「えっそうなんですか」
「このお店のことを知った時、以前ケースの中の朱肉を交換してもらったお店だと気付き、
娘が生まれた時、作りたいなと思って来て、
今回は母へのプレゼントで期限があるので、とうとう注文です」
その間、ブログも研究してくれたようで、モチーフの資料もいくつか持って来てくれました。
で、モチーフは、アンティークミシンで、しかもシルエットはいやだといいます。
「久々のメカモノですね。針がついている部分を白抜きにして、
本体をベタ、シルエットにするのが普通と思いますが、全部ラインにするんですね。
大変だな(苦笑)」
「この消しゴムはんこようなシルエットではなく、
ハンドル部分がはっきり分かった方がいいかなと思って、
この写真のちょっと斜めからの角度がいい気がするのですが」
「○の中に、大きく入れないと、彫り切れませんね。
この斜めの角度が一番いいでしょう。
お持ち頂いた資料のアンティークミシン、どれも少しずつ形が違いますが、
どの形がイイとかありますか」
「ありません」
「ハンドルの前のこの部分はなんでしょう」
「私もミシンに詳しくなくて」
「この画像送って貰えますか。ちょっと明るくすれば分かるかも知れません」
「送ります。今度は手土産持って来ますね」
さすが、手土産のことも研究されています(笑)
送って頂いた資料の中に、もっと良い角度のものがあり、それをベースにすることにしました。
ラインで構成することで、ミシン本体が白抜きにしてしまうと、空間が目立ち過ぎますので
アルファベットを入れました。
そこが、一番大変な作業になってしまいました(笑)
受取りの際、ちょうど他の方の接客中で、あまりお話もできず、
でも手土産は棒上の今流行のアンパンをしっかり頂きました。

「今まで、見たなかで一番。。。
今度は、私のはんこを作りに来ます」
「お待ちしております」
渋谷スクランブル交差点下の地下街『しぶちか』にあります・東堂印章公式サイトへ

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