2017年05月16日

複雑印相体(仮)

当店では、印相体でも篆書の辞書さえあれば、読める様になるべく現代の字形に近い篆書などをベースにしてお彫りしています。
篆書で現代の字形とかなり違う場合は、それを説明するようにしています。
個人の実印は、アレンジし過ぎると、読めないために印鑑登録が出来ない場合があります。
当店で実印用にお彫りした印鑑が登録出来なかったことはありません。

世の中には、はんこは何が彫ってあるか判らないくらいの方が良いと考える方も意外と多いようです。
判りにくいといっても、機械彫りの印相体で文字を枠からはみ出し過ぎで文字として成立していないものは問題外です。

カタカナやアルファベットの会社名で一見何が彫ってあるか判らなくして欲しいという要望にも自分が応えられることに気付きました。

複雑に文字をアレンジして難読にするノウハウがもう自分の中にありました。
いつもと逆のことをすればいいわけです(笑)

1.直線を無くす。
真ん中の縦棒は真っ直ぐに彫ることで基準が出来、印鑑がまとまります。
あえて、直線を無くし曲線だけで構成すると基準がなくなり判読しにくくなります。
「木」を例にしてみると、
C6E19D66-F085-46BD-96A7-E8B4EF0CAC54.jpg
@がしぶちか印相体、Aが直線を無くしたものです。

2.文字を積極的に縦方向、横方向に折り曲げる。

Bがそれです。左右対称の文字がここまでになりました。

3,2文字以上お彫りする場合はできるだけ文字と文字をくっつける。
通常は真ん中の縦棒は他の文字に付けないことで、文字と文字の区別がつくようにしています。文字の区別をなくす方向です。

この3つのアレンジルールで新書体が出来そうです。
縦棒真っ直ぐの基準を無くして、どのくらい美しい印影が作れるかは自分との戦いです。

それはそれとして、この書体の名前をどうしましょうか?
書体名によって、注文の数が違ってきます。
でも新書体名を公募したりしません(笑)
つづく







posted by 一日3本 at 10:56| 新書体への試み | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする