2009年10月26日

桜水流(文様)を文字に

今回ご紹介するはんこのお引渡し前日、
「これができた時、天才かと思いました。
 天才と言っていいですか(笑)」
「どんどん言って下さい。天才ですよ」

上は、当店で作ったモチーフ入り印鑑を
名刺に取り込んだものが出来上がり
見せに来てくれた美大出身のお客様との会話です。

今回のテーマは
桜水流という文様を文字にすることで、それはどんなことなのか
注文する方も受ける方も変わっています(笑)

ご注文を頂いた男性は、
ファーストネームに「桜」という字が入っていて、桜にこだわり、
桜がモチーフなアイテム(アクセサリー、ジャンバーなど)を
色々とオーダーしてきたそうです。
いわばオーダー慣れしたお客様で、
職人心をつかむのが上手いのです。

Image326.jpg
ご注文時に、ちょうどお持ちだったてぬぐいの柄が
桜水流といわれているもので、
その桜水流をモチーフにしたいという希望でした。
桜水流を下側に入れて
上側を文字という感じでざっと書いている時
「桜水流を文字自体にするとか」と小声で言われました。
「えっできるかな、そんなこと」
考えてみると、できそうな気もします。

「もしやってみて、おかしかったら、
 桜水流を下に入れるパターンにしますね」と
逃げの部分も認めてもらいます。

職人さんに無理をいう時は、このように逃げの部分、
あまりにも難しかったら、
標準に近いものになっても、決して文句は言いません。
オマカセします。という姿勢が重要です。

文様を文字にするのも、
他の職人さんが彫った独特な書体風に彫るのも、
同じことかなと思ったのでお受けしました。

まず文様を軽くトレースして特徴をつかみます。
そして、文字の形にその特徴を入れていき
桜の花びらをしつこくならない程度に入れて、印稿完成。
やっぱり出来てしまいました(笑)
しかし、この印稿ができるまでは、
これでもそんな事ができるかどうか、ちょっぴり不安でした。
その不安から開放されましたので、冒頭の天才発言となるのです。

さて、この印影でお名前読めますか?
saku.JPG

もちろん、大満足のご本人は、わかりますが
お名前を知らない人には読めないようです。
名前を知らせると、確かに字が見えてくるようです。

帰り際「友達に宣伝しておきます」
「でもそんな印鑑は、誰にでも作るというわけではなく、
 オーダー慣れしたお客様だからこそで。
 (一緒に注文してくれた)奥様のはんこでしたら、
 それに比べたらシンプルですが十分凝ったはんこで、
 そちらの方でしたら…
 あっそれは、一見シンプル、良くみると色々モチーフが入っていて
 象牙だからこそ頑張れたもので…」

口コミ禁止令解除のはずなのに(笑)

東京の渋谷駅ハチ公広場下のはんこ店の地図(隣はメガネ屋さんです)、
ハンコのインターネット通販は東堂印章公式サイトへバナー かわいい英樹1g.gif
posted by 一日3本 at 11:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 無理を聞く | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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