2009年11月13日

けえってくれ

昨日は、象牙のはんこを3本彫る予定のいわば象牙デーでした。
はんこ屋にとって、象牙はやはり別格、
いつもより、より集中してお彫りします。

夕方から、仕上げ彫りを始めて、夜8時頃
「ちょっと聞いていいかな」
「びっくりした」
集中して彫っていましたので、話かけられてビックリ!
カウンターに人がいることも気付きませんでした。
60才前後の男性です。

「象牙の彫り直しは、できるのかな?」
「象牙は彫り直しできますよ。でもなんで。。」
「頂きものの3本セットなんだけど、字が間違っていて
 料金はいくらするのかな」
「姓名お彫りすると2万円、姓か名かどちらかは1万5千円です。
 どんな風に間違っていたんですか」
「タカがハシゴなんだけど、口(高)で出来てしまっていて」
「それは、彫り直した方が良いですね」
彫っているのを中断させて悪かったねという感じで
「最近は、はんこ屋さんがなかなかなくて、聞いちゃったよ」と
感じ良く帰って行かれました。

その日、最後の1本があと少しで出来上がるという
夜の10時頃、お店の前で奇声が聞こえます。
階段の前で、おじいさんが酔っ払って、奇声を何度か上げています。

ちょっと彫っては押してみて、ちょっと彫っては押してみてを
繰り返し、完成点に近づけます。
はんこを彫っていると、自分には明確な完成点があるのです。
押してみて完成だと思う、その瞬間が気持ち良いのです。

あっ酔っ払いのおじいさん(70歳台)が、近づいてきました。
無視です。
なんかごちゃごちゃ言っていますが、トイレを聞きにきたわけでも
はんこが欲しいわけでもありません。

「真剣に仕事をしているので、酔っ払いの相手はできないから
 帰って」
「酔っ払って。。。いるか。
 私も彫り師で」

「帰って下さい」

「ここは、どんなはんこを彫るのか。」

「仕事をしているので、帰って下さい」

「私も彫師で、私はもっと奇妙奇天烈なはんこを」
(偉そうな感じで)

キミョウキテレツなんて言葉を聞いたのは、いつ以来だろう(笑)
ベレー帽姿は、画家さんか篆刻作家さんだからなのでしょう。
でも、著名な方であったとしても関係ない、
ヨッパラって仕事の邪魔するな。
話をしたかったら、素面で出なおせの気持ちをこめて
「帰って!」

まだごちゃごちゃ言い、「こんなお店なんて○○だ」などと
汚い言葉を吐きながら、相手にされなかった怒りで
酔いも少し覚めたのか
今度は、真直ぐ歩いて階段を降りていきました。

この翌日、ほろ酔いで、立ち寄ってくれたサンちゃんに、
この話をしたところ、受けたので
書いてみました(笑)



 


posted by 一日3本 at 22:44| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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