2011年04月25日

『之印(のいん)』対決

「職印をお願いしたいのですが、これと同じ感じにできますか?
 そういうのもお願いできるのでしょうか」
「押してみていいです。
 機械彫りですね。
 できないことはないですけど、どのくらい似せる必要がありますか」
「なりたての頃、どこで作っていいか分らず、会館で、読みやすい書体で作ったのですが」
「やっぱり、会館ですか。
 ダメ出ししていいですか。
 まず、古印体で3文字4文字2文字の3行のレイアウトで、丸に四角く入れていますが、
 真ん中にフルネーム4文字なので、真ん中の行は、上下の空間を使った方が窮屈感がありません。
 あれ、この『之印』浮いてますね。不思議だな。
 他は、明らかに機械の文字なのですが、この『之印』だけ、昔風で機械の字ではありません。
 どうしてこんな之印を使うか、わかりません。
 あまり上手くないし、キレイに彫れていないし。これなら、機械の字の之印のほうが良いのでは。
 これに似たようにといわれると、どう彫って良いか、わかりません。」
「書体とサイズさえ同じならばいいですよ。
 確かに『之印』だけ違いますね。1万6千円もしたのに。
 事務所においておく用と持ち歩き用ですから、違っても構いませんので」
「うちよりは、安いですけど、名前だけ入れ替えて彫っている感じですね(苦笑)
 でも、どうしてこんな之印か、わかりません。この之印の雰囲気で他の字もできていたら
 それなり味のあるはんこだと思いますが」

なぞの迷宮に入ってしまいましたが、さてどのように彫りましょう。
古印体の職印は、初めてかも知れません。
資格、お名前までは、普通に古印体で、「之印」をどうするか。
気持ち行書を混ぜた感じで他の字と違和感なく読めるように。
できました。

受け取りの際、
「事務所の他の先生の職印を見たのですが、やはり之印が浮いていました。
 みんな会館で作ったんだなと」
「出来上がりは、こちらです。違うでしょ」
「レイアウトから全然違いますね。」
「之印部分公開していいですか。ちょっとダメなので」
「批判精神が強いんですね」
之印.JPG

上段が会館、下段がしぶちかはんこ屋
枠の違いも出てますね。
ホントは、機械の字(古印体)を添えるとおかしさが、はっきりわかります。
会館の人、もしよかったら、下段の之印を使ってみて下さい。
 
posted by 一日3本 at 22:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 職印 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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