2011年12月23日

えっ詩人?

「最初に来たのは、いつだったかな?」
「4月です。」
「というと8カ月。それだけ、足繁く通うと、
こんなはハンコを手にすることが、できるわけだよ(笑)」
「通勤途中なので、2日に1回は寄ってますからね」

転勤に伴い、はんこ屋の前を通るようになったちょっと障害のある30代男性、
仕事で使うゴム印をご注文頂きました。
ゴム印工場の間違いがあり、それを見逃して、渡してしまい、すいませんと作り直しました。
その時も、怒らず、
「気をまわし過ぎて、間違えたのかな。」
「ミスを見逃したのは、僕の責任です。」

そんなことがあり、もううちには、注文しないだろうと思っていると、またゴムのご注文。
またまたご注文の際に、「ちょっと安くしてよ」といいますが、
「そんなお店ではないので」と切り返します。

段々仲良くなっていき、はんこ屋が忙しいことに気付いていて、ただ話していくのでなく、
なんかちょっと注文したり、買ったりして、話していきます。

安くしてよは、お店の人とコミュニケーションをとるための言葉だったことが分かりました。

ある時に住宅ローンを繰り上げ返済を重ね、後数年で払い終えるといい、
さらに資産運用目的でマンションを4つ持っていて、
ローンの支払いと家賃収入で、少しだけプラスと言います。
人って分からないものだなと思いました。

ある日「今度、住宅ローン完済記念に、象牙のはんこ、作りませんか(笑)」
「はんこは、いっぱい持ってるからな」という会話がありました。

数日後、お持ちの象牙はんこ2本と黒水牛のはんこ1本をお持ち頂きました。
「これはイイはんこです。
 作り直す必要がありません。
 ぼくの象牙のはんこを作ってもらう野望は潰えました(笑)」

その後
「詩人なんですよ」
「えっ詩人?」
「詩集を出していて、たまーに、ちょろっと印税が入ってくるんですよ」
「次々に驚かされるな(笑)」

それから数日後、
「鬼猫って言うんだけど」
「その鬼猫は、何?」
「詩の中に、猫が出て来るので、
 まあ、ロゴかな」
「鬼猫名義の詩集なの?」
「春木で」
「もし鬼猫とぼくが、彫るならば、鬼は鬼っぽく、猫は猫っぽく、彫れるよ」
「じゃあお願いします」
ということで、サインした時に押すイメージの四角いはんこをご注文頂きました。
本人が書いた鬼猫イラストも入れました。

受け取り後、数日して、
「ホントに嬉しくて」と言ってくれました。
彫ってよかった!
鬼猫100.jpg
posted by 一日3本 at 09:06| Comment(0) | TrackBack(0) | 無理を聞く | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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