、内側を細くするもの)この太さのバランスです。
 はんこはコントラストで美しく見せるものですから、同じ太さの枠より太さの違う枠の方が
 バランスがとりやすいと思います。
 そして、文字の太さですが、徳川家の将軍さんのはんこは、文字も細くなっています。
 予想ですが、多分花王がとても太いので、
 並べて押す実印は文字を細くしたのではないでしょうか。
 個人的には、文字は太い方が良いと思います。

 今度はトレースせずに、二重枠の印稿を作成してみましょう。
 そしてこれも彫り上げ、見本にしましょう。
 そして、お客様がいらしたら、そのはんこを見せ、
 高貴な人は二重枠の話をすれば、二重枠の注文も出てくると思いますよ。

 個性的なはんこ屋さんが、増えていかないと。
posted by 一日3本 at 22:37| Comment(0) | TrackBack(0) | はんこ屋職人養成講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年03月30日

印矩(インク)の使い方

最近、初めて36ミリ角のはんこをお彫りしました。
スポーツ団体さんの表彰状押印用です。

30ミリ角までしか自分では彫ったことがありませんでしたので、
ちょっと緊張し、文字の太さと枠の太さの関係を掴むために、
一度練習で、ざっと彫ってから、本番に臨みましたので、
時間はかかりましたが、納得のいく出来栄えになりました。

納品する際に、こんな大きさのケースはありませんし、
どうしたものかと印材屋さんに相談すると
「昔はよく、ダンボールなどの厚紙でキャップを作ったそうですよ。
 ぼくは作り方知りませんが、はんこ屋さんの先輩方ならご存知のはずですよ。
 聞いてみて下さい」

で、聞いてみると、はんこ屋の先輩も最近36ミリ角を彫ったそうで
「特大の皮袋に入れて渡したよ。特大なら入るよ
 昔はキャップ作ったね。上に布を貼ると見栄えがするよ」
作り方は、どのようでも良く、布をはるのがポイントでした。
「それと、うちでは印矩(インク)をサービスしたよ。
 高いのもあるけど数百円のプラスチックのもので十分使えるから。
 36ミリ角くらいになると一回で上手く押せないので、
 印矩を使えば、2度押ししても、大丈夫だから」
「えっ、印矩ってそんな使い方するんですか?
 ただ角印まっすぐ押すためのものと思っていました」
「落款印の本に、印矩を使って作品に落款印を押せば、
 重ね押しでキレイに押せると書いてあったから、一般的な使い方と思うよ」
「全然知りませんでした。まだまだですね」

ということで、数百円の印矩を印材屋さんにお願いしたのですが、
印章の友という3点セット(スタンプスケール(印矩)、印マット、印鑑拭き)577円しか
今はないと言われ、それを仕入れて実験したところ、
確かに2度押しで、鮮やかに押せます。

iphone/image-20110330095739.png
(上21ミリ角、下36ミリ角)

でも、1回でキレイに押せるはんこ作りを目指しているので、
36ミリ角でも、袋に一回で押したものに入れてお渡ししました。
 
 
posted by 一日3本 at 10:32| Comment(0) | TrackBack(0) | はんこ屋職人養成講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年02月19日

幻の象牙、ミズキリ

今年、彫り直しに持ち込まれた象牙は、目無し、別の方は芯持ち?と特別なものが続いています。
その芯持ちらしき象牙は、直径が小さいのに、後ろ側に芯らしき中心点がありますが、
通常黒い芯部分が黒くなく、でも目は詰まっていますので芯持ちに見えます。
印面側には、芯の穴はなく、芯持ちではないのか、でも彫ってみてとても堅かったです。
最高級の象牙なのは、間違えありません。

コメントで象牙の芯持ちについて、質問がありましたので、
印材屋さんに芯持ちの写真の提供をお願いしました。
ところが、印材屋さんに芯持ちの在庫がなく、あったのは横目だけ。
その代わりに、象牙の部分とランクの関係のコピーをもらいました。
象牙.JPG
(画像をクリックすると大きく表示されます)

芯持ちは、1本の象牙から取れるのは、1,2本。後は、芯が曲がっているので印材にしません。
それでも、はんこ屋さんの展示会で、曲がった芯が入っている先端ではない、
象牙の印材を売っていることがあるそうです。
象牙の芯持ち自体、穴が空いているのでオススメできませんし、
更に印材の後ろが黒い点になっていますので、見た目的にもオススメできません。

象牙のランクは、実ははっきりした統一規格ではなく、
うちの印材屋さんは、「あそこ印材屋さんの上が、うちの並」などと言います。
例えば、表面部分が入り色が変わっている象牙でも、少し削って漂白してしまい
並として、販売しているところもあるそうです。
(漂白してしまった象牙は、油が抜けて、もろくなっており手では彫れません)

