2008年06月27日

これはもはや新書体?

結婚したてのご夫婦が午後7時に来店され、
午後9時に帰られました。
恐怖の2時間接客です。
話が弾んで2時間ならば、楽しい時間なのですが、
ひたすら、ざっと書き続ける2時間は辛かったです(笑)

もともと悪いのは、はんこ屋です。
奥様が旧姓の印鑑をお持ちになり、
それは中国の大先生に彫ってもらったものでした。

「中国で彫った印鑑で、初めて上手なものを見ました。
 先日、中国人の女性が北京で息子のためにはんこを作ったものの、
 酷い機械彫りでどうして気に入らないと言っていました。
 中国でも弟子となって修業する人が少なく
 機械彫りが増えているようです。
 中国のお土産で作ったものは、
 手彫りでも荒彫り段階で終わっているものが多く、
 特に石類は仕上げ刀が効かないので、
 まあしょうがないんですけど。
 機械彫りなら日本の機械の方がまだいいですね。
 そんな中、このはんこは上手です。
 印相体に近い篆書で、面白く曲げてある所もあって、
 ちょっと練習していいですか」

ご主人の名前で、その文字風にざっと書いてみました。
ここからざっと書き続けることに。
ご主人はえん印相体が好みのようでした。
奥様は、その中国で作られた印鑑のように
がっしりとした構印相体が好みでした。

奥様は、いくつか書いていくうちに、
構印相体系が好きとはっきりわかりましたので、決定。
ご主人は、奥様が直線、自分は丸というあまりの好みの違いに
迷い始め、結局奥様と相談の上、ざっと書いた中で、
1番よかった上昇印相体系に、やっと決まりました。
決まるまでいくつ書いたでしょう。
途中で「あきた」と小声で言ってみました(笑)

実印が決まったところで、ご主人の銀行印もご注文で、
こちらは、絶対えん印相体と決めているようでした。
ここから、また書き続けるのは大変なので、
はんこ屋さんの策略です。

えん印相体で書き、ご主人のものと知っているのに、
わざと文字の一部をハートにしてみました。
「ハートはちょっと」と言っているうちに、もう一つ書き始めます。
カメ、カメ言っているので、先程のハートの所を海亀にしました。
さらに文字の先っぽをくるんとしてみました。
これで決定です。
最初に好みからワザと少し外し、次に好みなものを書いて決定、
見事作戦成功です(笑)

先っぽをくるんとするのは、
えん印相体で丸くする部分が少ない時に起こります。
意識的には、アメリカ人と結婚されたご夫婦に
同じカタカナの姓の印鑑で、
明らかに違う印影として最近始めました。

もう、えん印相体というより新書体な感じです。
kuru.JPG
カメ印相体ではなく、くるんと印相体です(笑)

面倒をかけた(笑)ご主人は、引き取りに現れず、
奥様だけのご来店でした。
奥様の感想はご自身の印鑑は「中国の大先生以上です」
カメは「一つの絵ですね」
「ご主人に大変だったことを伝えたかったのに」言うと
電話をつないでくれました。
そしてブログでの公開を快諾してくれました。
綺麗な奥様とまたお会いできたからいいもん(笑)

その時に、あらためて
ご主人と奥様の実印を見比べると好みの違いが
はっきりとしていました。
ご夫婦にとってそれは、きっと良いことです。
ちゃんとオーダーして作った印鑑を使おうという
基本的価値観は一緒で、でも好みは別。
あまり好み考えが近すぎると、何か問題が起きた時に、
打ち破れないことがあるかも知れません。
しかし、違いがあるとそれぞれ別の角度から検討し
きっと問題解決に至るでしょう。
いいご夫婦になると思います。

ご結婚おめでとうございます。
幸せのカメとなりますように!

東京の渋谷駅ハチ公広場下のはんこ店の地図、ハンコ判子のインターネット通販は東堂印章公式サイトへバナー かわいい英樹1g.gif

いつも投票ありがとうございます⇒banner_04.gif
posted by 一日3本 at 11:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 無理を聞く | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック