丸の中にどのような順番で字を置くかは、美しい印鑑を作る上でとても重要です。
1番覚えておいて欲しいことは、印鑑は常に縦書きであることです。書体見本の180西村、181村田、202小坂
と普通の横書きと押して逆に並んでいます。
これは印鑑は縦書きなので、1文字ずつ1行目2行目となっているので、右から読みます。
漢字2文字をお彫りする場合、Aの縦入れかBの横入れです。横入れで少し段差を付ける書体見本202の千鳥もあります。
縦入れはレイアウト的読みやすさがあり、認印として使うなら縦入れがオススメです。
横入れは漢字が縦長になりバランスが良くなります。また上から下におろすのではなく、横に入れて止めて貯まると銀行印として縁起が良いとされています。
とにかく印鑑は右から読むことを忘れずにデザインしましょう。
姓名をお彫りする場合は右に姓、左に名です。
Dのように姓と名で文字数が違ってもこのルールでレイアウトすべきです。
左右で横棒の数が極端に違う篆書体の場合、少ない方の文字を折り曲げて少しでも横棒の数を近づけてみましょう。
左右の文字の太さは同じに見えなければならないのもルールです。
漢字3文字をレイアウトする場合には気をつける点があります。E〜Hでどのレイアウトを選択すべきでしょうか。
漢字3文字の姓または名で真ん中の2番目の文字の画数が1番少ないと書いてまとまります。
佐々木さんが良い例です。
書体見本194幸之助もその例です。
では真ん中2番目の字が1番画数があった場合はFの横入れが比較的まとまります。しかし、3文字を右から並べるとなんとなく、現代の横書きとの違いから違和感を与えてしまうかも知れません。
またE.Fのように3文字を縦並び、横並びにすると窮屈感が出てしまいます。
そこで、GHの1文字2文字、2文字1文字です。
この方がまとまり易く、画数の多い文字を1文字にします。
1番目の字が1番画数が多ければ、G
3番目の字が1番画数が多ければ、H
2番目の字が1番画数が多い場合は、意味で区切れるところか、ラフデザインを2パターン作って決めましょう。
レイアウトが間違った印鑑のデザインをしてしまうとそれだけで格が下がります。
いつも縦書きを忘れずに。