バーキンさんから
航空会社のパイロットのROLANDさんにお世話になり、
印鑑をプレゼントしたいので、
それ風のアレンジでお願いしたいんですがと
メールがありました。
パイロット風のアレンジってなんだ。
そんなアレンジあったのか?(笑)
しかも現在海外にお住まいのバーキンさん、
日本に滞在中の1週間で欲しいという事です。
うーむ、また難題をと思いきや、
ROLANDと書いてみると
アルファベットでなんとなく飛行機になりそうです。
あら、すぐに思いついてしまいました。
これはColorful Color Companyさんが
アルファベットでお顔にしていたのを見ていたからでしょう。
普段の努力が実を結びます。
バーキンさんが来店予定の前日、やっと印稿を書き始め、
日本の意匠を取り入れ、雲を入れるとよくなると
思いつきました。
そこでピエブックスの『日本の図像』を開き
雲の形を研究しました。
そして、まず鉛筆で書いてみると、
飛行機に見えるか気になり始め、
ご来店された初めてのお客様にも見せ、意見を求めていると、
何人目かに鋭い意見が聞けました。
「飛行機ならば、先が細くなってないとダメです」
「なるほどね。何かデザイン関係のお仕事ですか」
「ただの酔っ払いです」
酔っ払いの意見も取り入れつつ(笑)、ほぼ完成。
翌日来日したバーキンさんに見せると、
今回別に頼む予定の龍のイラストのゴム印に
雲を入れて欲しいと参考資料に雲のイラストをお持ちでした。
偶然の合致ですが、このように感性が近いところがあるのが、
バーキンさんのために変わったはんこを作る気になる
理由でもあります。
ほぼ1年の間に作った変わったはんこの印影をお見せすると
「どれも素敵だけどやっぱり私はこれが好き」
「どれですか」「教えません」
「こんなはんこを作っていると、
一般的なはんこ屋さんで無くなって、
世間がついて来てない感じがするんです」
「そうですか。私的にはキタキタですよ」
そして出来上がったROLANDさんのはんこは、
誰に見せてもカワイイというものになりました。
バーキンさんにも気にいってもらい、
プレゼントするのが惜しいと言われていましたが、
ROLANDさんと彫ってありますので、渡すしかありませんよ(笑)
バーキンさんは個展を開いては、などと言ってくれましたが、
「はんこは売約済ではなく、すべて売却済なので、
意味ないですよ」
「興味を持ってくれた一人一人に合わせた注文をとれば」
「そんな事したら、
精神的にも肉体的にもボロボロになりますから」
「個展を開く時は、このはんこを回収して持って来ますから」
その印影は、このようになりました。
”D”の中には、
航空会社さんのロゴマーク風なものも入れてみました。
以前無理を聞いたことで、次の印鑑につながった良い例です。
変わったはんことは、唯一無二、
他には同じものがないことが強化されたものと思っていましたが
世間的には、肉球や桜のイラストなどが入っていれば、
パソコンのフォントを使っても変わったはんこというようです。
似たものがないからこそ、価値があると思うのですが
ここでも世間とのズレが。
世間とズレていく、はんこ屋さんは大丈夫なのか(笑)
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