モチーフ入りの印鑑の問い合わせ。
一見さんでも頼めるのか、
そう、モチーフ入り印鑑は、
仲良くなったお客様や友人のために彫ったのが始まり、
一見さんに彫るレベルのものではないことに気付いたことで、
もう合格です。
A4のドキュメントに押す、サイン代わりの印鑑で長寿の亀、
これは、大きい印材ではないと無理。
金額と亀の資料が欲しいことを伝えます。
亀の資料はなかなか見つけられないと言います。
ある意味チャンス、若冲の尾の長い亀を思い出し、
図録を広げこんななどうでしょうと見せます。
自分としては、このはんこを彫れるように、
若冲展を見に行ったんだぐらいです(笑)
しかし亀の首が伸びていて、いやらしさがあるので、
好みでないと言われてしまいました。
まあ良いか。
気を取り直して、他の資料も見て、
結局、印鑑ケースの内側にある亀がまあまあというので、
このイメージで。
次回ご注文と思っていると、出来上がりはいつでもいいからと
内金をして直ぐに注文していかれました。
江戸っ子?
残金も出来上がり前に持って来て下さいました。
さて、彫る前日ネットで亀の参考資料を捜し、持っている本を見て、
だいたいの構想は決まるものの、なんとなく不安。
彫る当日の朝、開店前に本屋さんを2軒はしごして、
「招福の美」という本を購入。
いわば保険的に資料を購入したわけです。
その朝、江戸っ子さんが現れ、
出来上がり予定日に受け取りに来れないことを丁寧に伝えてくれました。
でも次の予定が詰まっていますので、今日彫ります。
で「どこで(このような印鑑を作ることを)勉強したの?
僕は東京芸術大学と思っているけど」
「どこでも勉強していません。大学は明治大学商学部ですし」
「ずっと(美術が)好きだったとか」
「それもないです」
お客様にとって残念な経歴です(笑)
彫るに当たり、できた空間に「木」を3本彫れば
それで『森』だと思っていましたが、
八方位と空間を埋めることを意識すると、
意外に『森』の正しい位置に『木』が来ました。
できた空間に亀の象形文字をサービスで彫ってみました。
受け取りの際
「100点というのは、おこがましいので90点だな」
えっ90点?
自分的には120点くらいなのに、
もしかして経歴点でマイナスがついたのかしら(笑)
十分気に入ってくれていりようですが。
渋谷スクランブル交差点下・東堂印章公式サイトへ
【関連する記事】