2008年10月02日

印相体職人養成講座6

<『印相学の知識』を読んで1>
印相体職人養成講座を始めてしまったので、
父から受け継いだ知識だけではなく、
一般的な印相学の知識を得るために、本を購入しました。
昭和59年、今から25年、四半世紀前に刊行された本なので、
今の時代と合っていない箇所もあると思いますが、
最近増刷されたようで、現代印章に広告があります。
さて、その本を紐とくと
良い印章を持っていれば
自然と運が開けるというようなことが書いてあります。
えっ今一番流行っている印相屋のY印店でさえ、
そんなことは、いわないのに。
誤解なきよう、自身の努力次第としっかり書いて欲しいところです。

更に読み進めると、
人間というのは形や色彩への順応性が高く、
順応性が高いというのは影響を受けやすいという意味のようです。
着物と洋装の時とでは、行動が違うと例が挙げられていますが、
現代では必ずしもあてはまるかどうか(笑)
派手な服装をしているといつの間にか派手な性格になる。
同じことが印章でもおき、さらに印章は名前が彫ってあるので、
より影響を与えるという考えです。

このように書いてしまうと、眉唾な感じですが
はんこ屋のお客様で、お仕事用の印鑑を作られた方から
このはんこに見合った仕事をしたかと考えるようになり
仕事も発展していますとお聞きしたり
自分が成功していくことで、このはんこが縁起の良いはんこと
言われますので、がんばりますと言って下さったり、
このような努力するきっかけとなることが良い印章を持つ意味合いと
言えるのではないでしょうか。

読みススメていくうち、この著者の平木場さんは、
まずハンコが彫れないであろうことがわかりました。
易学の大家のようです。
易学方面からの記述は、はんこ屋も知らなかったことがあり
大変勉強になりました。
例えば八方位ですが、運命学では自然界を八季に分けていて
春夏秋冬の四季と
わかれ目のところにそれぞれ18日間の土用があってこれで八季。
これが印相学の八方位となったそうです。

共感できた点は仏像を例にとり、美の法則にのっとってこそ、
尊さ生まれます。
同様に印章も吉相であるものは、
印影が美しくあるべきであるというような記述です。

しかし、その本の中に吉相の印例に挙げてある印影10のうち
かなり、大目にみて2つやっと合格点で、
どれも美しいとは言い難く、完全手彫りかも知れませんが、
彫る技術がへたです。
全体的に曲がって見えますし、
文字が十字になっているところで
横棒に激しい段差があります(苦笑)
ぎりぎり合格の2点も、あと3箇所くらい直すとぐっと良くなるのに
と思うほどデザイン力(章法力)が足りません。

これでは、本の内容と印影が合っていませんので
この作者は、まったく印鑑が彫れないのだと気付いたのです。

気になったのは2点。
印相学では一般論ではなく
それぞれ、その人に合った印章を作るべきなので
信頼すべき印相家に相談しましょうというのが、
たくさん出てきます。
その人のことを知り想って彫ることは、
はんこ屋も重要な要素と考えています。
しかし、印相家という人達が世の中にいるのでしょうか?
あるいは、昭和にはいたのでしょうか?

もう1点は
女性用の認印のサイズを11ミリ丸内外としてある点です。
印鑑の世界はいまだに尺貫法で丸は1.5ミリ刻みで
9ミリ、10.5ミリ、12ミリ、13.5ミリ
15ミリ、16.5ミリ、18ミリ丸が規格のサイズなのです。
銀行印は13.5ミリ内外とありますから、.5が面倒だったから
ではないようです。なぜ11ミリ丸?

そこで、はんこ屋の先輩に聞いてみました。
「印相家という人が昔はいたんですかね」
「その表現は聞いたことないな。
 少なくても、はんこ屋ではないことは確かだね。
 易者さんで、はんこのことに詳しい人かな。
 そうそう、あのY印店も、川崎の大先生からの
 下請け仕事(印刻)をしているうちに易学の方にすすんだので
 易者さんかな」
「その本の作者の人は、はんこが彫れないなと読むうちにわかり
 では、やたらと出てくる印相家もはんこが彫れないはずで
 ではいったい誰が印稿を書いて彫るんだと、もう謎です」

「それと、11ミリ丸の印材が出てくるんですが、
 昔はあったんですか」
「いや規格ではないよ。
 でも11は強い数字なので、いいかも知れないね。
 印相学は色々な流派があるから、
 もしかするとそこでは11ミリがいいとしているかも知れないね。
 うちでも昔は、1にこだわり
 会社の印鑑は、2寸1分丈(長さ63ミリ)の印材を
 作って使っていたよ。
 個人の印鑑は18にこだわって1寸8分丈(長さ54ミリ)の
 印材をやはり作っていて、今ではやめてしまったけど。
 印相学では独自性も大切だから、11ミリ丸いいかも知れないよ」
「頼めば、直ぐ作ってもらえますが、どうでしょうね」

はんこ屋の先輩が数字の持つ力について、
良く考えているのがわかり、新鮮でした。

まだ本は半分までしか読んでいませんので、また次回に。

そうそう、ホームページを立ち上げてすぐにご注文頂いた方は
図書館で印相学の本を読み、印相に興味を持ち
どこで印章を頼むかと色々と調べた結果、非常に高かったり
いくつか実店舗に行ってみても、
最初から最後まで一人で彫るところがなかったりで
納得できなかったそうです。
当店にご注文戴き、感想の中に、
当店の印章が自分に合う服のように感じますというような
表現があり、印章を服に例えるなんて素敵な感性だなと想いました。
もしかして、その方もこの本を読んだのでしょうか。

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posted by 一日3本 at 11:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 印相体職人養成講座 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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