2011年06月14日

「澤」について考える

「澤」は、篆書体、印相体にしてもサンズイが変わるだけで、つくりは今の字とほぼ変わりません。

苗字の下に「澤」がつく人、結構います。
小澤さん、中澤さん、平澤さんなど「沢」の字より多い気がします。
印相体で2文字お彫りする場合、
縦でも横入れでも「澤」はなんの問題もなく、普通にして大丈夫です。
逆に「沢」はつくりに空間ができ過ぎて、難しいです。

下に「澤」のつく苗字でフルネームお彫りする場合、
右下に「澤」がくるわけですが、これが今回のテーマです。

下に「澤」がつく苗字、不思議と1文字目は画数が少ない字が多く、
印相体の基本はどの文字も同じ太さに見えることですので、
澤の字もある程度太くしなければなりません。
(同じ太さに見えるというのは、印影が同じ濃さに見えると言い換えるとわかりやすいでしょうか)

そうすると、「澤」の横棒の一番下の右側と枠のスキマがほぼ無くなります。
ほんの少しだけでもスキマをあけるか、
あけれなくても、縦棒が下に伸びている風にすれば、
文字として読めます。
澤0.JPG

ちょっと縦棒を内側にズラすと、無理なく、枠とのスキマを作ることができますが、
縦棒が中心からズレ過ぎると、バランスが崩れオカシク見えてしまいます。

そこで、上部分の縦棒はそのまま中心に、
下部の縦棒だけ、内側にズラしても、バランスは崩れず、違和感なく見れるのではないかと
思いつきました。

20代の男性、ご注文時、5千円くらいで実印を作りたいと言われ
「それは、うちでは無理だから。機械彫り店でどうぞ」と言ったにもかかわらず
説明を聞いて注文してくれました。
このしぶちかが通勤の通り道で、夜11時過ぎても何か作業をしているはんこ屋さん。
でもこの時間から頼むのは悪いと思って、土曜日に出直して来てくれたそうです。
これを聞いたら、気持ちが入ります。

ざっと書く段階で、ファーストネームに対して苗字の方がかなり画数があるので
「一」を通常より複雑にすると、それだけでバランスが良くなることを
一緒に実感して頂きました。
この方なら「澤」の試み伝わりそうです。

実際、縦棒の一部ズラしてを彫ってみると、全然違和感なく、
窮屈感がなくなり、良い出来栄えです。

受け取りの際
「この『澤』の部分だけ、ブログに印影公開してもイイですか?」
「ブログ書いているんですか」
「うちでご注文して下さる方の多くが、ブログを読んで、わざわざのご来店なんですよ」
「公開はどうぞ。何で調べるとブログが」
「しぶちかはんこ屋で検索してもらえば、出てくると思います。
 『澤』の字は、通常、上の縦棒と下の縦棒は真っ直ぐ?垂平?なのですが
 思い切って下の縦棒部分を意識的に大きく内側にして、
 全体としてはバランス良く彫れたのが、初めてことなので
ブログに書きたいんです」

「言われないと気付きませんでした。」
「自然でしょ。でも良く見るとズレているでしょ。
 こんなことを真剣に考えて、ブログに書く人は、まずいないので
 本気ではんこを作っていることが伝わり、
 特にデザイン関係の仕事の人には、伝わりやすく、
 そうやってお客様が増えるシステムなんだよ(笑)
 あんまり増えてくると、この人オカシイじゃないかブログ作戦に切り替えるんですけどね(笑)」
「じゃあ、ぼくのはんこも載るんですね」
「一文字だけだけどね」
澤.JPG

全体を見せるとバランスの良さが伝わるんだけどなと言い訳がましく(笑)

さあ、印相体職人のみなさん、バランスを崩して、逆にバランス良く見せる
高等テクニックです。
思い切ってチャレンジしてみましょう。
posted by 一日3本 at 08:37| Comment(0) | TrackBack(0) | 印相体職人養成講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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