2015年12月25日

3.わたしはハンコ

「チン」
あっ呼んでる。行かないと。
「あなたじゃないから、あなたあなたで忙しいのでしょ」
隣のお店のスタッフを呼ぶ呼鈴に、うちのはんこ職人はいちいち反応します。

「ホント。いつもいつも楽しそうね」
「この仕事だけではなく、仕事すること自体が好きなので、毎日楽しいよ。勉強は嫌いで、力仕事はできないけど。」

わたしが出来上がったはんこを袋に推して、何度もまっすぐ押せずにいると、
はんこ職人が口出してきました。
「まず、はんこを押す袋を身体の正面に水平に置く。
EF289719-CF1A-4A2E-A510-2112B1C7B0F4.jpg
朱肉を置く位置が間違っていて、右利きの人は押す袋の右側に置く。
DED94A2F-976B-4212-9FE9-F7D91F292BDA.jpg
朱肉を付ける前にはんこの上正面を確認する。
朱肉を付けた後ももう一度はんこの正面を確認し、印面の向きをイメージしながら押す。」
「もう早く教えてちょうだいよ」
「結果がすべてなので、どう押しても、上手く押せればそれでいいので。誰に教わった訳でもないので」
面倒くさい人です(笑)
「あと、桜サービスしておいて」
「はい、桜サービスですね」
なんでもない安っぽい白い袋に桜のスタンプを押すとそれっぽく見えてしまいます。
こういうことを簡単に思いつけるところが頭にきます(笑)
D6EBCE50-1776-4AE6-B10B-DEB3067721DB.jpg2EA83EE9-7478-4740-AA73-60945F75550A.jpg
わたしが作った機械彫りでも立派に見えます。
posted by 一日3本 at 12:34| わたしはハンコ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする