聞いたことがあるんですが、どうなんでしょうか?」
ある日のお客さまからの質問です。
「ケース中の朱肉を使うと、内にあるものを外に出してしまうので、
縁起がよくないと言いますね。
それより実際のところ、きれいに印鑑を押すには、
ぽんぽんぽんと4、5回叩くように朱肉を付ける必要がありますから、
ケースの朱肉では無理です。
印鑑を押す必要のある場合は、
その場所に朱肉があるのがほとんどですから、
その朱肉を使いましょう。
周りに朱肉がない時だけ使うためのものがケースの朱肉です」
「そうだったんですか」
「ケースの朱肉を使うには、ベチャと押し込むので、
余分な所にも朱肉が付き、繊細に彫ってあるのが台なしです。
縁起の悪いと言われていることは、実務上も良くないことが多いです」
牛皮などのちゃんとしたケースを仕入れると
朱肉が入っていない状態で入荷します。
そこにオトシと呼ばれるケース用の朱肉を入れて販売します。
このオトシ、大きく分けて2種類あります。
スポンジで出来ているものと布が張ってあるものです。
当店では現在、布を張ってあるものを使用していますが、
4年くらい前まではスポンジのものを使っていました。
実はオトシで布張りの存在を知らなかったんです(笑)
スポンジのオトシは、プラスチックのケースによく用いられてますが、
長い時間がたつと溶けてボロボロになってしまうんです。
一方、布張りは、薄くなったり、毛羽立ったりは当然しますが、
溶けることはないので、断然、布張りが良いです。
しかし、スポンジは朱肉を入れる所より多少大きくても入りますが、
布張りはジャストサイズでなければなりません。
スポンジの時は、3サイズ用意していましたが、
布張りにしてからは4サイズ用意しています。
時間をおいて、まったく関連のない二人から、
デパートで購入したという印鑑を彫り直しの注文を受けたました。
その時、一緒に印鑑ケースをお預かりしたんですが、
どちらも布張りの朱肉が入っていましたが、
両方とも裏表が逆でした(苦笑)
布張りのオトシには表裏があるのです。
目の細かい方が上ですよ。
そんな所で作った印鑑の印影は、言わずもがなです。
ケースはまだ使えるけど、朱肉が薄くなった場合、
100円で印鑑ケースの朱肉を交換しています。
専門店ならではのサービスなので喜ばれています。
ただし、サイズが色々あるので、
実際にケースをお持ちになった方だけへのサービスです。
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