2016年07月08日

金額で評価される

知り合いのために、書に押す落款印をお彫りしました。
フルネームを白文(白抜きの字)、下の名前を朱文でお彫りしました。
それを、書の大先生にお見せしたところ、
「これは、いい。2本で、2万いや3万5千円」と言われたそうです。

自分が彫ったハンコを金額で、評価されたことはないですので、スゴく新鮮です。
審査員を務めこともある大先生が評価した3万5千円は、どのような金額かというと、1990年に印章組合が出した手彫り標準価格に消費税8%を加えた金額とぴったりです。
あらためて、その大先生の評価の正確性を感じます。

更には、このはんこには応援する気持ちが表れていて、文字のデザインが素晴らしく、この落款印を押すことで、書の作品の格が上がるとまで、言って頂いたそうです。

正にそのようなことを目指して、お彫りした落款印。
落款印自体が一つの作品として、評価もされますが、所詮、自分はアーチストではなく、はんこ職人です。
落款印それ自体ではなく、書や絵の作品に押すことで、その作品が少しでも良くなるようにと想ってお作りしています。

真剣に作ったものは見る人が見ると、作り手の意図まで、分かるものなのだなと、有難く思いました。

今回の朱文は自分でもとても、良く出来たと思っています。

2CC64555-F10D-4C75-A033-4E3B89F560FB.jpg

サンズイをこのような形に彫ろうと思いついて、全体のデザインが決まっていきました。
今まで落款印は文字をこねくり回していた感がありましたが、シンプルかつユニークにお彫り出来ました。

木に石に彫ったような感じに彫る模刻と言われるものです。そのため彫るのに時間がかかります。
普段あまり落款印を彫らないからというのもありますが、一日かけて、2本彫り切れませんでしたので、自分としては5万円でも合わないくらいなのですが(笑)

印相体を極めようと日々彫り続けていると、他の書体をたまにお彫りすると、あら、上達していると気付きます。
伊藤若冲さんが、鶏を描くこと、一つのことを極めると、他の題材も描けるようになると言っていたことに通じる気がします。

とても嬉しく誇らしい気分になった金額での評価でした(笑)


posted by 一日3本 at 09:11| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする