印鑑の彫り直しを検討されている方が来店されました。
「彫り直しは、やってもらえますか」
「材料はなんですか?木や石類は、できませんが、象牙ですか」
「形見なのでよくわからないのですが、持ってきています」
「象牙ですね。これはイイ象牙で彫り直す価値のあるものです。
きっと高かったと思いますよ」
「象牙にも良い、悪いがあるのですか」
「目の細かいもの、油が入っているものが良いものです。
うちが使うのは、やはり一番良いもので、
このように目の細かいものです。
こちらがサンプルの目の粗いものです」
「本当だ。はっきり違いがありますね」
「お客様がお持ちになったものも、
目の細かい、油の入った良い象牙で、
色も正にアイボリーとても良いです。押してみていいですか」
「どうぞ。良い印鑑ってどういうものなんですか」
「まずは、手で彫ってあるもの。
お客様がお持ちになった印鑑のように、
印相体の場合、枠が細くて均一なのが手の入っている証拠です。
次に枠が欠けていないこと。
欠けた印鑑は、そこから運が漏れると言いますし、
それは印鑑としては壊れた状態ですので、
壊れたものを使っていて良いことはありません。
八方位、八方向に文字が枠に付いていることも重要です。
後は、印影のバランスですが、
この印鑑より私が彫った方がちょっと上手いです。
空間、あきの気になるところが2ヵ所あります。
自然な形で、空間を埋めることができます。
ただあまりぐちゃぐちゃに線を伸ばして
読めなくしてはダメなんですけど。
区役所、市役所の人は書けなくても読めるそうですから」
「読めなければ印鑑登録できないんですか」
「一度、通販で購入した印鑑を
渋谷区役所で印鑑登録しようとして
役所の人がはんこ屋さんに読めるかどうか
見てもらいなさいと言われ
うちに来たことがありました。
ぐちゃぐちゃ過ぎて、
名前を聞いたらなんとかわかる程度で、
これは読めないと正直に伝えました」
「実際のところ、彫り直しは、(縁起的には)どうなんですか」
次々に繰り出されるお客様からの質問に答え、
はんこ屋職人さんは納得して頂き、
象牙の彫り直しの注文を受けることができるのか?
次回お楽しみに!
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