「学校の?」
「学校は違います。仕事で後輩です」
「NEXT FOR YOUキャンペーンは見てくれましたね。
実物は、こちらです」
(また、カップルでご来店ですよ、セクシーな虎さん(涙))
「モチーフ決まっていますか?
屋久鹿です。
これ、あの皆既日食の時に、屋久島に行って撮った写真なんです。
鹿って縁起物ですよね」
「鹿は、神の使いですよね」
後日調べたところ、『禄(るう)』の音は『鹿(るう)』に通じ
すくっと立つ鹿の姿は、長寿と富貴の象徴だそうです。
「屋久鹿の特徴は、なんですか」
「足が他の鹿より短く、ずんぐり、むっくりなところです」
「しっぽはこんな感じかな。
この鹿の足と角、どうなっているんでしょう?
描けますか」
「はい」と描き始めました。
すると彼が「そこの足の部分は、こうだよ」と強い口調で
「鹿のことでケンカしないでね。
はんこにしたら、そこまで表現できないから」
だんだんと分かったのですが、彼はカメラマンさんで、
ものの形を捉え、記憶することに、優れているので
色々なことが気になるようです。
会社の先輩方と違う感じに書き
「こんな感じでいいですか」
「はい。楽しみです。次に彼が仕事で使う印鑑を」
「えっ、彼の分も頼むんですか。
じゃあ、その間に、鹿、写真より横に向いてしっぽが見えるように
ちょっと描いてもらえますか」
「点をしぼりにして、横向きのカメラですね。
あっこの辺りに鹿入れなくていいですか」
「鹿はいいです」
とにかく、レイアウトは決まり
カメラの写真と出来たらイラストの資料提供をお願いしました。
「ご結婚は?」
「まだです。」
「そうなの。鹿を入れたらっていったんだけどな(笑)」
「あっそうか、カメラの先に鹿。カメラはショットというし、正に」
なんか、彼、盛り上がっています(笑)
盛り上がった彼から、メールで資料提供がありました。
カメラの写真とイラストはご自身で2枚も丁寧に描いてくれました。
省略の仕方を学びたいのですが、精密に描かれています。
なんか、プレッシャー(笑)
受取り予定日の前日、午後6時にお二人で顔を見せてくれましたが
もちろん出来ていません(苦笑)
その日はお客様が多く深夜0時の完成でした。
さて、鹿ちゃん、食べたことのない美味しい手土産とともに
一人で受取りにご来店です。
「鹿、かわいく出来ちゃった。
彼の分も大変だったよ」
「わあ、すごい。模様まで。
彼もきっと喜びます。
彼、昨日ちらっと、会えて、ますます打ち解け、
好きになったと言っていました」
「男に好かれてもね(笑)」
「あのこれ、私が描いたのですが。鹿と目の中にも鹿が」
鹿ちゃんが描いた鹿のデッサンを見せてくれました。
「あっホントだ。何時間ぐらいかかったの」
「少しずつ描いたので、時間はちょっと。
デッサンの試験の場合は」
「美大なんですね。これ教えてもらえますか。
この虎の絵、後ろ足が描いてなくて、これどうなっているか
描いてもらえると助かるんですが」
「猫科ですよね。ならば、こんな感じで」
描いてくれました。助かりました。便利(笑)
そうそう、デッサンについての感想を言い忘れていました。
はんこ屋は、まったくの素人なので参考になるとは、思いませんが
鹿はとても、質感がよく現れていると思います。
鹿を愛していることが伝わってきます。
目の中の鹿ですが、題材的にもうひとひねりしては、どうでしょう。
例えば屋久島ですから屋久杉を描き、
屋久杉に目が(瞳が)あるというのはどうでしょう。
あるいは、見せて頂いた写真のような森に中に
目を入れるのはどうでしょう。
そして、目の中の鹿は、ちょっと普通ではない状態にすると
観る側が色々と想像してくれますよ(笑)
素人のテキトウな考えですので、的はずれだったら、ごめんさい。
描き続けて下さいね。
だらだらブログを書いて、印影公開忘れるところでした。

カメラが鹿を狙っている。
彼も印影公開、許可頂けるようでしたら、ご一報下さい。
婚姻届の予行演習に並べて、公開しておきます(笑)
渋谷駅ハチ公広場下・東堂印章公式サイトへ

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