章法という言葉をご存知ですか。
印章の布字の仕方、文字を印面にいかに配置して構成するか、
平たくいえば、印鑑のデザイン法です。
その前に字法といって、どの時代の篆書を選ぶかがあります。
篆刻や印章組合のコンテストでは、同じ時代の篆書を選ぶことが重要とされていますが、
コンテストに出すわけではありませんので、
同じ時代より文字同士の相性を時代に関係なく選択したり、
逆に1文字だけ違う時代の文字を選ぶことにより、
アクセントになり良くなることもあると考えています。
また、どの字を選ぶかとレイアウトは一体化したもので、別に考えることなどできない。
これが、しぶちかはんこ屋の姿勢です。
Bookoffのアート・芸術コーナーには、よく行きます。
デザイン、モチーフの資料になりそうな本が千円以下なら、迷わず購入するようにしています。
先日、芸術新潮が300円に値下がりしていました。
その中に、ひらがなの特集号があり、ひらがなの名前のお客様、多いからねと購入を決めます。
それにしても、ひらがなの書、こんなに文字に大小があり、真っ直ぐに並んでいないのに、
全体としてのバランスは、素晴らしい。こんなイキに到達できるのでしょうか。
他にないかなと見た時に、出合ってしまいました。
篆刻の鑑賞と実践、墨の臨時別冊です。
ただ篆刻の仕方が書いてあるだけかなと思い、開いてのですが
章法解説ページが数ページあり、これは勉強になる。
値段を見ると1100円、予算オーバーだ(笑)
でも、章法のことのわかりやすく書いてある本を目にした初めてですし、
その本に載っている篆刻作品の印影に、いくつも、スゴイなと思うものがあります。
もう、買います。
ちらっと見た時に目に入ったのは増減法。
篆書の増減法につぃては、このブログでも確か触れました。
そう思うと、自分で一生懸命、はんこを彫っているうちに、ある章法にたどり着き、
これって有りなのかと思った時には、はんこ屋さんの先輩に意見を聞いたり、教えてもらったり
してきたわけです。
でも、この本を読んでしまうと、それだけで、気付いてしまうことになり、
それは正しいことなのか。
高校時代、教科書ガイドを買い、それを暗記したので、点数は取れたものの、
実となっていません。
まあ、せっかく購入しましたので、タイトルだけ列挙してみましょう。
1.均布法
2.増減法
3.屈伸法
4.文字部位移動法
5.挪讓(だじょう)法
6.疎密法
7.朱白相間法
8.穿挿(せんそう)避讓法
9.留空呼応法
10.空間強調法
11.軽重(細太)法
12.方円法
13.敧正(きせい)法
14.俯仰・向背法
15.印文大小法
16.筆画長短法
17.離合法
18.変化字形法
19.肥画法
20.重文省略法
21.印文併合法
22.借換法
23.印辺処理法
24.界格法
25.残欠法
26.印文排(配)列法
27.印形(式)相応法
28.気、勢、情、韻
タイトルだけで、もしかして、こんなことかな、それならば、もう既に知っていてと
想像が広がって楽しいです。
基本的に篆刻、篆書の技法ですが、印相体にして、実印や銀行印にも応用できます。
このブログを書くために、この本を持ち歩いている時に
得意先さんに見つかり
「勉強のための篆刻の本です。
デザインやモチーフの資料となると思ったら、直ぐに買うんです。
Bookoffですけど(笑)」
「へぇ、意外です。もう頂点にいるから勉強なんてと思っていました」
「今、現役のはんこ職人さんの中では、トップグループにいて、
他のはんこ屋さんのことは、参考になりませんけど、
昔のはんこ職人さんの中には、ホントにスゴイなと思う人がいて
自分なんてまだまだと思います。
さらに、一般的なデザインと考えると、スゴイ人はいっぱいいて、
やはり、自分なんてまだまだと思います。
なんか大きい人でしょ(笑)」
「独自の道ですね」
2011年10月06日
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