「出来上がりがどのようになるか確認できる?」
と聞かれました。
「確認できるのは機械彫りのところ、
うちは手彫りなので出来ません。
印相体なら今ざっと書けますけど」
「それでいいんだけど。
名前が同じで2本違う風にしたいんだけど」
彫るお名前を聞いて書きながら、
「印相体では字によっては、
いくつか形が違う字もありますし、
同じサイズ、書体でも違うように彫れるのが、
手彫りのイイところです。2本どのように使うんですか」
「友達が結婚するんで、
結婚祝いで夫婦に実印をプレゼントしようと思って」
「実印ですか。実印でしたら
男性の方は15ミリ丸で姓名彫るのが一般的で、
女性は13.5ミリ丸が普通です。
規定では8ミリ角以上となっているところが多く、
8ミリ角の対角線は11.4ミリで
12ミリ丸あれば、どこでも印鑑登録できます。
10ミリ丸でも通る役所もあるようですが」
「男性用は姓名入れてもらおうかな。」
「実印は並べて押すことが多く、
サイズが小さいと相手より引くという
イメージになってしまうので、
男性は15ミリで作った方がよいですよ」
結局男性は15ミリで姓名、
女性は12ミリで名だけ彫ることになりました。
以前バイオリンをされている方で
『礼』の字がお名前に入っているので、
『礼』の字の右側でバイオリンになると言ったのですが、
そんな遊びはいらない(笑)と
断られてしまった話をしました。
するとざっと書いた印相体を見て、
「‥を入れて豚になる?」
「えっ、なりますねぇ。でも豚ですよ。いいんですか?
それと区役所、市役所によっては余分な点があるので
印鑑登録を受けつけない可能性もありますよ」
「豚をキャラクターにしているからいいんですよ。
手彫りしかこんなことできないでしょ」
「‥をとる事は簡単ですから印鑑登録出来なかったら
すぐにとりますから」
1週間の納期を貰い、
『沼』の字を豚に見えるように耳も付けて完成しました。
まわりの人に聞いても豚に見えるようです。
お約束の1週間後、女性の方一人で受け取りに来ました。
「本当は一緒に来たかったんですけど待ち切れず、
受け取り来ました」
「どうです。豚に見えますか」
「本当だ。豚に見える。
何より世界で一つだけのはんこという感じが出て
すごくイイです」
印鑑登録を受け付ける役所の方、
是非無理を聞いて豚のまま登録させて下さい(爆)
その2週間前には、フランス人の実印に
『110』と名前の他に小さく入れてくれと言われ、
彫りました。
2週間以上たっても何も言って来ないところえをみると、
うまく登録できたのかな。
余分なものを彫る場合は、
まず余分なものがないデザイン(名前だけ)を考え、
その後に付け加えるので、
取ってもおかしくないように彫ってあります。
念のため、
いつも変わった希望を聞いているわけでは、ありませんから(笑)
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