2016年06月07日

テレビドラマの小道具としてのハンコ

電話からのお問い合わせで、約10日間で14本のハンコを作れますかと聞かれました。
うちは基本、手彫りのお店ですけどと言いつつ、なぜ14本ものハンコが必要なのか、興味がありましたので、話を聞いてみました。
するとゴム印も含めての14本で、大切な印鑑だけ手彫りならもしかして可能かもと、ご注文内容によりますととりあえず答えてみました。
うちは値段が安い訳ではないですが、販売するものはなんでも品質には自信がありますと伝えました。
この一言が後々作業を大変にしました(笑)

ご来店頂いてお話を聞くと、テレビドラマの小道具として使うゴム印や印章で、頑張って手彫りをする必要はなく、普段はいとこに任せている機械彫りを自分でやれば、それなりにできるはずと、ご注文を受けました。

昭和20年代のお話らしく、プラスチックはダメ、印相体は昭和30年頃に出来た書体なので、ダメ。

初めて、印相体が昭和30年頃に出来たと知りました。
ということは1955年くらいからですので、もう60年続いている書体となります。
印相体は伝統がないから偽物だという職人さん達の主張は、よく分からなくなります。
ダメなものは、60年も続かないはずです。印相体は書体というよりアレンジの仕方なので、職人さんの技量がわかりやすく出でしまうのが、嫌う理由ではと勘ぐりたくなります(笑)

話がそれましたが、安易にゴム印は、木のにぎり台でと受けていましたが、持ち手のところが、プラスチックです。
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昔は持ち手も木でした。
10年くらい前までは、うちにも木の持ち手があったのですが、もう処分してしまいました。
印材屋さんに相談すると別注でにぎり台を作れば、全部木でできますと言われました。背に腹はかえられず、お金をかけて作りました。

更に昭和20年代、手彫りしかないよなと思い、パソコン上で字を作ったり、枠だけ軽く仕上げたりして、まあまあのものが作れました。

たまに、テレビドラマの中で使われるハンコを見ると、このシーンで、こんなどうでもいいハンコでいいの?と思ってました。

自分が関わった以上、もし印影が映ったとしても、それを他のはんこ職人さん達に違和感なく見れるように、作れたと思います。意外と器用です(笑)
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オンエアーは1カ月くらい先からのようです。
posted by 一日3本 at 22:53| 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする