
(上からABCDEFGHIです)
ネットのはんこ屋さんなどに、いいように使われてしまっている
完全手彫り、手仕上げという言葉。
手仕上げという言葉から受けるイメージと
印章組合の規定とのギャップが、
消費者を混乱させる一因となっています。
どうしてこんな基準を作ってしまったか、謎です。
父が中心で彫っていた頃は、Bの大野木式を使っていました。
三代目も最初は、この大野木式で練習しました。
この大野木式を今も使って彫っている地方のはんこ屋さんの
ホームページを以前見たことがあります。
この彫り方でも(完全)手彫りと言ってはいけないのでしょうか
とありました。
印材に直接字入れし、回転する針を手で操り荒彫りするわけで、
この工程が印刀ではないので完全手彫りと言えないというのです。
手で操るんですよ。
同じ職人さんが、A、Bどちらの方法で彫っても出来は同じと思います。
現在、うちの彫り方は公式ホームページで公開している通りGになります。
印稿を手書きしスキャナーで読み込ませ、彫刻機に太く荒く彫らせ、
その後、仕上刀で枠、字を整え、印鑑に息を吹き込むわけです。
完全手彫りを売りにしているらしいホームページで、
印稿を手書きする彫り方と完全手彫りの印鑑では、
品が違うとしていました。品ですか(苦笑)
重要なのは工程ではなく、
彫り上がった印影の美しさ、バランス、
そして偽造されにくさでは、ないのでしょうか。
完全手彫りを否定する気はありませんが、
接客をしない彫り屋さんならともかく、
お客さまに説明した上で、彫るはんこ屋には、
完全手彫りする時間などありません。
字入れの工程を手仕事ですれば、後は職人さんのセンス、腕次第。
落書きのような完全手彫りもあります。
手彫りの方が逆に腕の差が出やすいです。
完全手彫りが有り難いわけではなく、
腕のよい職人さんに出会うことこそが重要です。
はんこ屋が考える区分はABが完全手彫り、
CGの印稿を手書きするものを手彫り、
後の機械で字入れするものは全て機械彫り。
この区分の方が消費者にとってわかりやすい基準となると思います。
<はんこ屋さんの真偽を確かめるには>
手仕上げのところには、印稿を手書きしますかと尋ねるといいでしょう。
完全手彫りで事前に印稿確認ができるところには、
手書きの印稿を請求するといいと思います。
印稿が手書きかどうかは、よく見れば誰でもわかると思います。
大野木式彫刻機の写真

Gのお店の地図、Gの印鑑のインターネット通販は東堂印章公式サイト

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【関連する記事】
今回、「大野木式」で検索をして偶然こちらのブログを見つけました。
というのも、私もあるルートでこの図を手に入れ、気になっていたのが「大野木式彫刻機」なのです。
こちらの記事では「印材に直接字入れし、回転する針を手で操り荒彫りする」とありますけれども、これが大野木式の説明でしょうか?
とすると、ペンシル型彫刻機との違いはどこにあるのでしょうか?
業界(?)では常識かもしれない初歩的な質問で申し訳ありません。
ぜひ教えてください。
大野木式はペンシル型に
アームがついているといえば良いのか、
今の一般的な彫刻機の先の部分を、
パソコンで制御して動かすのではなく
アームを持って人が動かすというか、
言葉では難しいです。
もう当店にはないので、
はんこ屋の先輩にお願いして
写真を送ってもらうことにしました。
1週間以内には、
ここに写真をアップできると思います。
製作工程より印影が大切ですよ(笑)
大野木式を使った粗彫りは、ペンシル型による
粗彫りとは違って、針が垂直方向にだけ動き、
そして彫る深さも一定になる、ということで
よろしいでしょうか?
>製作工程より印影が大切ですよ(笑)
確かにそうですね。肝に銘じておきます。
というところでしょうか。
ペンシル型は使ったことないので
わかりません(笑)
ペンシル型は再発売になったとか。
最近当店の印鑑は、大野木式の方が良いのではと
思いはじめ、中古を探そうかと思ったのですが
印材屋さんに壊れたら修理はもうできないから
やめた方がいいと止められました。
大野木はメーカー名のようです。
もうありませんが。
これからもブログ楽しみに読ませていただきます。
今後一層のご活躍とご健康をお祈り申し上げます。