2021年06月15日

印鑑に使われる漢字の書体その2

印相体kと吉相体L

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印相体は日本独自な山梨県生まれの書体です。

山梨にはどうして、はんこ職人が多いのでしょう。

昔、山梨には足袋職人さんがたくさんいました。ところが、日本人が足袋を使わなくなっていき、そこで、その職人達をはんこ職人に変わっていったようです。

山梨は、以前はんこに使われた水晶がとれたことも一因のようです。

そして、山梨県六郷町で印相体が生まれました。

篆書体をベースに枠と文字が八方位に付くようにアレンジして彫るものです。

八方篆書体とも呼びます。

その山梨の人達が全国に訪問販売をして、枠と文字がくっついていると、縁起が良いを広めました。


商売の町、大阪では縁起担ぎのこの書体が好まれて、東京では訪問販売によって、場を荒らされて、篆書が正しいもので、印相体は邪道だとされたようです。

もう潰れてしまった渋谷109にあった馬場印房さんの初代が全国の印章組合だった時に、印相体反対論が多い中、静観の姿勢を打ち出したそうです。 

その後も枠についていると縁起が良いは、簡単に広まり、印相体に真似て、吉相体というのを始めてしまったようです。八方位を意識せず、ただ枠と文字を付けておけばいいんだろうが吉相体のイメージです。

正直、吉相体Kの方がデザイン的に簡単です。

八方位に枠を文字をくっつけて、バランスをとるにはデザイン的アイデアが必要な時もあり、それによって独特のものになる気がします。

当店では、最初は印相体は山梨に頼みましたが、それを見た初代のおじいちゃんが、印相体は篆書体より彫る面積が少ないから簡単と自分で彫るようになったようです。

二代目の父は、占い師さんと組んで、印相体3本セットをよく彫っていました。

三代目は、印相体はスキャナーによる機械彫りの偽造防止にもなると気付きました。

そして、印相体でもアレンジの仕方で雰囲気が変わることにも気付きました。

印相体は、字林がないことでオリジナリティも高まり、枠と文字を接することで縁起も担げて、偽造の心配もいらない、当店のお客様にぴったりの書体と彫り続けています。

posted by 一日3本 at 07:10| はんこ屋職人養成講座G | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする