良いはんことは、というのは、結論がでるようなでないような難しいテーマです。
ブログの下書きをしているうちに、他に興味深いお客様が来られたり、
他に興味のあることができ、このテーマは下書きで終わってしまうことがあります。
以下は2009年2月に考えていた良い印鑑についてです。
基本的には同じなのですが、
その時に、考えるきっかけになったお客様や自分が興味があるものによって
書く内容が違うのが、自分的には面白いです。
(下書きが途中でしたので、少し加筆しました。)
*
お客様が彫り直しのためなどに、お持ち頂いた印鑑を見ると、
直ぐに良いはんこか悪いはんこか、わかります。
正確には枠がかけてしまったモト良いはんこもありますが。
思ったことを口にしてしまうタイプなので、
正直に「これは、イイ印鑑ですね」とか
逆に「残念ながら機械彫りです」とか言ってしまいます。
良い印鑑の条件とは何か考えてみましょう。
1.同じ印影のものが存在しない
印鑑は、世界で一つだけのものであることに意味があります。
同じ印影の印鑑がいくつもあれば、本人が押したものか、どうか判断できず、
形式だけの捺印行為になります。
現時点では一つでも、機械彫りであればデータさえあれば、
同じものが簡単に出来てしまいます。
しっかりとした手仕事による印鑑であることが第一の条件です。
2.枠が欠けていない
枠が欠けていると、そこから運が漏れるといいますが、
何より壊れた状態なので、壊れたものを使って良いことはないと言うのは、
一般的な考え方だと思います。
3.印影のバランスが良いこと
パソコンのフォントのように見えるもの、
印相体というのに篆書に棒をくっつけて強引に枠に付けたもの、
完全手彫り・手書き印稿が故に逆に下手なもの、
文字の線同士がくっついてその部分だけ極端に太く見えるもの、
枠の太さが不均一な仕上げが甘いもの。
悪い例を上げるときりがありません。
一般の人は第一印象で、良いと思うかどうかです。
プロがみると、彫った人のちょっとした工夫がみてとれると、
もうそれは、とても良いはんこです。
良いはんことは、何かと、あらためて、考えるきっかけは、
篆刻をする弟さんが、お兄さんのために彫ったはんこを見せて頂いたことでした。
篆書ではなく印相体に近い感じで彫ってあるそのはんこ、
気持ちがこもった丁寧な印刻なのがわかります。
もしはんこ屋さんを目指したならば、良い職人になっていたでしょう。
残念なから印材は、自然木で弱いものでしたが、間違えなく良い印鑑です。
印相学の本に良い印鑑を見分け方が書いてありました。
それは無心に印影をみつめ、どのような感じを受けるかが判断の鍵となります。
子供の書いた字を見れば、直ぐに子供の書いた字とわかります。
それは童心が映し出されているからです。
このようなことが書かれていました。
*
1年半くらい前は、いまよりも、丁寧な説明に思えます(笑)なぜでしょう。
ある時に、他のはんこ屋さんとは、
明らかに違う印影のはんこが彫れるようになったことに気付き、
うちのはんこの印影が気に入って下さる方には、是非注文して頂きたいと思っています。
その反面、ブログなどで紹介している印影を見て、特に感じない人は、
どうぞ、その人にあったお店で注文して下さいと思ってしまったのです。
良い印鑑とは、作り方より何より、印影こそが重要。
その人に合った印影をと思って作り続けています。
渋谷スクランブル交差点下・東堂印章公式サイトへ
2010年07月08日
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