結婚する両家の姓を入れ、モチーフも入れた
30ミリ角くらいの大きさのはんこできますか?
というものがありました。
結婚式の招待状に使うはんこだそうです。
二つの姓を入れたはんこは、彫ったことがありません。
姓は一つ、名は二つというのを作成したことがあります。
それは結婚の記念に家紋のように、使っていきたいということでした。
両家の姓の入ったはんこ、結婚式が終わってしまえば、
使いようがない気がしますが、これは海外からのお問い合わせ、
そもそも海外では、実務的に使うわけではありません(笑)。
趣味的に押すには両家の名前が入っていても問題ありませんね。
海外はどこですかとメールで尋ねたところ、ラスベガス。
ここで大きな疑問を抱くことになります。
そして予告された7月にラスベガスからカップルでご来店。
開店して早々の時間でした。
ホントにラスベガスから来たと、ぼーっとしているうちに
「ハートの枠できますか」
「はあ」
あれ、ハートを入れるではなく、ハートの枠って言ったような。
「ここに押そうと思っているのですが」
ハート型の黒い紙を出されました。
「これ朱肉で押して分かるかな。この紙に押してみていいですか」
黒い紙を出された途端に、スイッチが入りました。
朱肉で押してみると、透かしのようでよくわかりません。
そうだ。ゴールド。
ツキネコ製、スタンプニックエコの金で押すと、あらイイ感じです。
ラスベガスさん達はゴールドで押すアイディアに感激しています。
問題一つ解決。
店舗に貼ってある今年の当店の年賀状を見て、
こんな風にハートの枠の中に字を入れたものと言われます。
丸の印材の中にハートの枠を作り、
回りは朱肉が付かないように深く削り落とす必要があるので、
ハートの枠の外の印材部分はキレイ加工することはできません。
それでも良いですかと尋ねても、やはりハート枠希望です。
もうすぐ奥様は、日本人で
もうすぐ、ご主人はハワイ出身日系3世なので、
日本の漢字の苗字を持っています。
ハートの枠にざっと書いてみて、2度目でなんとかまとまりました。
ハートの枠に文字をレイアウトするのは、難しいです。
今回の特殊なご注文、昨年の年賀状で金のスタンプ台を使って
木のはんこを押してみたり、
今年のものは丸や四角なら簡単にまとまるのにあえて
ハートの枠に迎春や元旦を書いてみた成果が発揮されています。
チャレンジの重要性に気付きます。
というより、そんなことをしているので
変わったご注文が集まるのかも知れませんが(笑)
モチーフはハートと不思議な縁で繋がったクジャクの羽と決まりました。
そしてどうしても聞きたかった大きな疑問、聞いてみました。
それはラスベガスに普通に住む所があるのか、ホテル住まいなのかです。
映画の中のラスベガス、カジノと豪華ホテル、
ショーもたくさん見れるイメージで、住むとこなんてないのでは?
「そのクレージーなストリートから
車で10分くらいで住宅地があるんですよ」
「そうなんですか」
疑問解決です。
さて帰国する当日までギリギリの時間を頂き完成。
ハートの枠があるので枠なしで文字だけより、
思っていたより外側を削りおとす必要がありませんでした。
ちょっとしたアイディアは、姓と姓の文字はあえて、くっつけず、
ハートで繋ぐようにしました。
さて、朱肉で押したものと

ゴールドで押したもの

明らかにゴールドの方がいいです。
クジャクの羽がゴールドですと、それらしく見えます。
印材屋さんに、これを自慢すると
「いいですね。これ流行らせましょうよ」
「オーダーメイド、手作りのお店に流行らせるとかないんだけど(笑)」
「朱色以外で押すの新鮮で」
ハートの枠ではなく流行らせたいのは色でした(苦笑)
帰り際、「ラスベガスにお越しの際は、是非ご連絡下さい」と
言って下さいました。
そういえば点をハートにしてあることに、感動されていましたが
クジャクの羽の中にもハートを少し意識しました。
いま、明かします(笑)
ラスベガスに知り合いがいるのってちょっとカッコイイでしょ(笑)
渋谷スクランブル交差点下・東堂印章公式サイトへ

サイン用に、四角と丸のスペシャルなハンコを手に入れた鴨居まさね先生
単に興味からと思いますが、
「丸と四角以外にはんこの形、ありますか?」と聞かれました。
ごにょごにょ言ってその時は答えませんでした。
これが答えです。
やろうと思えば、印影上はどんな形でも。
でも、なかなかやろうと思わないんですよね(笑)