象牙の加工メーカーでは、特上、上、並(特選)と
現在では3段階に分けて出荷されているようです。
昔はもっと細分かされていて、並、中、上、上上、特上と5段階ありました。
自然のものなので、そのランク内でもばらつきがあり、
懇意な信頼できる印材屋さんならば
特上でも目無しに近いものを持ってきてくれます。
印材は値段の判断では仕入れられないものです。

更に、目無し、横目、芯持ちと特別な印材があります。
象牙はカットしてみないとどんな印材がとれるかわからないそうで、
目無しや特上がとれたら当たり、並しかとれないものもあるそうです。

印材屋さんに、このブログを書くにあたり色々教わっていると
「象牙のミズキリって知っていますか」
「知らない」
「僕も1度見たことがあるだけで、今では絶対手に入らないですけど、
 『水切り』と書いて、乳白色部分が透明に透き通っていて、
 白に部分的に透明部分が模様のように入っていてきれいなんですよ」
「そんな透明部分がある象牙なんてあったんだ。ブログに書いていい?」
「できれば止めて下さい。欲しいと言われても手に入らないので」
「手に入らないと明記するよ。見てみたいな。
 誰かが手に入れて、うちに印刻頼みに来るかも知れなし、書いてみよう」
「彫りにくいらしいですよ。透明部分は軟らかく、硬いと軟らかいが混在して」
「彫りにくいんだ。ちょっと興味を失った。でも写真でもいいから見てみたいな」
「写真では、あの透明感はわかりませんよ」

18年はんこ屋をやっていても、初めて知ることに、年に何度か合うものです。
日々精進。

天然木について質問もありましたが、
なぜ主に木は柘(ツゲ)しか、印材にされてないかを考えると、
柘にはフシがなく、繊維が詰まっており、堅さと弾力があって、見た目も美しい。

他の木で天然な状態で、本柘を超える印材があるとは、思えません。
例えば、黒檀は、硬いだけで弾力がなく、
杉などは軟らかいので、圧縮しないと印材にはならないそうです。
木にもたくさんの種類がありますので、絶対はありませんが、
他の木に繊細に彫れるとは思いません。
落款印、遊印などにはいいのかも知れません。
印材屋さんや昔からの印材メーカーに聞いても同じ回答です。

ところで、印材屋さんのコピーによると象牙のランクに特選とあります。
そんな言葉使ったことも聞いたこともありませんでした。
ようするに、並のことです。
お中元やお歳暮で、よく特選を選びますが、
それは並という意味だったのか(笑)

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2010年01月11日

くるくる『垣』2

はんこ屋向け業界誌「現代印章」の記事の中に
なぜ『亘』は篆書では
wata.JPG

このようになるかが書いてありました。
上下二本の横棒「二」と
真ん中の「日」は、’めぐらす’だそうで、
それでぐるぐるさせるわけですね。
『亘』で『ぐるりとめぐらす』の意味だそうです。

『垣』の字をお彫りした時にくるくるさせたことを思い出しました。

文字の持つ本来の意味や象形文字を知ることで、
はんこのデザインも変わってくる良い例です。

この記事を読んだ時に、
ちょうど自分の年賀状のことを考えていました。
元旦の『旦』もくるくるするのもありかなと、ちょっと思いましたが
『旦』を見ているうちに、
これはきっと初日の出だと勝手に思えてきて、
波と太陽のイメージになりました。
自分の年賀状ようなので、調べていませんから、
『旦』の意味は違うかも知れません(苦笑)
2010元旦.bmp
『元旦』丸や四角の枠の方がまとまるのに
なんでハートの枠にしたのでしょう。
これは、枠さえあれば、どんな形であれ
デザイン的になんとかなるという考えからの挑戦です。
こんな挑戦が生きてくる時が自然と来るはずです。

はんこ屋の皆さん、機械彫り店との違いはデザイン力ですよ。
それには印稿を手書きすることとチャレンジが必要です。

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2009年12月17日

濁点はかくも難しい

会社名は、もとより、外国人名のハンコの注文が多く
カタカナを彫る機会が、たくさんあります。

そこで、よく考えるのが濁点の位置や大きさ。
周りの字との関係などで考える必要があります。

「ブ」で考えてみましょう。
bu.JPG

このMSゴシック?では、「フ」の上に点々ついています。
しかし、ハンコに彫る場合は、
点々が上の位置では余計な空間が出来てしまい、
印相体(D)以外では、めったにこの位置には彫りません。
濁点は横か下でしょう。

濁点を「フ」の右横にした場合、
前後の文字と横幅を濁点まで入れて、同じ幅にするか(A)、
濁点部分は前後の文字と横幅からはみ出すか(B)という
問題が出て来ます。
「フ」は大きく見える字ではありますが、濁点まで入れて
横幅を揃えてしまいますと、小さく見えてしまいます。
出来るかぎり、濁点部分ははみ出して彫った方が良いです。
しかし、スペースの関係で、難しいケースもあります。

