篆書としてたくさんの字が頭の中に入っているわけではなく
名前で良く使用する、へんとつくりが頭の中に入っていて
合成して書いているのです。
ちょっとでも自信のない時には、本番の印稿書きの前に辞典で
確かめます。
お馴染みのはんこ屋さんの業界誌「現代印章」の
「いまさら聞けない篆書の疑問」という連載の中で
正しい部首同士を合成しても篆書として良いかという
疑問が寄せられました。
回答は、ダメなこともあるので、
合成には十分注意しましょうということです。
当たり前の回答で、しかも間違えやすいと上げられた
例が良くありませんでした。
書くまでもありません。
時、同じくして、印相体職人も、
合成すれば良いわけではないのだなと思いました。
こちらの方がわかりやすい例なので、ちょっと書いてみました。
『泉』という字についてです。
『白』と『水』で構成されていますので、
白と水を合わせて右下のようにざっと書いてしまいました。
『水』は真ん中の棒と4つの流れで構成されているので
印相体で真ん中下のように良くします。
『水』は真ん中の縦棒と左右にそれぞれ2本ずつあれば、
極端にいえばOKです。
ちょうど『水』のつくお名前を彫った直後に
『泉』の付くお茶の名前のはんこを
モチーフ入りで、できるかというお得意さまからの問い合わせで
ざっと書く段階で間違ってしまいました。
普通なら『泉』という字くらい何も見ずに書けるのですが(苦笑)
印稿を書く段になって気付き無事彫れました。
この時になぜ合成と違うのだろうと思いました。
でも印相体なら、合成文字の形でも、
役所も銀行も通用する可能性が高いと思うのですが。
そうそうこのお茶のはんこは、
基本アイデアをお客様が持ってきてくれ、
『泉』の上部分を水たまりにし、
そこにお好きな千鳥が水を飲みに来たイメージで
上品に出来上がりました。
でも、はんこ屋がいない時に印鑑を受け取りに来られてしまい、
印影公開の許可は得られませんでした。
とにかく、過信せず、印稿を書く前に辞典で確認しましょう。
篆書より、印相体は、日本生まれの自由な書体なので
基本的に合成であろうと読めればOKです。
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