男女二人でご来店です。
女性の方を知っています。
「今日は、私のハンコをお願いに来ました」
「ということは、ご結婚ですか」
「はい」
「それは、おめでとうございます。
確か、クラシックギターを入れたハンコをプレゼントされた。(うなづかれて)
ハンコをプレゼントするのは、ちょっと重いじゃないですか。
大丈夫かなと思っていました。
でも、結婚できたんですね。イイ話だな〜!
まあ、ぼくが彫ったハンコのお蔭で結婚できたということですね(笑)」
「そうとも言えます(笑)
今日は、モチーーフ入りの印鑑2本お願いしたいのですが」
「イイですよ。2本ですね」
「まず、私の認印で四つ葉のクローバーと小鳥を入れたものを」
「まず、普通に書いて、それからどこにモチーフを入れるか考えて」
と、ざっと書き始めます。
「四つ葉のクローバーは、
4つのハートで構成されたものとリアルの近い感じとどちらがイイですか。
小鳥は、良く彫るのが、この感じなのですが」
「もうこの段階でカワイイ」
と決まります。
「次は虎を入れて欲しいのですが」
「どんな虎ですか?大きく彫りますか?」
資料の本を見せると
「これが、毎日拭いている置物の虎に近いです」
「絵、ホントに苦手なんですけど」と言いながら、ざっと書いて決まりました。
「次に主人の実印を」
「えっ、2本って言いましたよね」
「モチーフ入り印鑑は2本です」
「そんな落とし穴が(笑)」
まず普通にざっと書き、
えん印相体が好みと聞いて、
丸く書き、ちょっとくるっとさせます。
ご主人「このくるっとしたところが、タマラナイですね」
「くるっとが好きなんですね」
引渡し時、はんこ屋に大分慣れたご主人、積極的に話してきます。
うっかり職人らしい、ちょっといい話をしてしまい、
このブログでは、割愛(笑)
そんな中、唐突に
ご主人「人を見る目がありますか?」
はんこ屋「昔は、自信があって、彼、彼女を連れてきてみて、
合うかどうか、見てあげるからとまで言っていたんですが、
ホントに悪い人は見抜けないという事件が2つあって、それからは」
ご主人「ぼくのことは、どう思いますか」
はんこ屋「僕が彫ったハンコで結婚しているんですよ。
悪い人のわけないじゃないですか(笑)」
奥様のご主人を尊敬し、愛している様子を見れば、悪い人のわけありません。
もしかして、他人の家や事務所に入ってするお仕事なので、
何か言われたことがあるのかも知れません。
人様の土壌で仕事をする場合は、感じの良さも重要な要素。
仕事と割り切って、感じの良い印象を受ける身だしなみ、話し方を追求するのも必要かと思います。
自営業者にとって、自分の奥様の耳に痛い意見は、とても重要です。
二人で幸せになっていって下さい。
ぼくの彫ったはんこを持っているので、大丈夫ですよ(笑)

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