全国のはんこ職人の皆さん、
今、日本の印章制度が危機的状況なことは、なんとなくお感じでしょう。
震災後、アナログなものを見直す傾向があり、なんとか寿命が伸びた感はあります。
しかし、一番の問題点は、
安売り店で注文しても、専門店で注文しても、
はんこの出来上がりが、一般的な人にとって、あまり変わらないことにあります。
将来この時代のはんこ職人が手を抜いたから、日本の印章制度が無くなったと言われかねません。
お客さんが持っているはんこは、卒業記念の機械彫りのはんこだったり、
ネットで頼んだ素人が作ったようなハンコだったり、
専門店で頼んだものの、良くて機械の字を少しいじってあるだけ、
手書きの字を使っていても、バランスが悪かったり、仕上げが甘かったりします。
東京のデパートで作ったはんこは、値段が高くて、チェーン店並の機械彫り、
費用対効果が一番悪いです。
合格点の与えられるはんこに、なかなか出合えません。
稀に、これはイイはんこですねと言うのは、30年以上前に作ったはんこの事が多いです。
全国のはんこ職人の皆さん、一般の人が見ても、これは機械の字、パソコンのフォントではないと
感じられるはんこを作っていきましょう。
制作方法より、どのような印影のはんこを作るかが重要です。
印稿のデザインの仕方を一緒に学んでいきましょう。
とはいっても、注文が無ければ、どうにもならないよとお思いかも知れません。
まずは、お客様を増やす努力をすべきです。
<はんこ屋職人養成講座G>スタートとしてエピーソード0
お客様を増やす努力編です。
1.営業時間、営業日を見直す。
当店にご注文に来店されるお客様から、
地元に、はんこ屋さんがあるのは、知っている。
でも朝、通勤で通る時は閉まっていて、夜、帰って来た時も閉まっている。
休みの日曜日に行っても閉まっている。
頼みようがありません。
こんな声を聞きます。
当店でも、1週間で土曜日の売上が一番良い週が、1ヶ月のうち1回以上はあります。
思い切って、早い時間から営業する、夜遅くまで営業する、日曜日を営業する。
これを継続することによって、必ず効果が現れます。
まずは注文がなくても、通る人たちは、見ているのです。
営業時間の参考に是非、比較的新しく開業された歯医者さんの診療時間を調べてみてください。
地元の人たちにとって、どのような時間なら来られるのか、大変参考になると思います。
2.安売り店にはんこを注文する
ばからしいと思うかも知れませんが、数千円で、絶大の効果があります。
自分の一番得意な書体で、できれば15ミリ丸以上のフルネームの個人の実印を
安売り店に頼んでみましょう。
それと同じ書体、同じサイズで、自分でも見本として彫りましょう。
出来上がった2本を比較することで、お客様に、機械彫り店との違いが簡単に説明できます。
3.お店に入らなくても、価格がわかるようにする
お客様にとって、はんこ屋さんに入るのは、コワイこと。
個人の実印など代表的なものの、金額を大きめに、店頭に表示しましょう。
価格の載ったちらしなどあるとより良いです。
4.ホームページで自店の印影、自店の特徴を載せよう
お客様から、そこで作るとどんなハンコになるか調べても
ほとんど分るホームページがあるはんこ屋がなかったと、あきれて言われたことがあります。
本格的ホームページがない場合は
2.でオススメした機械彫り店との印影比較だけでも
ホームページに載せるすることをオススメします。
それほど、お金のかかることでは、ありませんので、是非試してみて下さい。
うまく、行かなかったら、それでおしまいではなく、
自分で思考した次のアイデアを実施しましょう。
いよいよ、次回のはんこ屋職人養成講座Gから
篆刻の基本二十八法を学びながら、それを印相体や篆書体の実印、銀行印に生かしていくことを
学んでいきます。
故きを温ねて新しきを知れば、以て師為るべし
2011年10月17日
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