濁点を「フ」の右下にした場合(C)、
空間はとても良く埋まります。
しかし本来の濁点の位置とは違いますので、
濁点の一つを「フ」に付けることで、(あるいは両方とも)
この濁点は「フ」に属していて「ブ」ですよと
示してあげます(笑)

ただ、外国人さんの認印の場合、本来の濁点の位置とは違いますので
間違った字を教えてしまうことになるので、躊躇します。

印相体にした場合、「ブ」に見えれば、どの位置でもよく
濁点のどちらか一つまた両方を「フ」につけた方が、
分かり易いです。

最近「ゼ」が入ったお名前を上昇印相体で、ざっと書いたところ
濁点は枠に付けないものかとの疑問を投げかけられました。
確かに、枠に付けた方が空間が埋まります。
なのになぜ、枠に付けなかったのでしょう。
無意識にしたことですが、質問に対しては、あらためて考えるまでもなく、回答できます。

濁点(点々)は、個人的見解ですが、あまり枠(○)に付けません。
濁点を枠に付けると点々が目立ち過ぎる、
長く見え過ぎることがあるからです。
『ゼ』の上の方の右端で八方位の右上の点に付けるため
デザイン的には、『ゼ」をもう少し上にしたいところですが
その理由でやや下になり、濁点を枠につけると、
点が長過ぎることになります。

無意識にこんなことを考えていたんだと自分で納得です。
しかし、実際に彫る段階でこの空間が気になり始め
試行錯誤の末、濁点一つだけ、ぎりぎり枠についてしまったという
イメージで彫りました。

また濁点が他の文字にくっついてしまうと、
他の字に見えてしまいます。

たかが点二つ、それが、かくも難しいのです。

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2009年10月17日

「総裁之印」について考える

はんこ屋の皆さん、
お札の表面に使われている印鑑「総裁之印」と同じ書体で
彫って欲しいと言われたどうしますか?

篆書で○に四角く入れれば、それで良いでしょう。
でも、最近は色々なことが見えてしまうので、
「総裁之印」を研究してみました。

2代目の父がお客様に、○に四角く入れる篆書で
お札に使われていることから紙幣体と呼ばれていますと
説明しながら、見せていたのが、この書体見本です。
shihei.JPG

このように、刷り込まれていましたので、
柔らかめの篆書を四角く入れるものと思っていました。

今回、お札に使われている書体で彫って欲しいというお客様に
その雰囲気を出すには、大きさを合わせ
「○○之印」と4文字彫ると良いと提案してみました。

しかし、印相体は若い頃、有名な印相家に
彫ってもらったことがあるが、良いことがなく、
ならば、もうお札に使ってある書体ということで
そんなに「総裁之印」に強いこだわりがあるわけではないので、
小さいサイズで2文字で、となりました。

こだわるなら実際に「総裁之印」を彫った人のひ孫さんのお店に
行ってみてはとも提案してみました。

ご注文時にざっと柔らかく書いてみると、あれ雰囲気が違います。
お客様からも、もっと直線的であることを指摘されました。
思い込んでいた感じと違います。

そこで「総裁之印」の特徴をとらえるために、
軽くトレースしてみました。
sousai.JPG

ホントに直線的で少しだけ、ナナメの線と曲線があるだけで
あまり特徴のないオーソドックス堅めの篆書体とわかりました。
印章新体と呼ばれる書体です。

「総」が旧字の「總」になっています。
そのためにハンコの中「總」に嫌いな×が2つも
彫ってあることに気付きました。
やはりそろそろ作り直した方が良いのではないでしょうか(笑)

完全手彫りで、これだけきちっと彫ってあることで
彫る技術は上手なことがあらてめて、わかりました。

トレースして字の特徴を掴み、
さらには、枠に対しての文字の大きさの比率をはかり、
15ミリ丸の枠に対して11ミリ四方の文字配置でした。

この比率で堅い篆書で四隅を枠につけて完成。
もの凄く時間をかけて、紙幣体を意識してお彫りしたのですが、
自分としては、柔らかい篆書が好きです。


その次にお彫りしたのが、篆書で会社用の角印。
すでに印相体で個人の実印を作られた方なので
信頼されて自由に彫らせてもらいました(笑)
3kai.JPG

モチーフ(三階松)に目がいきがちですが、
真ん中の行の「松の房」が久々に篆書を勉強した成果です。

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2009年07月15日

木を見て森を見ず

はんこ屋さんの業界誌「現代印章」の好評?連載中の
「今さら聞けない篆書の疑問」にマサに、
今さら聞けないことが載っていました(笑)

会社の角印で篆書の音引き(ー)について、
位置は真ん中、左、右どちらが正しいか、
印章組合発行の辞林に音引きはないが、
一(いち)に準じてよいかです。

この質問者のはんこ屋さんがエライのは、質問にあたり
彫ったものと思われる印影をつけていることです。
音引きを右と左に寄せて彫ってあります。
zi.JPG
(かなりざっとトレースしました)

篆書で音引きを真ん中以外に彫るなどと考えたことが
ありませんでしたから、ある意味新鮮でした(苦笑)

