2015年07月10日

実験してみよう

お客様への説明として、
今の偽造の手段は、印影をスキャナーで読み取り、機械で彫るものです。
僕の彫った印相体のはんこを機械で彫っても、文字と枠の接しているところは機械ではうまく彫れないので、偽造の心配がなくなります。
それは印材側が真ん丸でないのに対して、機械が真ん丸に彫ってしまうからです。

昔ながらの篆書では、四隅しか枠に付けませんので、その枠を整えるのは、そんなに難しくないです。

ここで、篆書の手彫りのはんこを偽造され、1千万円の外車を購入したことになりそうになったエピソードをお話しします。

さあ実験です。
篆書の印影をスキャナーで読み取り、データの修正などせず、どこまで、似たものが出来てしまうか、やってみてもらいましょう。
印材屋さんと彫り屋さんの協力を得て、はんこ屋のスタンダード、松碵社さんの書体見本の印影を印刷されたものを使いました。
しぶちかはんこ屋が彫った篆書ですと、コピーし易いように簡単に彫ったと思われると思いましたので(笑)
同じ印影のものを作ってはいけないので、通常はしないことです。
あくまでも実験です。
印材屋さん、彫り屋さんありがとうございます。
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鶴田浩二さんと彫ってあります。
右の白黒を元に機械に彫らせたのが、左側の朱色のものです。
文字はそっくりです。
なぜか「田」の中の棒が縦横とも太いので、そこを少し削り枠を整えると、どちらがオリジナルか分からないくらいになると思います。
仕上げ時間は5分程度でしょう。
更に、これは彫り屋さんが普段通りの枠の太さを設定したと思われますが、彫る時に枠を細く設定してしまうと、より簡単に仕上げが出来てしまうでしょう。

印相体もやってみたのですが、なぜか文字がオリジナルなるより細く出来てきました。
これがたまたまなのか、字が混みいっている印相体だとそうなるのか不明です。
文字の形はそっくりです。

やはり、枠と文字はたくさん付けておいた方が安全が高まると、自分なりの結論に達しました。

実用品であるはんこでも、印相体を認めず、篆書などにこだわり続けていていいのでしょうか?
印相体も所詮、篆書のアレンジと、認めた方が良いのではと愚考致します。

posted by 一日3本 at 13:52| Comment(0) | TrackBack(0) | 印相体職人養成講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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