2011年10月25日

1.均布法

均布法、言葉から想像すると、均等にすることかなと思います。
例に載っていた篆刻作品をまず、トレースしてみましょう。
均布法100.jpg
(本物はもっと上手です)

解説を読んでみると、画数の多少を考えて、筆画の間隔を平均に分布させる章法の基本とあります。
横棒は水平、縦棒は垂直、直角、斜めのラインは45度くらい。
この解説の最後にあまり、方形にし過ぎると機械的に見え、味わいが無くなりますので、
注意しましょうというようなことが書いてありました。親切な解説です。

さて、どんな字ならば、均布法が分かり易いでしょうか。
「里見」さんなんてどうでしょう。
まずは、篆書で書いてみましょう。
里見てん書100.JPG

ポイントは、「見」の「目」の下の部分、
ここまでは、ほとんどの場合、均等にした方が美しいです。

直線的な印相体、当店では構(かまえ)印相体と読んでいます。
枠の八方位に文字を付けるため、あるいは空間を埋めるためには、
斜めのラインが必要な場合が多いです。
その時に45度には、しませんが、
斜めのラインの角度を揃えた方が美しくなることは、経験則として、気付いていました。
里見構印相体100.jpg

均布法、基本だけに、プロのはんこ職人さんならば、気付いていたことかも知れません。
篆書が得意な職人さんなら、篆書でも、手仕事ならば、
色々なバリエーションを付けれることを説明し
同じ名前で彫った見本を用意するといいと思います。
そしてご注文時にその場でざっと書いてあげましょう。
印相体の得意な人は、もちろんですよ。

均布法は、基本ですが、
実際に彫る時には均布法部分と、あえてバランスが違う部分があった方が
個人的には好きです。
posted by 一日3本 at 08:27| Comment(0) | TrackBack(0) | はんこ屋職人養成講座G | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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