もちろん回答は音引きは、真ん中がオーソドックスで安定感を与え、
一(いち)より音引きは短くすることがポイントというものでした。

常識的回答です。はんこ屋が付け加えると
あえていうならば、もし左右にズラして、よりバランスが取れると
思うことがあれば、自信を持ってそのように彫るのもいいでしょう。
さらに、文字数が非常に多い場合は、前の字につけてしまいことも
あります。その際は、字として読めるかを注意しましょう。

さて、これはこれなのですが、質問者のサンプル印影、
音引きの疑問よりも重大なことがあります。
小さいことにコダワリ、全体が見えていません。
こんなことわざ、なんだっけな〜と一日考えていましたが
出てきません。

うちに帰り、娘に聞くとあっさり
『木を見て森を見ず』なるほど!

この人の角印の問題点は、音引きの位置ではなく、
1.枠と文字の太さのバランスがわかっていないようです。
  枠が太い場合は文字を細く
  枠が細い場合は文字を太く
2.文字間、行間が空き過ぎています。

同じ内容でざっと書いてみました。
ZI-2.JPG

森さんという旧姓の方に、
木をはんこのモチーフにしては、どうですかと提案するのは
「森を見て木を想う」
(大きな森でも、それを構成しているのは一本一本の木の集まり)
なんか良い意味風、造ことわざ(笑)

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ひらめきお節介な解説
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2008年12月01日

会社印を美しく彫る

はんこ屋は特別な才能がなくても継げる仕事です。
時間はかかりますが、向上心を持って取り組み、
コツを掴めば、必ず一流のはんこ屋になれます。

印影を美しく見せるには、いくつかのコツがあり、
その重要な一つが線の太さ細さのコントラストで、
美しく見せるです。

個人の印鑑で、
印相体などは、文字の太くし、枠の線を細くして、美しく見せます。
逆に枠を太くした場合は、篆書で良くしますが
文字を細くして美しく見せます。

稀にコントラストをつけずに美しく彫ってある
昔の印鑑を見かけますが、それを彫った職人さんを尊敬します。
そのような印鑑は、多くは篆刻作家さんが彫ったものが多いです。

会社の角印の場合は、個人の印鑑と同じように、
枠と文字の太さの違いでコントラストをつけます。
枠を太くしたら、文字を細くします。
文字を太くしたら、枠を細くします。
これは印相体だけでなく、
篆書でも文字を太くした場合は枠を細くします。
(文字がやや太く、枠もやや太い
 機械彫りのはんこが出回っているようです)

さて、会社の代表印の場合は、枠と文字とのコントラストではなく、
外周(会社名)の細くし内周(役職名)の文字太くして
美しく見せます。
あまり、コントラストの感じないものは、機械彫りでしょう。

最近来られたお客さまで、
1回目に会社の銀行印、
2回目に子会社の3本セットをご注文された方が、
3回目の来店の時に、
「デパートで作った(高額な)代表印を押す度に
(当店で作った印鑑とのあまりの違いに)悲しくなる。ぼられた。」
と嘆かれ、代表印の作り直しのご注文を頂きました。

はんこ屋の先輩のところに来ている印材屋さんが
「今、デパートで作る印鑑が一番酷い。
 値段が高いのに、素人の機械彫りにしか見えない」との
言葉通りでした。

その明らかな機械彫りのはんこを見て、
更に自分では無意識でしているコツがわかりました。
印相体は、もちろんですが、
篆書体でも、外周の会社名の1文字1文字をあまり離さないです。
そんなに難しいわけでは、ありません。

もうひとつのコツは、内周の円の大きさです。
あまり小さくすると可笑しいです。
18ミリ丸の外枠に対して内枠は
11.5ミリ丸前後くらいが標準でしょう。

印相体で会社名の文字数が少ない場合は、
内枠の大きさを小さくすると、文字と文字をくっつけ易くなります。

極端な例として最近お彫りした、漢字1文字の会社名、
自分の挑戦として、内枠を9.5ミリくらいにしてみたのですが
かなり上手に彫れてしまいました。
但し内周は『代表之印』と4文字でしたが。

だらだらと書いてきましたが、
ちょっと、例の印影があるとわかりやすくなるのですが
忙しく、無理です(苦笑)
文章だけで失礼します。

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2008年11月26日

印肉の由来

新朝日という名称で朱肉を作っている塚原工業(株)という会社が
あります。
当店では、扱っていないのですが、
たまたま知り合いの持っていた朱肉と一緒に
『印肉の由来』が書いてある紙が入っていました。

はんこ屋職人としては、是非覚えておきたい事ですので、
その紙をもとに、印肉の由来をまとめておきましょう。

1.印泥(いんでい)の語源
  中国では、紙が発明される以前、周、秦、前漢の時代、
  印を粘土のような泥に押し、印影は立体的だったそうです。
  これが、中国で印肉を印泥と呼ぶ語源と思われるそうです。

