「職印をお願いしたいのですが、これと同じ感じにできますか?
そういうのもお願いできるのでしょうか」
「押してみていいです。
機械彫りですね。
できないことはないですけど、どのくらい似せる必要がありますか」
「なりたての頃、どこで作っていいか分らず、会館で、読みやすい書体で作ったのですが」
「やっぱり、会館ですか。
ダメ出ししていいですか。
まず、古印体で3文字4文字2文字の3行のレイアウトで、丸に四角く入れていますが、
真ん中にフルネーム4文字なので、真ん中の行は、上下の空間を使った方が窮屈感がありません。
あれ、この『之印』浮いてますね。不思議だな。
他は、明らかに機械の文字なのですが、この『之印』だけ、昔風で機械の字ではありません。
どうしてこんな之印を使うか、わかりません。
あまり上手くないし、キレイに彫れていないし。これなら、機械の字の之印のほうが良いのでは。
これに似たようにといわれると、どう彫って良いか、わかりません。」
「書体とサイズさえ同じならばいいですよ。
確かに『之印』だけ違いますね。1万6千円もしたのに。
事務所においておく用と持ち歩き用ですから、違っても構いませんので」
「うちよりは、安いですけど、名前だけ入れ替えて彫っている感じですね(苦笑)
でも、どうしてこんな之印か、わかりません。この之印の雰囲気で他の字もできていたら
それなり味のあるはんこだと思いますが」
なぞの迷宮に入ってしまいましたが、さてどのように彫りましょう。
古印体の職印は、初めてかも知れません。
資格、お名前までは、普通に古印体で、「之印」をどうするか。
気持ち行書を混ぜた感じで他の字と違和感なく読めるように。
できました。
受け取りの際、
「事務所の他の先生の職印を見たのですが、やはり之印が浮いていました。
みんな会館で作ったんだなと」
「出来上がりは、こちらです。違うでしょ」
「レイアウトから全然違いますね。」
「之印部分公開していいですか。ちょっとダメなので」
「批判精神が強いんですね」
上段が会館、下段がしぶちかはんこ屋
枠の違いも出てますね。
ホントは、機械の字(古印体)を添えるとおかしさが、はっきりわかります。
会館の人、もしよかったら、下段の之印を使ってみて下さい。
2011年04月25日
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