篆書の増減法については、確かこのブログでふれたことがあります。
篆書を石に彫ることによって、生まれた
印篆では、石に彫る時のバランス、彫りやすさから、
1,2本増やしたり、減らしたりするのが、ありというものです。
実際のところ、現在、実印銀行印でそれをしてしまいますと、
間違った字に思われてしまうことも、考えられますので、あまりしません。
1本減らすことで、バランスが明らかに良くなり、
違和感なく読める場合は、くっつけて減らすことがあります。
印相体の場合は、増やすには、伸ばして曲げるが基本です。
さて、見本を一つトレースしてみましょう。
「下官買字自給」
『字、自』を金文、大篆形を生かして、画数を多くしています。
朱文なので、上手にトレースできてしまいました。
さて、増減法は文字同士の画数を近くするために
@異体字を選択する。
A文字の画数を増やすしたり、減らしたりするだけでなく、
伸ばして曲げる(屈伸法)もその一つとあります。
色々な方法で、文字同士の画数のバランスをとるのが増減法といえるようです。
増やすことより、減らすことに興味があります。
見本に載っていた省略された、字義にかなった処理のされた字を書いてみましょう。
まったく読めません。
まだまだ、修業が足りません。
皆さんは、読めましたか?
左から『壽 齋 審 藝』です。
「橋一」さんを篆書と印相体で書いてみましょう。
なぜバランスの難しい名前を例にするかというと、難しいものほど、職人の実力が現れるからです。
左:篆書では「一」を字林に載っていた一番画数のある文字を選択してみました。
右:印相体では、だいたんにレイアウトも変えて書いてみました。
これは、難しいです。
Gなので出しおしみせずに書いてみました(笑)
2011年11月07日
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