2.紙の発明とともに
  中国の三大発明は、紙と火薬とあと一つが思い出せません(笑)
  (羅針盤だったか?)
  とにかく、後漢の時代に紙が発明され、
  印も紙に押されるようになり、その頃から朱が用いられました。
  天然の辰砂や朱土をニカワで練ったもので、
  水印または練朱と呼ばれていました。

3.印肉の発明
  宋の時代に、今日使われているような、
  油を入れて練った印肉が発明されました。
  そして、上質なロウ石(寿山石)が発見され、篆刻が盛んになり
  印影が鑑賞されるようになりました。

4.日本に渡来の時期
  文武天皇の頃(紀元697年)と伝えられているそうです。
  奈良正倉院の古文書に押されているもの印肉は、
  油が入っていない水印式です。
  鎌倉時代以後の古文書には、油が入った朱肉が使われいます。

5.印肉の色によって使用目的を区別
  室町時代から印肉の色によって使用目的を区別することが
  行われてきました。
  織田信長は、公文書には朱印を、私文書には黒印を用いました。
  (今でも黒印肉あります)
  当時、朱印は武将か貴人のもが使用でき
  他の人は黒印を用いました。
   
  茶人は、還暦前は朱印、
  以後は黒印とうい不文律があったそうです。
  (現在のことは知りません)

6.八宝印泥
  中国には、上質な印肉に金箔やその他の宝石類を混ぜ合わせて
  作った印肉があり、八宝印泥というそうです。

7.朱
  古来中国では、朱は黄金と共に
  不老不死の霊物として尊重されていました。
  日本でも朱は禁色として一般には用いられず、
  最高位の色とされていました。
  縄文、弥生の土器の朱彩など貴重な色として用いられました。
  神社に朱が用いられるのは、魔除けの色だからと聞いたことが
  あります。

  日本では明治時代以降印肉が一般的になりました。
  上質な印肉には、天然の朱を用いているので、
  紙に押印したものが、虫に喰われたり、
  褪色したりする事もなく、
  その印影は千古不易のもので変わることがありません。

さて、お客さまにこの印肉話、どのくらい説明するかが問題です。
これすべて、話していると、
ますます長い接客時間になってしまいますし、
知っていることはおしゃべりなので、話したいし、
あらたな問題を抱えてしました(笑)

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2008年11月06日

へんとつくりを合わせて作る篆書

はんこ屋職人が辞典をたまにしか見ずにざっと書けるのは
篆書としてたくさんの字が頭の中に入っているわけではなく
名前で良く使用する、へんとつくりが頭の中に入っていて
合成して書いているのです。
ちょっとでも自信のない時には、本番の印稿書きの前に辞典で
確かめます。

お馴染みのはんこ屋さんの業界誌「現代印章」の
「いまさら聞けない篆書の疑問」という連載の中で
正しい部首同士を合成しても篆書として良いかという
疑問が寄せられました。
回答は、ダメなこともあるので、
合成には十分注意しましょうということです。
当たり前の回答で、しかも間違えやすいと上げられた
例が良くありませんでした。
書くまでもありません。

時、同じくして、印相体職人も、
合成すれば良いわけではないのだなと思いました。
こちらの方がわかりやすい例なので、ちょっと書いてみました。
『泉』という字についてです。
『白』と『水』で構成されていますので、
白と水を合わせて右下のようにざっと書いてしまいました。

izumi.JPG

『水』は真ん中の棒と4つの流れで構成されているので
印相体で真ん中下のように良くします。
『水』は真ん中の縦棒と左右にそれぞれ2本ずつあれば、
極端にいえばOKです。

ちょうど『水』のつくお名前を彫った直後に
『泉』の付くお茶の名前のはんこを
モチーフ入りで、できるかというお得意さまからの問い合わせで
ざっと書く段階で間違ってしまいました。
普通なら『泉』という字くらい何も見ずに書けるのですが(苦笑)

印稿を書く段になって気付き無事彫れました。
この時になぜ合成と違うのだろうと思いました。
でも印相体なら、合成文字の形でも、
役所も銀行も通用する可能性が高いと思うのですが。

そうそうこのお茶のはんこは、
基本アイデアをお客様が持ってきてくれ、
『泉』の上部分を水たまりにし、
そこにお好きな千鳥が水を飲みに来たイメージで
上品に出来上がりました。

でも、はんこ屋がいない時に印鑑を受け取りに来られてしまい、
印影公開の許可は得られませんでした。

とにかく、過信せず、印稿を書く前に辞典で確認しましょう。
篆書より、印相体は、日本生まれの自由な書体なので
基本的に合成であろうと読めればOKです。

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2008年10月04日

印鑑のサイズと尺貫法

印相学の本を読み、規格ではない11ミリ丸の印材に対する疑問を
印材屋さんに聞いてみました。

「11ミリ丸の印材、在庫している?」
「本柘ならありますね」
「えっあるの!何に使うのかな」
「それは、わかりません。
 たまに11.5ミリ丸の注文もありますよ。
 これは在庫がないので、作ることになるんですが。
 12ミリ丸と区別をつけるためかな」

