2011年09月26日

かくも難しい「斉」

斉藤さんなどで使われる「斉」の字は、
斎、斉、齋、齊とあるのは御存知でしょうか。

厳密には、下が示と二では、意味が違います。
簡単に
「斉」はそろえる
「斎」は神事などの前に、何日か飲食、行動を慎み、心身を清めること
まったく違う意味です。

この4つの他に、旧字の齊、齋のY部分が了になっている字があります。

プロのはんこ屋としては、常識の範囲内のことですが、
普通パソコンでは、出てこない字です。

結婚され「了」の齊藤さんになられた女性、
まず運転免許証を変更すると、「サイ」が手書きになってしまい、
銀行では、この字間違ってませんかとまで言われ、
結局「齊」で打ち出された後、手書きで修正されたそうです。

このことで、はんこを作るにあたって、これは手彫りのお店にお願いした方が良いと
当店にご来店頂きました。

念のため、常用漢字印章字林で「齊」を調べると、
行書になると「Y」部分が「了」になっています。

次に「篆刻字林」を調べると
image-20110926100313.png

「Y」になっている文字はなく「了」になっています。
問題点は、「Y」も「了」も同じ文字なので、篆書では同じ形ということです。

しかし、「齊」の字に困ってうちに来店して頂いたわけですから、
印相体で「了」にしてお彫りしました。

image-20110926100049.png

手彫りならばホントは存在しない字でも彫れます。

「澤」を昔、戸籍係りの人が間違って、
世の中に存在しない字が戸籍の字になってしまった方の
ハンコも先ごろ、お彫りしました。

この程度ですと、無理を聞けて当たり前です。

posted by 一日3本 at 10:03| Comment(0) | TrackBack(0) | 無理を聞く | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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