<どうして、こんなにも>
印相体について、悪いことばかり、ネットで書かれているのでしょうか?
1.機械彫りの印相体で注文した人の失敗談。
2.機械彫り業者もクレームにつながる可能性のある印相体を否定していると考えられます。
他の書体はただ配置しただけでも良いのに対して、印相体は枠に付けなければならないので、
余計な時間がかかる点からも否定するでしょう。
3.印章組合加盟店も、過去に印相体否定を失敗しているにも、かかわらず、いまだに否定しているようです。
4.印相を売りにしている業者も、自分の印相は正しく、他の印相は間違っていると否定してきます。
印相体の悪い話にばかりになるわけです(笑)
これだけ、悪い話があれば、ちょっとネットで印相体を調べた人達も、ダメと言い出すでしょう。
<どうして、印相体はなくならない?>
こんなに悪い話が多いのに、印相体はなぜ、日本で、印鑑の書体として、認められているのでしょう。
意外なのは、悪徳商法や霊感商法と思われる高額なはんこをお持ちの方は、印相体を否定しません。
(ケースの内側のマークで分かるのですが)
印材屋さんに意見を聞いてみると、もともとが行商で広まった印相体、高額な印鑑を手にすると
自慢したくなり、それでより広まったと考えられるという説を披露しました。
篆書体で有名な誰それに彫ってもらったんだと自慢されても、ピンと来ませんが
枠に文字が付いているから縁起の良いはんこなんだと印影を見せながら、自慢されてしまうと
納得してしまいます。
そして、人の想いこそ重要で、縁起の良いはんこを手にしたという気持ちで、
良い方向に物事が向かっていくことがあるのでしょう。
印相体否定する人とともに、表立って言いはしない印相体で印章を作ってよかったと
実感している方々もいるわけですね。
<一般の人へ>
印相体を肯定する意見お付き合いありがとうございました。
一人くらい印相体を肯定する職人がいても、いいでしょう(笑)
はんこ屋さん選びはとても難しいです。
普通、高いお金を出せば良い物が手に入りますが、
印章に限っては、そうとも限りません。
デパートや老舗文房具店など、当店より高いところがありますが、
残念なことに機械彫りです。
また開運と称して、高額なハンコを販売しているところもあります。
開運という言葉を使っているはんこ屋さんには、注文しない方がいいと思います。
開運はんこと言って販売することは、法律上ぎりぎりなことだからです。
当店では、決して開運とは言いません。
「縁起のよいといわれていることに則り、想いを込めてお彫りしたはんこです。
後は、お客さまの努力次第です」父の代からこのように言っています。
また安いところで良いはんこはありません。
はんこの価格の大半が、はんこのプロがどれだけ、そのはんこの作成に時間を掛けたかです。
安いものは、パソコンの操作を知っている人が短時間で作成したと考えて良いでしょう。
1.予算も時間もなく、安易なところで作ると決めた方に
アドバイスとして、機械彫り店のはんこは大同小異、一番安いところで安い印材でいいと思います。
但しアカネ(シャム柘)は本当に弱いので、薩摩柘かラクト(樹脂)が良いでしょう。
機械彫り店が通常使っていると思われる黒水牛はランクの下のものですので、薩摩柘で充分でしょう。
(当店では最高級の黒水牛を使っていますので、本柘より圧倒的に強さがあります自慢(笑))
機械彫りでは、印相体の選択は止め、篆書体か古印体が良いとおもいます。
2.一生ものの印章を作ろうと決意した方に
当店で作るのが一番イイと思います。個人的意見ですが(笑)
とにかく、説明よりも、書体見本を良く見ることです。
書体見本より、良いものは出来上がってきません。
ただ注意点は、松碩社(しょうせきしゃ)というハンコの下請け業者が作成した書体見本が
広く使われており、Webページまで、その書体見本が使われていることです。
当店のWebページでは全て自分で彫った印影を書体見本としています。
しかし当店でも店頭では、特に印相体以外の書体見本として松碩社さんのものを使っています。
父の代からその書体見本で注文を受けていましたので、
その雰囲気で彫るために何度も何度もその書体見本を見て、はんこの書体を覚えました。
大阪の百貨店に入っている印鑑屋さんの印刷された立派なリーフレット。
印章の長さは63ミリなどと色々な点にこだわり独特の印相らしいです。
ところが、効果的に使われている印影が松碩社さんの印影です。
印影にこだわりはないようです。
WEB上の書体見本を見ていると、あれ、これ他のお店で見たのと同じと思ったら
松碩社さんのものです。
そのお店で実際彫った印影を見て、金額が合うと思ったお店に注文しましょう。
言葉より書体見本です。
<はんこ職人さんへ>
ここまで読んでもまだ、印相体否定でしょうか?
あなた達の好きな篆書(印篆)の技術、棒を折りたたみ空間を埋めるや
へんとつくりの位置を移動するなど、印相体では、そんな技法が普通に使われています。
字林で文字を見る時、へんとつくりの位置関係(つくりの横棒はへんのどの辺りにくると美しいか)を
見ると思います。
印相体では丸い枠いっぱいに文字を配置しますので、文字として成立させるために、
へんかつくりのどちらかを上か下少しずらす必要があります。
字林の文字のバランスを崩してもなお美しく見える点をさぐる必要があります。
篆刻的要素があり、はんこ職人の技量がわかりやすく出るのが印相体と思いませんか。
印相体全てが美しくないと見えるのは、気持ちからです。
最近アメリカ人の男性にアルファベットで印相体で彫った印章をお渡しした際
美しいと誉められました。
しかし、美しく印相体を彫れる人は、ホントに少ないです。
印相体の悪い過去を払拭し、美しい日本独自の書体のはんこを作っていきませんか。
狭き道を行き、高みに。
2013年10月16日
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