「本柘の3.5分丸は10.8ミリ丸くらいあるよね」
「東京の柘屋さんは1分を3.1ミリで計算しているので
 3.1mm × 3.5分で10.8ミリ丸になるんです。
 一方、黒水牛などは1分を3ミリで計算しているので
 3.5分は10.5ミリ丸なんです」

「知らなかったよ。
 同じサイズで、黒水牛が小さく見えるのは、
 黒でしまって見えるからと、父の代から説明してきたけど。。。
 彫刻機にかけるようになって、ノギスで印材の寸法を測ると
 本柘の印材だけ、やや大きいのは、他の印材に比べて安いので
 増量サービスと思っていたよ(笑)」
「黒でしまって見えるのも事実ですけど。
 建築の世界でも関東と関西では、サイズが違うように、
 印材でも加工業者により違うんですよ。
 本当は、ミリで統一して欲しいんですけど」

ということで、初めて当店で使用している御蔵島さんの本柘が
他の印材より少しだけ大き目な理由が、明らかになりました。

Image084.jpg

左は印材のサイズを測る当店に昔からある道具。
0.3ミリくらい気になりません(笑)

大野木式時代に、印稿を書く場合
実際に彫る印材をがんぴに朱で押して
そこに墨(筆ぺん)で印稿を書き、
そして印材に転写しましたので
細かいサイズは、あまり関係しませんでした。

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2008年09月30日

印章のお手入れ方法

『現代印章』さんの記事に
ハンコのお手入れの仕方が書いてありました。
印材別の一覧表などにして、購入の際に説明しましょうとアドバイス
親切な指導です。

その記事をはんこ屋職人オリジナル説明を交えながら
簡単にまとめてみましょう。

まず使用上の注意点
@朱肉を付け過ぎない
 付けすぎると印面に朱肉が残り、ハンコが痛みやすくなります。
 朱肉を付ける時には、軽く5〜6回たたくように
 リズミカルにつけます。
 一度で強く朱肉を押し付けてダメです。
 また朱肉とはんこの印面が真直ぐ
 平行につけるよう意識しましょう。
A印マットなどにクッションを使用する
 堅いものと堅いものがぶつかれば、傷つきます。
 印マットや、なければ紙を何枚か重ねた上で
 押しましょう。
B使用後は柔らかい布で朱肉を拭き取り
 印鑑ケースにしまいましょう。
 黒水牛を好きな虫がいます。
 印鑑ケースの中にしまっておけば、
 食べられることはありませんので、ケースに入れましょう。
 他の印材もできるだけ、ケースに入れて保管しましょう。

次に印材別がんこな汚れ取り
<象牙>
使い古しの歯ブラシ、印ブラシでゴミを取り除くのが効果的。
柔らかい布を水で濡らし、固くしぼって、拭き取りましょう。
そのあとは陰干ししてよく乾かすこと。

象牙は水分を吸収しやすいので洗剤や薬品の使用禁止です。
(問い合わせで、ジーンズのポケットに入れたまま
 象牙の印章を洗濯してしまい
 あお黒くマダラに染まってしまい、
 どうすれば良いかと聞かれました。どうにもなりません)

象牙は、朱肉を吸い込み、印面の方から中が赤くなっていくのは
運を吸い上げるというとともに、油が入っていて良い状態です。

象牙は湿度の変化に弱く、暖房器具の周囲においておくと
ヒビ割れの原因になります。
ヒビ割れてしまったら直す方法はありません。
湿度に注意して保管しましょう。

<オランダ水牛、黒水牛>
象牙と同様にブラシで汚れを取ります。
油(こだわる人は椿油、当店はクレ556)を
つけた柔らかい布を折り畳み、この上で軽くハンコを叩く。
年に1度、油で印章全体を拭くと油分補給になり、縮み防ぐ。
印面の部分にあまり油をつけてしまうと、朱肉をはじき
うまく押せなくなるので、注意しましょう。
象牙と同様に乾燥に弱いので暖房器具の周囲に置くと
ヒビ割れの原因になります。
防虫剤を入れて、
低温でホコリの少ないところに保管するのがベスト。

<柘(つげ)>
朱肉の油を吸い、固くなり過ぎて、モロくなるので
使用後は、直ぐに朱肉を
柔らかい布、ティッシュで拭き取りましょう。
ブラシを使う時は、慎重にゆっくり使い、
柔らかい布で念入りに拭きましょう。
湿度の変化にもやはり弱いので、乾燥剤を入れたところに
保管すると良いでしょう。

