2008年02月13日

直接指導は、ちょっと

電話が鳴りました。
「名古屋のMと申しますが、極楽鳥という彫刻機を購入して
 印相体で字を伸ばし、枠につけてみたんですが、うまくいかず、
 コツがあるのかなと思いまして」
「名古屋にMくんという友達がいるんですが、違いますよね」
「違います」
友達でも、その友達の親戚でもありません。
まったく知らない人からの突然の電話です。

「あなたは、はんこ屋さんなんですか」
「はい、鋳造の方です」
ゴム印屋さんのようです。
「ゴム印の方がヒマなので彫刻機を購入したんですが」
「その極楽鳥という機械を使っていませんし、
 触ったこともありませんが」
「印相体のコツが知りたくて」

機械の字では、ダメだと気付いたことを評価して
多少指導してみますか。
本当にコツを教えるとすると何年もかかりますけど(笑)
それにしても、別に当店は印相体普及協会とかではないし、
商売上の秘密(笑)を教えるいわれは、ないのですが。
ゴム印屋さんなら、仲良しのはんこ職人さんが近く
一人くらいいてもいいのにと思うのです。

「まず、横棒ですが篆書体はやや下に向いています。
 それに対して印相体の場合横棒の両端を、上に向けます。」
「いくつかの横棒は、上を向いていましたが、
 下を向いているのもありました」
うれしそうなので、文字によっては、
下向きにして押さえた方が良い字もあると言わないでおきました。

「縦棒の真ん中の線は、できるだけ真っ直ぐにします。
 真っ直ぐにしないと曲がって見えてしまいますから」
「はあ」

「枠につける線は、出来るだけ、なだらかにカーブ、
 曲線になるようにします」
「曲線ですか」

「手で書いてみれば、わかると思います」
「やっぱり書かないとだめですか」
「だめです。
 今、時間に追われていますのでこのへんで」

はんこ屋職人養成講座は、同業者のみなさんに刺激を与えて
機械彫りとは、あきらかに違う印鑑を作る人が、増えればと思い
書いているところがあります。
ブログを活用してくれることは、うれしいのですが。

しかし、知らない同業者への直接指導は、ちょっとなのです。
いつも、忙しいですし、商売のことを尋ねるならば
それなりの報酬と考えるのが大人です。
まあ報酬といっても、虎屋ういろとか虎屋ういろとか、です(笑)

印相体にするにあたり一番肝心なことを、指導し忘れていました。
その印鑑を使う人の発展を願うこと、気持ちを入れることです。
彫刻機の前で、彫り上がるまで、応援しても、気持ちは入りません。
恐れずに、印刀で仕上げしてみましょう。

もうひとつ、おまけで伝えましょう。
ゴム印鋳造との大きな違いは、
ゴム印作成の場合、版下作成費は
実質頂いていないでしょう。
例えば、中国人のお名前でで日本の漢字にはなく、
作字しても、ゴム印の料金は変わらないところが、
ほとんどでしょう。
しかし、印鑑の場合、印稿書きこそ、価値があり、
そこに技術の差が明らかに出ます。
印稿書きこそ、
印鑑の料金で一番大きい部分といってもいいくらいです。
ですので、印稿書きに時間をかけるのは、いいことなのです。
ここが、まったく違います。

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posted by 一日3本 at 14:31| Comment(2) | TrackBack(0) | はんこ屋職人養成講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
もしかして「極楽彫」ですか?
先日のアメイジングとか、印章彫刻機って
いろいろありますねぇ。
webでカタログ見る限り「ヒマなので購入」なんて
モノではないと思いますけど(苦笑)
Posted by まったり at 2008年02月14日 11:46
コメントありがとうございます。
漢字間違っていました。「極楽彫」でしたね。
業界誌の広告で見たのですが、
あの社名のロゴを見て、200万以上のものを
買う勇気は、はんこ屋にはありません。

印材屋さんの話によると
サンビーさんの「優楽彫」(多分この漢字)が
今、一番きれいに彫れるらしいです。
Posted by 一日5本 at 2008年02月14日 12:10
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