アイデアとそれを形にする技術ではないかと思うことが良くあります。
最初のアイデアこそが重要で、
その後の形にするためのちょっとしたアイデア・技術は、訓練によって身に付けられます。
プロダクトデザイナーさんが、最初に来店されたのは、
ご友人からの結婚のお祝いのプレゼントの印鑑、持ち手側に花の絵が入り気に入ったものの、
機械彫りの印影には満足できず、彫り直しのご注文のためでした。
その後、何本もご注文頂きました。
しばらく、時間が空き、
今回は、文字の一部をウサギにしたご主人のハンコが、埼玉県で実印登録できたご報告と、
それを記念した(笑)銀行印の発注と、
お子様が誕生し、お子様用の銀行印と認印の発注、
さらには外国人へのプレゼント用のハンコと4本一度に発注です。
お子様が小さく、家からのお店までの距離がありますので、4本まとめて、受けてしまいます(笑)
まずは、ご主人の銀行印からです。
「今までは、来る電車の中での思い付きだったのですが、今回は、事前に考えて来ました」
「モチーフは、なんですか?」
「シーサー」
「えっ、シーサー!?」
「ブログに狛犬を彫ったのが、載っていたじゃないですか。だから、できるかなと思って」
お持ち頂いた資料を見ると、全体が塗ってあるベタです。
「これ、全部ラインにしてもいいですか?
細い白抜きのラインは、難しくて。
でも、くるくるさせないとシーサーらしく成らないし」
「ラインのと両方見せたのですが、こちらの方が好みらしく。
シーサー単なる思いつきみたいに思えますが、本人はかなり考えた末のシーサーで」
「難しいな〜。一部だけラインにしてまとまるかな」
ざっと書いてみて
「門の上にシーサーが乗るんですね。そうできるかなと無理かな思っていました」
「阿吽なので2匹乗せないと(苦笑)」
「シーサーなので、サンズイは波っぽくなりますか。
それと実印と同じように、ここを月に。
あと、ここは丸く、日の出の太陽に」
「なるほど、さすがプロダクトデザイナーさん」
ということで、ご主人を連れて、受け取りに来てくれました。
は「良かったご主人が来てくれて、シーサー確認してもらいたかったので」
デ「そう思って連れてきました」
主「あっ、阿吽になってる」
は「気付いてくれましたか」
デ「ほら、ここは月に、これは太陽になっているんだよ」
は「奥様のアイデアで、出来ています。
実は、2本完成した時に、他のお客様にその2本を見せてみました。
自分としては、もう1本の方が、デザイン的にまとまっていると思っているんですが
そのお客様はシーサーすごいと何度も言ってくれ、
シーサーすごいんだとわかりました(笑)
今回のはんこ、どれもユニークで出来が良いので、印影公開してもいいですか」
デ「いいですよ。主人は、自慢ができて、その方が喜ぶと思うし」
ということで、プロダクトデザイナーさんとのコラボ、第一弾
「シーサー」編です。

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