時々ゴム印を注文してくれる青い目のお得意さんアーマンさんがいます。
テレビ局関連の仕事をされていて、
日本語は、しゃべれるけれど、
書くのは、ちょっと苦手なのでゴム印を作ってくれる感じです。
今回は珍しくゴム印ではなく
外国人の知り合いの実印を注文してくれました。
「実印にするのなら、
ちょっとこったデザイン文字にしていいですか。
こんな感じなんですが」と
カタカナのお名前を印相体でざっと書きました。
「いいんじゃない。
そういえば義理の父にもらってまだ彫っていないものがあるんだか、
ずっとほってあって、ほっといてもしょうがないので
彫ってもらえるかな」
「象牙ですか。象牙なら彫る価値のあるものかどうか
見ればすぐにわかるので一度見せて下さい。
古いものなら良いものの可能性が高いですよ」
「では、受け取りの時持ってくるよ。でも短いんだよな」
次に来店された時、その印材を持って来てくれました。

長さは45ミリ、直径15ミリです。
色が象牙のアイボリーよりベージュに近く、驚いたことに芯があります。
「この部分に芯が入っていますね。
芯持ちの象牙は珍しく、高価なものです。
長さが規格サイズですが45ミリと短いので、
お客様のような手の大きい人にはどうかな」
「義理の父から良いものと聞いていたし、
持っているハンコははっきり読めるものばかりだから、
デザイン文字のものお願いするよ」
「ありがとうございます。
芯持ちの象牙を彫るのは初めてなので楽しみです」
ところが、翌日印材屋さんに見せると、
「芯持ちの象牙だよ。初めて彫るよ」
「これ、象牙ではなく鯨の歯ですね。象牙にしては目がなさすぎますね」
「えっ、
鯨の歯は、虫歯のものが多く色が変色していると聞いていたから、
象牙といっちゃったよ。」
「昔は結構出回っていましたよ。鯨の歯は、象牙より硬いらしいですよ」
「堅いの、彫れるかな」
彫る前に印面を平らにするために、トクサで擦ると確かに、
象牙独特の臭いがありません。
(マンモスの牙は、擦らなくても臭います。
そのこともマンモスを扱わない理由の一つです)
やはり、象牙ではないようです。
とにかく彫ったことのない印材です。
実際彫ってみると、象牙と彫った感じは変わりません。
彫り上がり押してみると朱肉とのなじみが、
象牙に比べるとよくありません。
象牙の押し易さは、特別なものなのですね。
とにかく受け取りに来られたら、象牙でなかったことを謝らねば。
高価なものには違いありませんでしたが。
(今日、はんこ屋さんの展示会でマッコウとなっていたのと
質感が同じです。
展示会にあったものは、確かに虫歯になっているものが多かったです。
そして象牙より高かったです。)
今回のように長くはんこ屋をしていても、
1年のうちに2つ、3つは知らないことに出会います。
その時、はんこの歴史の古さを実感します。精進精進。
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渋谷109の隣にある鯨料理の高級店『くじら屋』さんに行き、
ランチを食べねばと思いました。
一人で食べるのも何なので、
自称プリンセスちゃんに「鯨食べれる?」と聞いてみました。
「食べたことありません」そうか、そんな世代か。
元美容師さんも「食べたことありません」です。
男気くんは「食べれますけど、好きじゃありません」
キュウちゃんから男気くんが食べ物の好き嫌いが多いと聞いていたので、
予想通りです。だから最初に聞かなかったんですが。
とりあえず『くじら屋さん』に値段を見に行くと
ランチ鯨の唐揚げ1250円〜とありました。
最低1250円のランチなのか、
あるいはランチも時価なのでしょうか?
給食で食べた鯨とは、まったく別物に美味しいのでしょうか。
気になることは、いっぱいありますが、
好きではないものに昼から千円以上出すのは、と躊躇してしまいました。
誰か『くじら屋』さん行ってみたい人は声かけてくださいね。
日本人は、鯨を食べたことのある人とない人で分類できるのですね。
そのボーダーはいくつなんでしょう?