2007年09月15日

ご印鑑注文時に1

<個人の印鑑注文時に聞くべきこと、説明すべきこと@>
当店は、接客時間が長いのが特徴です(笑)
実印、銀行印ご注文時に5分で終わるお店が多い中、
20分、30分と普通にかかります。
印鑑のご注文は、はんこ屋にとっては日常業務でも、
一般の人にとっては一生のうちに何度もあることではありません。
その縁を大切に考え、話しているうちに、長くなってしまいます。
おしゃべりだから、という説もあります(笑)
ブログで再現してみましょう。

1.何に使う印鑑を作りたいか尋ねます
「実印ですか、銀行印ですか」と声をかけ、
 実印、銀行印、認印どれを作りたいか確認します。

 実印と銀行印と併用したい場合、
 男性の時は
 「併用することは、手続き上問題ありませんが、
  無くしてしまった時2本無くしたのと同じ事になります。
  一生の内で大切な印鑑は実印と銀行印2本作ればいいわけ
  ですから分けた方が良いと思います」と、
 できるだけ併用させません。

 女性の場合は、(自分で事業をされている方は別として)
 一般的には男性より実印を使う機会が少ないです。
 併用して無くした場合の手間には、軽くふれ
 「女性の場合は、大切な印鑑はこれ1本とされる方もいます」と
 無理に併用を止めません。

 ただし、認印と銀行印の併用はできるだけ阻止します。
「通帳から印影が消えたのは、印影をスキャナーで読み込んで、
 機械で彫り、合い鍵を作るように印鑑偽造する手段が一般的?に
 なったからです。
 うちは、手で彫りますので、まず偽造の心配はいらないのですが、
 それにしても銀行印は人前に見せない方が良いです」

2.サイズを決めます
  実印
  「男性は15ミリ、女性は13.5ミリ丸が標準ですが、
   12ミリ丸以上であればどこでも登録できます。
   8ミリの四角より大きくという規定があり、
   少しでもはみ出せば良いとなると10ミリ丸でも通ります。
   しかし8ミリ角の対角線は約11、4ミリなので、
   12ミリ丸あればい完全に8ミリ角より大きくなります。

   実印は、人と並べて押すことが多く、
   小さいと相手より引くというイメージができてしまいます。
   木で作っても一生で1本でいいもの、
   あまり小さいものはオススメできません。
   ここ数年、男性も女性も今までより一回りずつ
   大きくする傾向があり、
   男性は16.5ミリ、女性は15ミリで作られる方が
   結構いらっしゃいます。
   直径でいうと1.5ミリの違いなのですが、
   面積でいうとかなり違い、正直大きい方が見栄えがします。」

  銀行印
  「通帳から印影が無くなり、
   銀行印は人前に見せないものになっていますので、
   認印と区別を付けるために認印より一回り大きい
   12ミリ丸作られる方が一番多く、次に13.5ミリ丸です。」

  認印
  「10.5ミリ丸が標準で、
   仕事でお使いの場合は役職がついたら
   12ミリ丸はあった方良いでしょう。
   昔からの建設会社では、
   役職の上の人から一番大きく、
   順番に印鑑のサイズを小さくするのが
   慣習のところもあるようです。
   モチーフを入れたい場合は12ミリはない
   とキツイことが多いです」

3.印材を選ぶ
  ラクトやアクリル、彩華(白樺のチップと樹脂を混ぜたもの)
  など人工の印材もありますが、
  印鑑は永く使うものなので飽きのこない、
  象牙、牛角(白)、黒水牛、本柘(ほんつげ)から、
  なるべく選んで頂きたいです。
 「本柘と、黒水牛以上のものには差があります。
  本柘に比べ、黒水牛以上のものには重さがあり、
  重さは押しやすさにつながります。
  また、粘りがあって強さがあります。

  本柘で作って頂いた場合の注意点は、どんな良い木を使っても、
  朱肉の油分が入って固くなりすぎて弾力がなくなり、
  脆くなっていく傾向があります。
  本柘で作った場合は、使い終わった後、
  できるだけ印面を拭いておきましょう。

  黒水牛以上のものは、油が入っているほうが良い状態なので、
  気にせず使えると言うのが良い点です。
  牛角、象牙と高い印材ほど朱肉との
  なじみがよくなっていきます。

  牛角で、そのお店の実力がある程度わかります。
  牛角は1本ずつ模様が違い、当店では
  アメ色の一番良いものを使用したいと思ってます。
  しかし、アメ色のものは、一番良いランクの中でも
  10本に1〜2本しかなく、
  入荷しない時はまったく入って来ないのです。
  僕が彫るので、お見せしたものが彫れるのが良いところです。
  しかし、取次ぎ店では、見せられたものと
  彫り上がったものが違います。
  アメ色の牛角自体持っているお店が少ないでしょう。

  手で彫るところは、材料費より手間が大切なので
  どの印材でも一番彫りやすい一番良いランクのものを
  使用するのです。

  象牙は、密輸入品ではなく、正規輸入品ですよというシールを
  付けて販売することになっています。
  象牙には象牙にしかない良さがあります」

4.彫る名前を書いていただく
  ここで、印相体でざっと書きながら、雑談を。
  もう既に、大分話してきましたから、
  はんこ屋さんに慣れてきたころです。
  ここらで、お客様の職業を聞いたり、
  はんこ屋がその時話したいエピソードなどを披露します。
  もう、これで、お客さまは、しぶちかはんこ屋の虜です(笑)

あまりにも接客が長く、一度で書ききれませんでした(笑)
つづく。
 
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posted by 一日3本 at 23:59| Comment(0) | TrackBack(0) | はんこ屋職人養成講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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