2012年10月13日

時価100万円の時計の皮ベルト

1センチの厚みの象牙を虎目石と同じ高さにするために、7ミリに削ったそうです。

今回の注文は、アシンメトリーがテーマです。
サンク・カロさんの時計の皮ベルトは通常、文字盤をはさみ、シンメトリーにするデザインです。
そこをあえて、対称でなくして、
それでも全体として、バランスの良いものを作って欲しいという無理を言ってみたのです。

楕円形の虎目石と丸い象牙印鑑、形も色も違えど、高さを揃えることで、調和を創り出す。
さすが、アーチストサンク・カロさんです。

虎の縞を片側につけ、全体を黒、縞を黄色にとお願いしました。
色を反転させて、なお、虎に見えるように、という無理をここでも言っています(笑)
自分で作るわけではないので、自由にアイデアが出てきます。
サンク・カロさんは美術的センスがあるので、虎の縞は、一発勝負で描くのかと思っていましたが
緻密な計算のもと何度も描いて、納得にいったものを選んでくれたようです。

そして、工事と言われた理由がわかりました。
象牙の後ろ側にビスを入れ、ネジ式にして、象牙の取り外しが出来るようにしてくれたのです。
はんことして、押せるようにしてくれたのです。(印影は逆になってしまいますが)
秘密にしていて、驚かしてくれました。

この時計を付けてみて、見た目と違いその軽さに驚きました。
以前作って頂いたものが、重くて仕事中着けていられないと言ったのを、
きっと覚えてくださっていたのでしょう。
お客様が想像した以上のものを作るこの姿勢、
自分は失ってしまったのではないかと自問します。

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もし、この時計の皮ベルトと同じようなものが欲しいと考えたら、いくらになるのでしょう。
結構人気者のはんこ職人が真剣に時間をかけて彫り上げた象牙の飾り、

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ホントに大人気の時計の皮ベルト作家さんが、
イレギュラーな作業を試行錯誤しながら作り上げた時計の皮ベルト。
世界でひとつのものが合わさっています。
材料よりも二人が制作の要した時間を考えると
100万円でも、安いくらいです。

宝物を手に入れました。
サンク・カロご夫妻、ありがとうございました。

そうそう、1番大変だったのは、白い糸で染めながら縫ったことだそうです。
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2012年10月11日

熊野筆

とうとう、サンク・カロさんにお願いしていた虎時計が完成しました。
昨晩はタッちゃんさんを含め、3人で完成を祝い、dressで美味しい料理と共に祝杯をあげました。

遅い時間となってしまい、暗いBARでの引渡し儀式となりました。
制作苦労話もあまり聞かず、今日のはんこ屋の大勢の飲み会で話す話の練習をして、
二人にダメ出しをしてもらいました。

ですので、事前にメールで知った制作苦労話も含めたお話です。
時計の皮ベルトに付けてもらうための象牙の印鑑を彫り、
印材屋さんに1センチの長さにカットしてもらいました。
その際、カット担当者に印面が逆だけどと言われましたが、気にしないでと答えておきました(笑)
はんこ自体を見せるものなので、押すと逆になってしまうことを指摘されたわけです。

その1センチの長さにカットしたものをサンク・カロさんに渡します。
ここからがサンク・カロさんの本格的な作業です。
はんこを時計のベルトの飾りとするのは、サンク・カロさんのアイデアです。
自分のアイデアで自分の作業がつらくなるのは、はんこ屋と良く似ています(笑)

サンク・カロさんからの第一報は、縞を描くために、
他の職人仲間から熊野筆をわけてもらったとあります。
なでしこ達がもらった熊野筆です。
熊野筆だけでも高価です。
良い道具で納得のいくものを制作しているのだなと、頭が下がります。
細いところが、熊野筆ですと良く描けるそうです。
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次は、もう工事のようですとメールにありましたが、良く意味がわかりません。
象牙を加工するのが大変なようです。
その理由は、昨晩わかりました。