<水晶>
温度差の影響もなく、朱肉も吸い込まないのでお手入れが簡単な反面
ガラスよりは強いものの、落とすと簡単に割れたり砕けたりするので
きちんとしたケースに保管し、取り扱いには十分注意する。
頑固な汚れは、水晶に限りベンジンで拭くと良いが
他の印材には決して使用しないように!
水晶の印鑑自体、現在では、ほぼ機械彫り、
たまに手彫りがあったとしても、浅く粗い彫り方のものばかり。
お客様から聞いた話で、昔お父さまが水晶の印章を作り
受け取ったその日に、落として割れてしまったそうです。
新たに水晶のはんこを作ることはオススメできません。

<シャチハタなど浸透印>
目には見えませんが細かいスポンジ状の浸透印は、弱く
ブラシで擦るだけで、破損してしまうことがあります。
セロテープの粘着面に数度押すことで汚れがとれます。
また、補充インキは、同じ顔料系であっても、
メーカーが違うと目詰まりを起こし、浸透しなくなってしまいます。
各メーカーのその商品用の純正インキを
早目に補充していった方が長持ちします。

簡単な説明のはずが、なが〜い説明(笑)

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2008年09月06日

なぜ印相体を否定しようとするのでしょう

はんこ屋さんの業界誌、現代印章の楽しみな連載に
『今さら聞けない篆書の疑問』があります。
今月号で「印相体は篆書の一種か」という質問に対する
回答がありました。
「印相印は、篆書をくねくね曲げたり、長くしているため、
 読みにくくなったり、誤字になることもあり、
 全日本印章業協会、印章字林普及協会、各印章組合では、
 オススメしていません。
正しい篆書を使って、日本の伝統ある
 印章を長く伝承していくことが使命と思います」
こんな内容です。

なぜ、こうも印相体を否定しようとするのでしょう。
篆書の一つ印篆は、はんこに彫り易いように四角く変形し
漢字の棒の数さえ、変えてしまっています。
文字の変形を否定の理由にするのは、どうでしょうか。

印相体より篆書は読み易いかというと
篆書は、文字によっては、現在とまったく異なる形もあり
彫ったことない形ですと、
はんこ屋でさえ読めないことがあります。
篆書の中でも、現在の字になるべく近い形を印相体にしている
はんこ屋としては、読みにくくなるとは納得できません。

誤字になるのは、それは腕が未熟だからで、
印相体のせいではありません。
印相体は文字の位置や他の字とのバランスで
文字の形を変えた方が良い場合が多いです。
例えば「武」苗字でも名前でも使う漢字です。

ざっと書くと
take.JPG
左側の時は、現代の字に近く、
右側の時は、縦棒が中心に近くなる文字を使った方が良いのです。
左側の字の形を右に持ってきてしまうと
点が枠の外にいってしまい消えてしまうのです。
このように色々考えて、文字を成立させるのです。

はんこの彫れない人が、印相体について
何を言おうと気になりませんが、
はんこの彫れる指導的立場の人が
印相体は、篆書をくねくねしたり、長くしただけという認識では
真剣に印相体を彫っている人に失礼です。
一度当店で彫った印相印を模刻して欲しいものです。
そうすれば、どれだけ考えて彫ってあるか、わかるでしょう。
しかも数十万、100万を超えるような落款印ではなく、
普通に使う印鑑で、これほど考えて彫っているんですよ。

篆書体は、字林があり、その字の形で、辞書のまま彫っても
それなりのはんこになりますが、
印相体は、字林がなく、ちゃんとバランスを考えなければ
まともな印影になりません。
ただ単純に伸ばしたり、文字を太くしただけでは、
それこそ誤字を招き、
文字を知った上で、しなければならないのです。

はんこ職人さんの書いた篆書を
機械にフォントとして作ることができても
印相体は、位置、文字の組合せなどによって
色々変える必要があるので無理です。
作ったとしても、その職人さんの雰囲気は出せないでしょう。
はんこ職人の個性が出しやすく、
機械彫りとの差が一般の人にも分かり易いのが印相体なのです。

どれだけ、上手に彫ったとしても、
普通の篆書で、機械彫りとの違いを
一般の人に分かってもらえるのでしょうか。
まして、職人さんの字が搭載された機械と
その職人さん本人が実際に彫ったものとの違い、
軽く仕上げされてしまえば、もうわからないでしょう。
(でも、その字が好きならば、どちらの作り方でも否定しません)

篆書の名人だった初代のおじいちゃんが彫った印鑑でさえ、
受け取った本人ではなく、
はんこを見慣れている保険屋さんや銀行の人に誉められて、
初めてその上手さに気付いた方が多かったようです。

また、おじいちゃんの時にはんこを作って頂き、
時を経て、再び当店に来店される方の多くが
普通の篆書ではなく、初代独特なさまざまな書体、
範疇でいうなら篆書か印相体の印鑑をお持ちです。

今も昔も、お客様は、
印鑑にはオリジナルなものを求めている証拠でしょう。
そして、印鑑は縁起ものなのです。

2代目の父は、縁起の良いと言われていることを
しないのはどうかと考え、
お客様のことを想いながら印相印を彫り、
そしてお客様の努力を促すというスタイルを確立しました。

