何年か前に、落款印はどこに空間を作るかを文字より先に考える必要があると気付きました。
書を学ばれている方から、余白の大切さを先生からあらためて、言われたとの話を聞き、落款印でも最初に空間を考えるべきだと思えるので、同じなのですねと正しい方向に進んでいると実感しました。
ところが、篆刻の鑑賞と実践の本を開くとあっさりと空間の大切さが書かれていました。
いくつも彫ってたどり着いたことが、あっさり書かれていることは、2度目の経験です。
以前タイポグラフの本を立ち読みした時に、印相体の印鑑をデザインする時に気をつけていることが、あっさり書かれていて、こんなに簡単に知ってしまっていいのと思ったものでした。
空間のデザイン法として、留空呼応法といい、文字の画数から自然とできる場合もありますが、空間を意識的に呼応するように作るものです。
それは、左右、上下、対角、周囲とあります。
その本の見本を書いてみました。
左は対角です。
左上の「生」という字に空間ができるので、右下の「無」という字を簡略体を用いて空間を作っています。
この字の形を知りませんでした。
上手い。
右側は上下です。
上下の枠も太くしているのも意識的だと思われます。
こちら側の凄いところは、文字の曲線と直線の調和です。
上手い。
サンズイをこんなにも切れ切れにして読めるのも凄いです。
勉強になりました。
この留空呼応法は、意識すればでき、経験でより上手になれます。
次の空間強調法は難しいです。
それは次回。
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