押していた自動印、昔のはんこを見本に
周りに龍の模様、真ん中に篆書で東堂となっていました。
倍寸で書いた印稿を元にゴムにしたものを、自動印(本体)に貼り付けてありました。
もう去年から寿命で、ゴムがダメになっていました。
6年以上前に作成したものですから、当然です。
まだ父がいた頃、時間に余裕があったので、自店のためにも凝ったものが、できたのです。
まだ、モチーフを入れたハンコなど彫れない頃、
昔の職人さんは凄いと思いながら書いたものでした。
今は時間がないのですが、お客様が、このはんこ屋さんはどんなはんこを使っているのかと
期待まんまんなので、それに応えるために、凝ったものを使わなければなりません。
お客様が普通のものでは許してくれません(笑)
今度は、シャチハタで作ろうと思いながら、時間が流れ、
お得意様に、印相体でシャチハタを作るついでに、資料無しで、短時間で書いてみました。
資料なしで虎が書け始めた自分がイヤです(笑)

龍虎、シャチハタ印です。
虎と龍で八方位を網羅しています。
自分として、一発勝負で書いて、そのままシャチハタにしたので、60点くらいなのですが、
お客様には、意外と好評です。
「これ、いくらくらいですか」
「自分用なので、一度書いて完成だったのですが、
お客様のためとなると、書いたものをスキャナーで読み込んで、修正も加えますから
どのくらい、時間がかかるかわかりません。
はんこの彫れる、時給の高い人がそんな作業をして、いいのか(笑)
まず、一見さんに、いきなり凝ったシャチハタ作ってといわれても受けるかどうか」
「次回は、わたし用に、シャチハタで作りたいと思ったのですが」
「お客様は、今日で2本目の注文ですから、お受けしますよ。
まあ6千円くらいで、特別に。最低2本は、彫るはんこ注文頂いた方でないとね」
シャチハタ用の印稿は、もうシャチハタ印にする段階で印稿より太くなり、
さらに押してからインクがにじむことも考慮して、細めに書くことが重要です。
シャチハタ用には、いくつかパターンを作ってもいいなと思いつつ、
その時間はいったいどうやって、作るのでしょう(笑)