昔、東京の印章組合から、印相印禁止と指導があったそうです。
しかし、そんな中でも組合の役員の方で、
印相印の注文を受けていたところがあったという噂です。

そうそう、大野木式の彫刻機が出た時には、
真っ先に組合の役員の方々が導入されたようです。
(初代のおじいちゃんも直ぐに導入したようです。)
にもかかわらず、
大野木式でされ使うと完全手彫りではないそうです。

組織というものは、本音と建前、
矛盾が内包されるものなのでしょうか。
まあ、彫り方で区別をつけるのではなく、
印影で判断して欲しいのですが。

一般化している印相体をあくまでも否定しようとする意向には、
疑問を感じます。
その号の現代印章の中に、
印相系の推薦図書(雑誌から通販で購入できるもの)が
2冊も載っていました(笑)

伝統ある日本の印章制度を維持していくには、
なによりお客様に目を向けたはんこ屋が
一軒でも増えることが必要です。

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2008年08月05日

印鑑ケースの開け方

「印鑑ケースの開け方があって」
「そうなんですか」
はんこ屋職人ワールドの始まりです(笑)

「蝶番(ちょうつがい)の線のある方がわかりますか」
Image555.jpg
「はっ、はい」
「左手に持って、蝶番の線のある方を上にして、
 (右手で)ひねるように開けると、
 必ず(印鑑が)収まって開きます」
ここで実際に印鑑ケースを開けてもらいます。

「次に印鑑の持ち方があって、
 印鑑の後ろを人差し指の付け根辺りにつけます」
(印鑑の押し方は、このブログで確か書いています。
 開け方も書いたことあったかも知れません)

こうやって、はんこ屋職人ペースで、
印鑑受け渡しの儀式?は進行し、
「きれいに押せるまで、帰れませんよ(笑)」で
笑いとプレッシャーをかけ、お客様が見事に押せて終了。
エピローグとして、絶対して欲しくない
朱肉にはんこを押し付けてしまう
悪い朱肉の使い方をやってみせます。

研究の結果、朱肉を付ける段階で、
印鑑と朱肉がナナメに接している方は、きれいに押せません。
朱肉をつける時から、気を配りましょう。

はんこ屋さんのみなさん、ご注文頂いた印鑑をただ渡すだけでなく
是非、お客様に一度押して頂きましょう。
恥ずかしい印鑑は、渡せなくなるはずです。

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2008年06月10日

篆書の増減法

<はんこ屋職人養成講座>
はんこ屋の先輩から知らなかった言葉を教わりました。
『篆書の増減法』かっこいい響きです(笑)

以前にブログでも書いていますが、特に回し彫りの時
(法人の代表登記印や銀行印を『まわしぼり』というと
 いかにもプロらしく聞こえますので、
 皆さんも使ってみましょう(笑))
篆書で横棒が多い場合、くっつけるなどして横棒を減らしても
その漢字に見えれば良いのです。

はんこ屋の先輩に、ある漢字の省略の仕方が一般的か尋ねた時に
「昔から、篆書の増減法といって、
 横棒縦棒を増やしたり減らしたりしても
 篆書の場合は、その字に見えればいいんだよ。
 増減法は『中』の字で考えるとわかりやすいよ」
「へぇ、そんな言い方するんですね。
『中」のちょんちょんですね。
横を伸ばすのも増減法というのかな。あれは、延長かな」
「多分延長だね」

さて『中』のちょんちょん、わかりますか。
『中』の篆書(印篆)を色々書いてみましょう。
nakaのコピー.jpg
これでちょんちょんがわかりましたね。
本来はない短い横棒が加わっています。

確か若冲の落款印にもこの技法?が取り入れられたものが
あった気がします。

現在こんな風に『中』をお彫りするか、というとまず彫りません。
ご注文が印相体中心ということもありますが、
間違えではなくても、違った字に思えますので、
お客様からの希望がない限り増やして彫らない方が良いです。

『直』の字は、増減どちらもありましたので、参考に。
choku.JPG

篆書が増減法ならば、印相体は、さしづめ延長法、
さらに、しぶちかはんこ屋はモチーフ法でしょうか(笑)

はんこ屋職人を目指す方、説明も大事です。
増減法を使いたい時は
「この字は篆書の増減法で横棒を増やすことで
 印影のバランスが格段と良くなります。
 余談ですが、まわしぼりの時は、
 横棒、縦棒の多い漢字は減らして彫ります。
 あっ回し彫りというのは、
 会社の印鑑で外側に会社名を彫るものです」
もうこれで、信頼度アップです。
はんこ屋職人は意外と計算して話しています(笑)

篆書でなくても、田中さんの場合
『中』の字には右側の下側に点をつけますね。
『中』は縦棒を長くしたほうが、格好いいにもかかわらず
印鑑の丸の中では、限られたスペースなので
昔の職人さんは色々と研究したのでしょうか。

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