2006年07月26日

石の印材

古くから石は、印材として使われてきました。
水晶、メノー、虎眼石など見た目も綺麗です。
しかし石は固くて弾力がなく、
弾力がないものは手で繊細には彫れません。
今では、石材は特殊な機械で、
研磨剤を空気で吹きつけて彫るのが一般的です。
(石も手彫りというところは、全部機械彫りと考えて方が良いです)

石の場合、落とすと簡単に真ん中で割れてしまうことがあります。
他の伝統的な印材は、例え、木でも、
落ち方が悪く、枠が欠けることがあっても、
真ん中から割れることはありません。

石は、変形しやすいものとして
実印として印鑑登録できない地方自治体も多いようです。

二代目の父の時、お客様からお預かりした石材を
彫り屋さんに外注に出し、出来上がってきたものが、
預けた石と違うとクレームを受けたことがあるそうです。
また、預かって外注した石が表面からはわからない
内側でヒビが入っていたようで、
機械にかけたところ砕けてしまったことがあったそうです。

この二つの出来事があって以来、
当店では石の持ち込みはいっさい受けなくなりました。

しかし、持っている石に彫ってくれという人が
少ない月でも、2、3人は来ます。

印材屋さんに聞いてみると、石の彫りに自信があるといいます。
「でも機械彫りでしょ」
「印稿を書いてくれれば、だいたいその通り彫れますよ」
「そんなことも出来るんだ。
 石の彫り料は高いけど、印稿書いたら安くなるの」
「同じです。
 印稿を書けないところに限って、何度も校正だせっていうんですよ。
 そんなに何度もいうなら、はんこ屋なら自分で印稿書けよと言いたくなります。」
「機械の字なら校正だせるんだ」
「簡単に出せますよ」
「機械彫りが校正出すから、手彫りまで校正は、とか言われるんだ。
 うちでは、ざっと書いたものを見せるまで、手書きの印稿も見せないよ。
 素人に、もう少し直せといわれても直せないもん。
 職人を信じられないのなら、注文しなくていいよというスタンスだからな
 商売人じゃないな(笑)
 でも、印稿通り彫れるのなら、やってみようかな」
「お願いしますよ」

ということで、石の印材をお持ちの方と話してみました。
石では実印にならない場合が多いこと。
彫り料は2文字まで2万円。あとは1文字毎に5千円。
手書きの印稿をもとにした機械彫りなこと。
万が一、持ち込まれた石が割れてしまった時は
他の石への彫刻となること。
納期が2週間かかることを説明しました。
やはり、注文されませんでした。
これでも、手書き印稿の追加料金とってないんですけど。

石は、印鑑ではない形でお持ちになった方が良いと思います。

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posted by 一日3本 at 17:53| Comment(0) | TrackBack(0) | はんこ屋職人養成講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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