つづく
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2011年05月07日

新C.さんとコラボの道2

サンク・カロさんへの手土産何にしましょう。サンク・カロさんは、全国の百貨店の催事場に出展していますので、デパートで売っているものは、避けたいところです。
そんな折り、新聞の折込チラシで、荻窪にあるのフュッセンさんのシュークリームが新価格160円で、発売開始とありました。
(長らく、お店の名前を間違っていました。すいません)
地元の有名店なのに、そこのものを食べたことは、ありませんでした。
シュークリーム好きなので、早速買いに行き、手土産候補に、ミニマドレーヌも買いました。
あまり美味しそうに見えない、無骨なシュークリームでしたが、
バニラビーンズが入っていない硬めのカスタードクリームは、安心な美味しさが広がり、
これで160円とは、お得感が広がります。
お得好きのサンク・カロさんに持っていきたいところですが、日持ちに問題があります。
ミニマドレーヌは、残念な感じでした。
ある程度、日持ちすることも考慮しなければなりません。

そこで、最近、お菓子大臣さんのお友達から頂いた
世田谷区桜丘のヴォアラさんのゼリー
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大人味で、食べたことのない味で美味しいので、このゼリーにするかと思い、ネットを調べると、
生ケーキ、もっと美味しそう。
でも、駅から結構歩くようで、自由時間がほぼ無いハンコ屋には、買いに行けません。

バーバラさんに、相談しているうちに、
渋谷ロゴスキーさんに、レトルトのボルシチがあるはずと情報を頂きました。
早速行くと、売ってましたボルシチ。
レジに大き目のチェブラーシカとゲーナがいましたので、
「これは、ロシアのですか?」
「日本のもので、映画の宣伝のために、映画会社の人が置いていったものです。一応非売品です。」
「やっぱり日本っぽいですよね」と余計な会話をしつつ、ボルシチのレトルトを購入。
手土産の準備完了、後は無理を言いに行くだけです。
posted by 一日3本 at 10:22| Comment(2) | TrackBack(0) | サンク・カロさんと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年05月06日

新サンク・カロさんとのコラボの道1

5月4日、幕張メッセのフリマに、サンクカロさんに会いに行きました。
愛の告白のためでは、ありませんが(笑)
<プロローグ>
今年の2月の飲み会の日に、サンク・カロご夫妻用の実印を渡しました。
モチーフ入りは、絶対に登録できない自治体に対して、隠しモチーフでのチャレンジで、
もし登録できなければ、普通に彫り直しますからと、自分で条件を付けての印刻でした。
友人に対してしかできないことです。

今回は、まったくのオマカセでのご注文、これまた難しいです。

お彫りする前日に、やっと考え始め、
サンクカロさんには、時計の皮ベルトのシルエット、ギター、
誰もがわからない(笑)うさぎの後ろ足を隠しモチーフとして、織り込むことを思い付きました。
タッちゃんさんには、時計の皮ベルトのシルエット、太陽と月、
タツノオトシゴを隠せることがわかりました。
よく、思い付けたと、我ながら感心します(笑)

実際に彫ってみると、ギターと月が、それぞれ登録の際に、チェックされる可能性が残りました。
後は運次第。

そして、しばらくして、タッちゃんさんからメールが来て、
何も言われず無事登録できたそうです。
勝利!
また時間が経ち、今度は、サンクカロさんから
役所の忙しい時間、時期を狙っての頭脳的印鑑登録、これまた、何も言われず無事登録に成功。
完全勝利です‼

2月の飲み会の席で、サンクカロさんが、
「海外に行く度に、虎の時計探しているのですが、なかなか無くて」
「この間、ディスカウントストアで、エドハーディの虎の時計売っていたんですが、
 それを買ってきたら、作ってもらえますね。
 もう会社印、今回の実印とだいぶん凝ったハンコ作っていますから、そろそろこちらの番で(笑)」
更に
「サンク・カロさんの時計。文字盤をはさんで基本、対象じゃないですか。
 でも、ぼくは非対称好きなので、アシンメトリーで片側にだけトラメ石
 黒の皮に黄色い縞を入れてもらい、後はどうやって、はんこ屋をしめすか」
「象牙のはんこ、つけたらどうですか」
「さすが、サンクカロさん。そうか象牙のはんこをつけてしまえば、いいんだ。
 彫ってから、印材屋さんの指定サイズカットしてもらえばいいんだ」
「実際に使えた方が面白いですね」

ということで、虎の時計を購入。
後は印鑑登録成功を待っていたわけですが、
無事できましたので、いよいよこちらの番です。

頼む側が、楽しいけれど、立場は弱いシステムなので、
さてサンク・カロさんへの手土産を何にしましょう。

つづく。
posted by 一日3本 at 08:51| Comment(0) | TrackBack(0) | サンク・カロさんと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする